私学探検隊

多彩な取り組みで豊かな感性と表現力を養い 世界へ羽ばたく力を育む

「22歳の夢」を原動力に自ら学ぶ姿勢を身につける

今年創立75周年を迎えた聖和学院では、建学以来、国際社会に貢献し世界で活躍する、真に自立した女性の育成に力を注いできました。
「そのためにも、まずは自らの将来像を明確にすることが大切と、『22歳の夢』を考えさせるキャリア教育を行っています」
と語るのは、国語科の栢本さゆり先生です。
生徒たちは、まず22歳の時点でこうなっていたいという「なりたい自分」の姿を具体的にイメージ。それに基づいて、夢をかなえるために必要な学びができる大学を選択。そして、志望大学に進学するために、中学高校の6年間をどのように過ごすべきかを考えていきます。
「卒業生の経験談やアドバイスを参考にしながら逆算して考えていくことで、生徒たちは日々の努力の大切さに気づき、自然と勉強に身が入るようになっていくんですよ」(栢本先生)
夢を原動力に自ら学ぶ姿勢と学力を身につけた生徒たちは、充実した大学生活を送り、やがて、社会に貢献する人材へと力強く成長していきます。

「ビブリオバトル」がもたらした大きな成果

国際社会で活躍するためにはコミュニケーション力が不可欠ですが、聖和学院では、さらにその土台となる「豊かな感性と表現力」、そして日本語の4技能(聞く・話す・読む・書く)を養うことも重視しています。国語や英語をはじめ多くの教科で、自分の意見や考えを発信する機会を数多く設け、表現力やプレゼンテーション力の育成を図っています。
中でも大きな成果を挙げているのが「ビブリオバトル」という書評合戦です。生徒一人ひとりがおすすめの本を紹介し合い、最後に投票してチャンプ本(もっとも読みたくなった本)を決めるという、いわば本紹介ゲーム。現在は各地で大会が開かれるほど人気を博しています。栢本先生は4年前、当時中学2年生のクラスでこのビブリオバトルを試験的に導入しました。
「本選びに始まり、聴き手を惹きつけるためのスピーチの構成や話し方に至るまで、すべて自分で考えて行うのがビブリオバトルのルールであり、醍醐味です。そのため、生徒たちには概要を説明しただけでアドバイスをせず見守ることに徹しましたが、皆、楽しんで取り組み、プレゼンテーションも面白いものばかりでした」
うれしい発見もたくさんあったと話します。
「小説や物語はもちろん、美術のデッサン集や料理のレシピ集など実に多彩なジャンルの本が集まりましたし、想像以上に本好きの生徒が多いことにも驚かされました。また、バトル後は、生徒同士で本を貸し借りし合い、読書の幅を広げているのもうれしかったですね。生徒たちはまさに、ビブリオバトルのサブテーマ『人を通して本を知る、本を通して人を知る』を体現しているなと思いました」
手ごたえを感じた栢本先生と生徒たちは、その翌年の2015年、「中学ビブリオバトル関東大会」にチャレンジ。クラスの代表者としてS・Mさんを選出し、クラス全員が協力してスピーチを練り上げた結果、見事、準優勝に輝きました。クラス全員で勝ち取ったこの成果は、クラスに一体感をもたらすとともに、さらなる広がりも見せています。
まず、S・Mさんはこの準優勝で得た自信を糧に、1年間のメキシコ留学へと旅立ちました。その翌年、今度は高校1年生となった同じクラスのS・Oさんが「全国高校ビブリオバトル2016関東甲信越大会」に出場し優勝。さらに全国大会にも出場した上に、インターネット番組にも出演しました。そうした先輩たちの活躍を目の当たりにした後輩たちも続々と名乗りを上げており、いい循環が生まれているそうです。

ボランティアがテーマの英語スピーチコンテストで準優勝!

聖和学院では建学当初から英語教育にも力を入れていて、30年前には他に先駆けて高校に英語科を設置。現在でも神奈川県唯一の英語科設置校となっています。また単に英語を使えるだけではなく、真に国際的に活躍する人材を育成するため、全校を挙げて国際理解を深める教育にも力を注いでいます。その成果の一つが、ライオンズクラブ国際協会主催第13回青少年英語スピーチコンテストでの、高校普通科1年生H・Yさんの準優勝です。
「東京オリンピック・パラリンピックにボランティアとして関わりたいと考え、調べていく中で生じた問題意識と提言を、英語とボディランゲージを駆使したスピーチで見事に表現していました。本番を見守った先生方もその堂々とした姿に大変感動したそうです」(栢本先生)
並み居る強豪校のライバルたちを抑えての受賞は、聖和学院で培われた豊かな感性と表現力が発揮された結果と言えるでしょう。

中学から高校の縦割り班で校内プレゼンコンペに挑戦

青少年英語スピーチコンテストでは、豊かな感性と表現力、そして英語力を活かしたスピーチで、準優勝に!

青少年英語スピーチコンテストでは、豊かな感性と表現力、そして英語力を活かしたスピーチで、準優勝に!

このほかにも作文や論文、ディベート、スピーチなどの大会やコンテストで数多くの入賞者を輩出している聖和学院では、さらに感性と表現力に磨きをかけるべく、今年度から新たな取り組みをスタートさせました。それが、中学1年生から高校2年生の縦割り班で臨む「プレゼンテーション コンペティション」です。
7月に行われた第1回のテーマは、「学院生活をより良くするために自分たちにできること」。答えが一つではないテーマに対して、どのようにアプローチして答えを導き出すのか。そして、制限時間内にいかに聴き手を納得させるか。高校生を中心に、こうした課題を一つひとつクリアしながらプレゼンをまとめ上げ、本番は大いに盛り上がりました。
この取り組みでは、縦割り班としたことも大きなポイントだったと言います。
「上級生は下級生の指導を通じて自分たちの強みや弱みを客観視する機会となり、下級生は上級生にプレゼンの手法を学ぶことで、どちらも大きく成長しました」(栢本先生)
このように、生徒たちの力を伸ばそうと次々と新たな取り組みにチャレンジする聖和学院の先生方の姿勢は、そのまま生徒たちの見本となっているはずです。そして、異性の目を気にしたり安易に頼ったりすることなく、リーダーシップを発揮したり活躍したりできる女子校ならではのメリットを享受しながら、豊かな感性を育み、自由かつ的確に表現することを身につけた生徒たちは、大学、そして社会へと自分らしく羽ばたいていくに違いありません。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

聖和学院中学校
[学校HP]http://www.seiwagakuin.ed.jp/jhs/
〒249-0001 神奈川県逗子市久木2-2-1
Tel.046-871-2670

最寄駅/
JR湘南新宿ライン(横須賀線)「逗子駅」徒歩8分。京急逗子線「新逗子駅」徒歩10分。

この学校の詳細情報を見る