私学探検隊

「10代こそ悩み、反発しながら育って欲しい」 生徒たちを暖かく見守る新校長先生インタビュー

カトリック精神に基づく人格形成を目標に、人間としての生き方を学ぶことのできる聖園女学院。8万㎡を超える広大な緑に囲まれ、神奈川県の鳥獣保護区にもなっているほどの自然溢れる校内は、感受性豊かな10代を過ごすのには絶好な環境が整っています。
生徒たちの生き生きとした笑顔あふれる聖園に、この4月から校長先生として母体である南山大学からいらしたのがミカエル・カルマノ先生です。ドイツ出身で、日本に約45年住み、独学で日本語を勉強し流暢な日本語を話すだけでなく、同様に何カ国語も操るカルマノ先生。
「聖園は、緑溢れる美しい環境にあります。私は、多くのことを語るよりは、生徒たちに自分で考えることを大事にして欲しいと思います。10代は教えられることに反発したり、疑問を持ったりすることは当たり前ですし、そこから自分で考える機会にもなります」
その言葉通り、毎日中高交代で行われる朝礼での校長先生の言葉は、とても簡潔です。
「『校内には、あちらこちらに紫陽花が美しく咲いていますが、紫陽花というのは土の性質によって花の色が変わる特殊な花なのです』。先日もそれだけを伝えました。その心は、“人も環境によって変わっていく。だから自分がその環境によって想い想いの花を咲かせられるようにきちんと根付いていって欲しい”ということなのです。しかし、それは全てを説明しないほうが、生徒たちは自分で考えるでしょう」
最初は短い言葉に戸惑い気味だった生徒たちも、徐々に朝礼後には友人同士で先生の言葉の真意を話し合うようになってきていると言います。一石を投じつつも、その後の生徒の受け止め、考える力を信じてくれる校長先生の眼差しは、生徒たちにも伝わっているようです。

生徒の質問に1つ1つ答える考える機会を与える宗教授業

授業前や4限後に黙想の時間をもち、自分と向き合い、心を整えます

授業前や4限後に黙想の時間をもち、自分と向き合い、心を整えます

カルマノ先生は神父として、前校長であるシスター清水とチーム・ティーチングで共に宗教の時間も担当されています。
「宗教の授業に、決まった形はありません。学期の初めに高校生から宗教に対する疑問や質問を集めました。私の授業では、それに一つ一つ一緒に考え、答えていきたいと思っています」
一方で、教育やあたたかさなど、聖園の変わらない良さもあります。
「聖園の生徒たちはクラスの枠にとらわれず、学年全員が友人のようなあたたかい繋がりを持っています。このアットホームさは、本当に生徒たちにとって良い環境であり、支えになっていくと思います」
また、毎日4限後のお祈りの時間を始め、キリスト降臨を表す美しい無言劇、節目ごとのミサなど宗教教育を大事にし、そこから努力や感謝の心を培っていく人格教育の土台も変わりません。
読書とクラシック音楽鑑賞が趣味のカルマノ先生ですが、もう一つの趣味はカエルの人形集めとお茶目な一面も見せます。
「カエルが3匹揃えば、私の名前と同じミカエル(笑)。先日の球技大会の前の日も“てるてるカエル”をかけたら雨がやんだので、これからは毎年かけないといけませんね」
聖園に、新たに楽しい伝統と真摯な校長先生が加わったようですね。
 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

聖園女学院中学校
[学校HP]http://www.misono.jp/
〒251-0873 神奈川県藤沢市みその台1-4
Tel.0466-81-3333

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小田急江ノ島線「藤沢本町駅」徒歩10分。小田急江ノ島線「善行駅」徒歩15分。

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