私学探検隊

「鎌学祭」は仲間と共に作り上げる喜びとゼロからモノ・コトを生み出す楽しさを知る場

入学して間もない1年生によるVRを利用したトロッコ作り

紫陽花が美しく咲く他校より早めの6月に文化祭が行われる鎌倉学園。2019年の「鎌学祭」では1年D組によるトロッコ列車が注目を集めました。お客さんが映像を観ながら学園内を散策した気分になる乗り物です。トロッコ列車が誕生した経緯をまずは担任の飯塚先生に伺いました。
「4月から話し合いを始めて“目標をホワイトボードに書く”という案を元にまず目標を書き出していきました。どうしたら目標を達成できるのか生徒同士で話し合いを進める中で、僕が知らないうちに決まっていました」
あくまで決定権は生徒側にあるのが印象的ですが、どうしてトロッコ列車だったのでしょうか。
「先生が以前受け持っていた高校生のクラスで、遊園地にあるようなコーヒーカップを木で作っていました。その時の様子を見せてもらい、僕たちもこんなすごいものを作ってみたいと思ったことがきっかけです」と学級委員長の横山くん。
「他の学校でトロッコをやっていておもしろかったという意見が出て、多数決でトロッコに決まりました。当初はレールを敷いて走らせる計画でしたが、レールに経費がかかり過ぎることが分かって、考えた末に映像にすれば費用をカットできると意見がまとまりました」(福村くん)
“映像が目の前にあることで、まるでトロッコが走っているかのように感じられる”仕組みを作る計画が動き出した瞬間でした。当初はトロッコの箱の下にビーズクッションを置いて揺らす予定が、比重を計算すると潰れてビーズが飛び出てしまうことが判明するなど苦戦。ホームセンターの店員さんにアドバイスをもらったり、みんなで話し合ったりしながら、カットした木材をすり鉢状に重ねた上にベニヤを載せ、その上にトロッコを置いて動かすという完成形が見えました。トロッコ製作は内装係、外装係、映像係、ポスター係、宣伝係などに分かれてそれぞれの得意分野を生かすことができたそう。撮影班はipadとドローンを使って校内を撮影、編集班が『iMovie』を使って編集、エフェクト班が効果を重ねました。試乗を重ねて満を持して完成したVRトロッコ列車。「鎌学祭」の幕が開くとあれよあれよと小学生の長蛇の列。結果的に目標のほとんどをクリアできました。
「買い出しからの準備期間が3週間しかなくて僕は正直無理かもしれないと思っていました。でも誰も諦めないし、何よりみんな楽しみながら作業をしていました。やるとなったら全員が目標に向けて頑張れたのが成功の理由だと思います」(横山くん)
色々なキャラクターが集まってまとまることで “ない”ところから“ある”が生まれるのが鎌学スタイル。
「うちのクラスは始業時間の1分前でも教室に誰もいません。ギリギリまで遊んでいます(笑)。校庭は人工芝で線が引けないのですが、そこに生徒が靴を並べて線替わりにしてドッヂボールをしていた時は感心しましたね」(飯塚先生)。
仲間との時間を1分1秒も無駄にせず、やれる範囲で最大限の楽しみ方を見つける鎌学生。ここでの6年間が一生の思い出が作れる場所であることは間違いなさそうです。

学園祭・オープンスクールで生徒発案コーナーが大人気!

小学生にヒントを出しながらその場で丸付けをして答え合わせ。最初は緊張していた生徒たちも「すごいね」など声掛けが上手に

小学生にヒントを出しながらその場で丸付けをして答え合わせ。最初は緊張していた生徒たちも「すごいね」など声掛けが上手に

問題作りが趣味の堀内くんを中心に有志が集い、小学生に問題を出すブースを設けるという初の試みがありました。これがたちまち大人気に。オープンスクールでは正解者に渡す折り紙のドラゴンが足りなくなり、2回目の学園祭では急遽賞状に切り替えたほど。「オープンスクールに来てくれた子が、学園祭で声を掛けてくれてうれしかったです」(堀内くん)

鎌倉学園1年D組はじめての学園祭レポ

実は「コーヒーカップ」を作った高校生、校舎建替えの際に偶然いた業者さんに助けてもらっていました。助けのない今回はいったい!?

トロッコ作りからスタート
中間テストと健康診断後の5月末にわいわいと買い出しへ。「どうしたらトロッコをスムーズに動かせるのか」をプロの店員さんからアドバイスを受けながら木材をカットしてもらいました。教室に持ち込んだ木材はたった2日間でトロッコに! 電動ノコギリや電気ドリルに初挑戦という生徒が多い中、「子どもたちは飲み込みが早いです。自分たちでやりたいし、できると積極的に参加していました」と飯塚先生。

1時間待ちの大盛況!
トロッコの周囲に黒いビニールを張って、揺らしている人が見えないよう、次の人に映像が見えないよう配慮。扇風機で風を起こしてアロマオイルを入れた水を霧吹きでかけることで、視覚、聴覚だけでなく嗅覚、触覚をプラス。「味覚があれば完璧でした。飴を用意すれば良かったかな」と生徒たち。実際に体験した方に感想を書いてもらうホワイトボードにはたくさんの書き込みが。最後までお客さんを楽しませる工夫を考えたのはお見事。

宣伝もしっかり
端材を活用した手作り看板で校内を練り歩いて宣伝活動を行う生徒たち。ポスターは下描きをパソコンに取り込んでソフトを使って着色。文化祭のテーマ「巨人の学校」を上手に組み入れた本格的なデザインになりました。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

鎌倉学園中学校
[学校HP]https://www.kamagaku.ac.jp/
〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内110 Tel.0467-22-0994
最寄駅/
JR湘南新宿ライン横須賀線「北鎌倉駅」徒歩13分。「北鎌倉駅」、JR湘南新宿ライン横須賀線・江ノ島電鉄線「鎌倉駅」から江ノ電バス「建長寺(鎌倉学園前)」。

この学校の詳細情報を見る