私学探検隊

世界最先端の「デザイン思考」を導入 自由な発想で思いを形にする

独創的なアイディアを生み出すデザイン思考

ブレインストーミングを行う生徒たち

ブレインストーミングを行う生徒たち。iPadを活用し、自由な発想でアイディアを出し、共有する

瀧野川女子学園は、その伝統を大切にしつつ、ICTの導入など、最新のシステムを活用した教育に積極的に取り組んでいます。独自プログラムの「創造性教育」では、世界最先端の「デザイン思考」(Design thinking)の考え方を取り入れています。中高の教育現場では珍しい試みですが、デザイン思考を導入した教育とは、どのようなものなのでしょうか。副校長の山口龍介先生にお話を伺いました。
「デザイン思考はもともとアメリカの大学や企業で始まったもので、新しい商品やビジネスを生み出す際に『こういう体験がしたかったんだ!』という部分をどれだけ創り出せるかを考えます。デザインという言葉から、クリエイティブな才能がないと難しいと思われがちですが、決して特定の人のためのものではなく、的確なトレーニングを受ければ誰にでも身につけることができる思考法です。これを柔軟性のある中高生時代に身につけることにより、将来、多くの生徒が新しいビジネスやサービスを創り出す仕事に関わってくれることを期待しています」と山口先生は話します。

生徒自らが主体的に学ぶための仕組みづくり

同校ではデザイン思考を全教科の先生が学び、さまざまな教育プログラムに取り入れ始めています。それにあたり、山口先生の母校でもある東京工業大学の准教授・齋藤滋規先生にプログラム監修を依頼。授業や先生方への講義を担当していただいています。デザイン思考の理論に基づいた体験型ワークショップなど、生徒が自ら主体的に学び、理解する仕組みを作るためには、教員はその2~10倍をかけての準備が必要ですが、同校の先生方は積極的です。「齋藤先生の講義を聞いて、ぜひこれをやりたいと言ってくれました。一方的な押し付けではなく、生徒が自ら主体的に学ぶように導くことは創立時からの本校の方針でもあり、導入はスムーズでした」(山口先生)

チームで行うことで各自の得意分野を発揮

デザイン思考では、ものを形にする前に受け取る人が望んでいるものを推察するプロセスを大切にします。インタビューやブレインストーミング、プロトタイピングを操り返して、チームで新しい物事を創り出していきます。「チームの中にはアイディアを出すのが得意な子もいれば、それを組み立てるのが得意な子もいます。それぞれの特性のよいところを伸ばして役割分担すればよいのです」と山口先生。中1の「理想の街をつくろう」では、グループごとにひとつの街を決め、改善すべき点を話し合い、その街を再デザインしたジオラマをつくります。高校生になると、より実践的な取り組みに挑戦します。高2では商品を企画し、事業化して学園祭で販売。また、修学旅行先のハワイでもハワイ大学とコラボレーションし、イベントを主催、出資から事業の精算まで生徒たちの手で行います。ここでも各自の得意分野を発揮した役割分担が重要です。「楽しくて、世の中に出た時に役に立つ教育が今後の大学入試改革への対応にもつながると考えています」と話す山口先生。生徒たちのますますの成長が期待できそうです。

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

瀧野川女子学園中学校
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