私学探検隊

図書館は「∞インフィニティ(無限大)」。 アイデアを更新しながら、進化しつづけている

キリスト教に基づく教育を展開し、「隣人愛」を核に「道徳人」「実力人」「世界人」を育てる明治学院。今回は、同校の図書館をご紹介しましょう。右の「∞インフィニティ」は、同校の『図書館ニュース』のタイトルです。司書教諭の青野由美先生にお話を伺いました。

調べ学習に、読書に。生徒の好奇心をくすぐる仕掛けが

終礼前、同校では「10分間読書」が行われています。朝読書はよく聞きますが、終礼前に実施するのは同校ならでは。朝は礼拝があるからです。「この10分間読書で読む本を探しに、図書館にやってくる生徒も多いですね」と、青野先生。
図書館のドアを開けると、すぐ右手に、丸窓から陽が注ぐ「特集コーナー」が。ここには秋なら「食欲の秋のおいしい読書」など、定期的にテーマを設けて、季節や時事に関連した本を見やすく展示しています。
蔵書6万4000冊、視聴覚資料約600本、雑誌約50種、新聞約10紙と、たくさんの情報がつまった図書館は、司書教諭の青野先生と二人のスタッフが常駐する知の宝庫です。
授業の調べ学習に活用するほか、年に1回全員に配布される、先生方からの推薦本や同校所縁の方々の著作などを紹介した『読書のすすめ』を手に、本を探しにやって来る生徒も少なくないといいます。

図書委員たちの活動も創意工夫にあふれている

ミニ・ビブリオバトルの様子。普段引っ込み思案な生徒が出場を希望することも。持ち時間3分(モニターに残り時間が表示)でお勧めの本をアピールし、どれだけ「読みたい」と思わせるかを競う。

ミニ・ビブリオバトルの様子。普段引っ込み思案な生徒が出場を希望することも。持ち時間3分(モニターに残り時間が表示)でお勧めの本をアピールし、どれだけ「読みたい」と思わせるかを競う。

図書委員は各クラスから1~2名。「定期的にカウンター当番を担当します。同級生と本について話したり、先輩が後輩に教えたりする姿を目にします」。図書委員の活動で〝頑張ることの大切さ〟を実感したという生徒も。また、長期休暇中には合宿を行ったり、映画やアニメの舞台を訪ねる聖地巡りや、図書関連のイベントを取材して展示ポスターを作成、図書委員会が年に1回発行する『学舎(まなびや)』に寄稿するなど、活動内容は多岐にわたります。
また、ヘボン祭(文化祭)では展示や「ミニ・ビブリオバトル」を開催し、来場者の方に好評だそうです。
青野先生は、今後の展開についてこう語ってくれました。「生徒たちを見ていて感じるのは、ドラマや映画化された作品にはスッと入っていけるのですが、そうではない本を文章から想像するのが難しくなっているように思います。文章にもっと慣れ親しんでほしい。そのために、『何が本を手に取るきっかけになるか』『どうすれば読むことに興味をもってくれるか』を考え、日々アンテナを張り巡らせています」
今年から蔵書管理システムを一新し、自宅からも蔵書検索が可能になりました。学び方を学ぶ場であり、見知らぬ世界との出合いの場である同校の図書館。同校を訪れた際は、ぜひのぞいてみてください。

本のタイトルを組み合せて作る「文庫川柳」
「三匹のおっさん/さらわれる/大変だァ」「失われた時を求めて/ムーミンを読む」「にほんのうた/変なおじさん/だめだこりゃ」「人間/ご先祖様はどちら様」
思わずニヤリとしてしまいますが、これらは生徒たちが作った文庫川柳です。文庫川柳とは、本のタイトルを組み合せて、五・七・五の川柳を作るもの。多少の字足らずや字余りは認められ、文庫以外の本もOK。2~4冊のタイトルで構成し、背表紙を並べて写真に撮り、作品としています。
書棚を巡りながら着想を得るので、「普段素通りするような、思わぬ本に出合う良い機会になり、文庫川柳を作るときには貸し出し冊数が増えますね(笑)」と青野先生。夏休みに外部の方向けに行っている「東京・学校図書館スタンプラリー」参加の際に展示したところ、訪れた親子や他校の司書の方もとてもおもしろがってくれたとか。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

明治学院中学校
[学校HP]http://www.meijigakuin-higashi.ed.jp/
〒189-0024 東京都東村山市富士見町1-12-3
Tel. 042-391-2142

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