私学探検隊

110周年記念事業 「オルセースクールミュージアム」が女子聖学院にやってきた!

学校が美術館に!

5月17日から5月31日まで、創立110周年記念事業の第1弾として、「オルセースクールミュージアム」を開催した女子聖学院。
「オルセースクールミュージアム」とは、フランス国立オルセー美術館が世界で唯一公認した「リマスターアート展」を、学校を展示会場として行うという教育プログラム。オルセー美術館全面協力のもと、美術館に所蔵されているゴッホやミレー、セザンヌなど印象派の名画を、最新のデジタル技術とコンピュータ技術を駆使し、絵の具の凹凸や筆致までも忠実に再現したリマスターアート32点を学内クローソンホールで展示。地域の人々も大勢来場しました。
校長の田部井道子先生に、開催の理由を伺いました。
「110周年という節目に、生徒たちに『在学していた』ことを覚えておいてほしいと考えていた矢先、『スクールミュージアム』に出合いました。『名画を鑑賞する』ことは、『感動する』など良い影響があります。また、描かれた時代や背景、画家の思いに触れることで、印象深い絵や感動に出合ってほしい。その感動をエネルギーに変えてほしいと願っています」(田部井先生)

生徒たちが名画を解説!

オルセースクールミュージアム

作品が展示されたのは中央前面に十字架が掲げられたクローソンホール。女子聖ならではの会場も魅力だった

同校では中2の美術に「名画の模写」の授業があります。模写したい名画を選び、忠実に模写するもので、この授業が「スクールミュージアム」にもつながります。また、生徒自身が来場者に絵画を解説すること(アートコンシェルジュガイド)も、この美術展の特徴の一つです。
アートコンシェルジュには、中1から高3まで103名の希望者がありました。本番に先駆け、まず勉強会が行われました。ガイドは昼休みや放課後に行われ、来校者に直接話しかけるというもの。実際にガイドが始まると、「知りたい」欲求が強くなり、勉強会で学んだこと以上に調べたりする生徒も出てきたそうです。
実際に解説をしてもらいました。まずセザンヌの『かごのある静物』。「この絵に何か違和感を感じませんか?」と、高2の生徒。「遠近法がおかしいような気がしますが……」と言うと、「そうです! これは、一つひとつの静物を描いてからすべてを組み合わせて一つの絵に仕上げているのです」と解説が始まります。そして、印象派におけるこの絵画の意味にまで、説明は続きます。また、ゴッホの『ローヌ川の星降る夜』を解説してくれた高2の生徒は、「地面を斜め、川面は横、星空を縦横無尽なタッチで描くことにより、右下にいる恋人たちの愛を描き出したものです」と話してくれました。さらに、ミレーの『落穂拾い』の解説をしてくれた高1の生徒は、「この絵にはキリスト教の精神が描かれています。前面に描かれている落穂を拾っている女性は夫を亡くした女性たちで、彼女たちは落穂を拾って生計を立てています……」と、そのテーマを解説してくれました。
みなさん堂々と、そして、何より楽しそうでした。みなさんにアートコンシェルジュを志望した理由を尋ねると、「実は絵より、人に説明したり、話したりするのが好きだったからなんです」「絵画に興味があったので」と答えもそれぞれ。また、最初は緊張していたものの、作品についてさらに調べたり、解説の仕方を変えたりしたところ、回を重ねるごとに楽しく解説できるようになったと言います。そこには、「自分のことばで発信する教育」という同校の理念が表れていました。

参加者募集中!予約受付中!
記念事業は第2弾もあります!

女子聖学院110周年記念事業【第2弾】
7月20日(月・祝) 13:30~14:45
「教育講演会」 ※要予約(学校HPより)
講師:ルース・ジャーマン・白石さん
公益財団法人「日本女性学習財団」評議員として活動し、2013年からはNHK語学番組『しごとの基礎英語』にも出演するなど、多彩な活躍をされているルース・ジャーマン・白石さんを講師に、「世界に誇れる日本の美点~日本的なグローバル化を目指して~」をテーマに講演していただきます。
問い合わせ先:☎03-3917-5377
(女子聖学院広報室)
※日祝除く9:00~17:00

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

女子聖学院中学校高等学校
[学校HP]http://www.joshiseigakuin.ed.jp
〒114-8574 東京都北区中里3-12-2
☎ 03-3917-5377(広報室)
最寄駅/JR「駒込駅」徒歩7分。メトロ南北線「駒込駅」徒歩8分。JR京浜東北線「上中里駅」徒歩10分。