私学探検隊

逗子開成の海洋教育が新たなステージへ 海を通じた主体的な学びが子どもたちの未来をひろげる

「海という自然環境と向き合い自分の可能性と未来をひろげる」
逗子開成では、生徒全員がOPヨット製作・帆走実習と1.5㎞の遠泳実習に取り組みます。中学校3年間の学校生活において、海(浜辺を除く)を活用した授業は、ヨット帆走4回、遠泳1回、海での水泳授業約10時間ほどです。決して多くはありませんが、生徒たちは、一連の授業に参加し自分自身の身体で体感することで、「海」に対する認識を着実に深めていきます。各実習後に記すことになるレポート。そのレポートには、ヨット操作を通じて受けた海に対する認識やプールでの泳ぎと海での泳ぎとの違いについてなど、生徒たち自身の言葉がつづられます。そして、レポートや感想はクラスで相互に発表し合い、認識を深めます。これらを通じて、人間にとっての海の存在や海と向きあう人間のありようについて理解を深めていくのです。
中高6年間という人生で最も多感な時期に体験するこれらの活動は、これからの時代における人間と海洋(自然環境)とのあるべき姿について、深く考える機会を生徒たちに与えています。

「教科横断型の「海洋人間学」で学びを深める」
逗子開成では、海の学びのさらなる深化を目指しています。2015年には、文部科学省に「教育課程特例校」の申請を行い、「海洋人間学科」を設置しました。「海洋人間学」は、“海と人との関係”について学ぶ、教科横断型の総合的な教科です。その前年には、東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターと提携協定を結んでいます。同センターは、海洋関連分野における教育研究の国際的な拠点形成を目指す研究機関です。逗子開成では、まさに今、海洋アライアンスの協力も得て、子どもたちの知的好奇心をくすぐる取り組みをスタートしているのです。例えば、「海洋学特別講義」を開始しました。2015年は、中1「パンダを食べますか?」、中2「豊かな三浦の海のしくみと多様な生物を活用する生物学」、中3「月が導く深海の流れ」というタイトルで、海を切り口に学問研究の奥深さや面白さを学びました。

OPヨット帆走実習

OPヨット帆走実習

さらに、2015年にはうれしい出来事がありました。講義の内容に興味や関心を持った中3生徒が大学の研究室を訪問し、学校の文化祭や海洋教育フォーラムや海洋教育サミットなどでポスター発表を行ったのです。学校で準備をしたのは、「講義」まで。生徒たちが主体的に学びをつかみとってくれたのでした。また、高校1・2年でスタートした「海洋人間学講座」は、中学の海洋教育の発展的な内容として、講義や実習にチャレンジするものです。「数値シミュレーションで学ぶ津波の物理の基礎」「海洋学と社会の接点」「ヨットのテクノロジー」など多彩な内容が準備されています。「ヨットのテクノロジー」の授業では、ヨットの科学について学ぶだけではなく、一つの研究や技術が社会にどのような影響を与えるのか、を講義で学ぶとともに、ランドヨット製作体験実習を行います。生徒たちは何度も試行錯誤をくり返します。理論を学び、自分自身の手足や感覚を総動員して製作する授業。こういった学びの、その先がこれからとても楽しみです。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

逗子開成中学校
[学校HP]http://www.zushi-kaisei.ac.jp/
〒249-8510 神奈川県逗子市新宿2-5-1
Tel. 046-871-2062

最寄駅/
JR湘南新宿ライン(横須賀線)「逗子駅」・京急逗子線「新逗子駅」徒歩12分。

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