私学探検隊

親身に寄り添い、指導してくれる先生がいる学校立正流の中学生の育て方

「生徒と先生の距離が近いことが立正の良いところ!」と生徒が口をそろえる立正大学付属立正中学校(大田区)。ご自身も立正中高出身の大場一人校長のもと、“チーム立正”として、担任の先生はもちろん、授業を受け持つ教科の先生、時には普段授業では教わっていない教科の先生方までもが連携し、複数の目で生徒一人ひとりを見守り関わる体制が築かれています。
先生方は生徒たちへどのように接しているのか。入学したての中学1年生の担任団に、日常の授業の取り組みや指導について取材しました。

英数国の3教科では、「書き」重視が共通方針!
基礎を大事に学力を積み上げる

英会話の授業は、ネイティブ教員が生徒10名ほどを指導。表現や文法まで細かくレクチャーしていきます。

英会話の授業は、ネイティブ教員が生徒10名ほどを指導。表現や文法まで細かくレクチャーしていきます。

幸 先生(英語科) 英語科教員としても、中1の学年主任としても、生徒たちには6年間英語を好きでいて欲しいという願いがあります。ですからまずは、英語を話す楽しさや英語が通じた達成感を味わえるよう、テキストのセリフを覚えてペアワークをしたり、発表したりする機会を授業内に多く設けています。
また、音読にもよく取り組ませています。声に出して読むことで発音やイントネーションも確認することができ、同時にリスニングのトレーニングにもなるからです。音読活動をすることで、英語を話す楽しさや理解が深まる実感を生徒たちには得て欲しいと考えています。
一方、本校の英語教育の方針としては、英語4技能のうち「読み」「書き」を中1では重視しています。小学校での英語活動が始まったことで、英語を聞くこと、話すことに慣れている生徒が増えてきました。英語の慣用フレーズなどを覚えるスピードも以前の生徒に比べて速くなっています。ですが、生徒たちが上手に発音できているような英単語をいざ書かせてみると、正しいスペルを知らない、書けない場合が多いのです。英語を聞き取り、発音できるだけでなく、正しく書けることによって、英語の知識や語彙は身についていきます。6年間の英語学習の土台となる中1だからこそ、基礎基本に着実に指導しています。
また、中学の英会話の授業はクラスを3分割し、10名程度の生徒にネイティブ教員が1名つくスタイルで実施しています。発言を求められる機会がとにかく多く、クラスの前で英語のスピーチをする回数も豊富です。中1はまだ始めたばかりですが、上級生からは『リスニングが聞き取れるようになった』という感想をよく聞きますし、人前に出て英語で話す度胸も、自然と身についてきていると感じます。

水元 先生(国語科) 国語科が中高6年間を通じて育てたい力は、論理的思考力です。そのためには、生徒たちの語彙を増やすことは欠かせません。ですから中1では、漢字テストや言葉のきまりなどの文法知識の面を、しっかりと指導しています。これらの学習には、やはり手を動かして書かせることが重要です。IT時代に逆行するようですが、基本に立ち戻って丁寧に指導しています。
中学1年生にとっては、漢字や文法の授業は『なぜ取り組まなければならないのか?』と感じる内容かもしれません。しかし、与えられている情報量の蓄積が多ければ多いほど、生徒たちが大きく成長できることを、我々教員は知っています。生徒によって、伸び始める時期は異なりますが、一人ひとりの“そのとき”に備え、幅広い情報・刺激を生徒たちには絶えず、提供していきたいと考えています。

石川 先生(数学科) 数学は、中学入学時から苦手意識を持っている生徒も多く、得意な生徒との学力差も大きい科目だと認識しています。ですから、4月の1週目は小学校の算数の復習から始め、中学校の数学にうまく橋渡しできるよう工夫しています。
また、数学の基礎となる計算力の強化のため、週に1度、授業の15分を使って7問の計算テストに取り組む「計算特訓」を行っています。正解が3問以下の場合はその日中に放課後追試があり、合格するまで追々試や補習が待っている仕組みになっています。今年の中1は4クラスを習熟度別に5つに分けて授業を実施していますが、「計算特訓」の問題は全クラス共通です。上位クラスには、『満点以外は合格じゃない』と指導することでミス無く取り組む集中力を鍛え、計算が苦手な生徒には、再テストで競争意識をめばえさせながら、通常合格ラインの4問正解を目指すよう目標設定をしています。

「今、何をすべきか」を自ら考え、行動できる人を育てたい

幸 先生 中1の学年団としては、生徒自身が「今何をすべきか」を自分で考えられるように、指導していきたいと考えています。楽しむときは楽しむけれど、やるときはやる。この切り替えの上手さが、部活と勉強の両立にも活かされますし、結果として成績にも反映されてくることを、私たち担任団はよく分かっているからです。これは、本校の建学の精神である『行学二道』、学校や社会で学んだ知識や経験(学)を行動で示すこと(行)のできる生徒を育てるにも繋がっています。
石川 先生 まずは簡単なことですが、例えば数学では、小テストの間違いなおしを提出するという流れを身につけさせています。一人ひとりに口うるさく言ってまわることで、ようやく全員が一度にそろって提出できるようになってきました。
水元 先生 国語では、文章を読んで考えたことを意見交換させる際に、自分ひとりで考える時間を設けています。元気のよい生徒たちなので、思いついたことをすぐに口にしがちなのですが、自分と向き合って考えをまとめる姿勢を体得させたいですね。
幸 先生 2学期には文化祭での学年劇の創作・発表が控えています。ここからは、クラス一人ひとりの良さを際立たせていきたいと考えています。1学期に行ってきた基礎基本を大切にする指導はもちろんのこと、それぞれの得意な役割・良いところを引き出し、伸ばしていく関わりを、担任団として共通に実践していきたいと思います。

今回取材を受けてくださった3名の先生方は、高3生の担任経験もお持ちだそう。6年後に大きく成長した姿を具体的にイメージしながら、中学1年生の日々の成長を見守ることが楽しみだとおっしゃっていました。生徒一人ひとりの個性を把握し、それぞれの成長にむけて温かく伴走する先生方がおおくいる立正大付属立正中高。ぜひ、生徒さんと先生方の関わりを見に、学校見学をしてみてください。

算数の「苦手・嫌い」な意識を
「計算ならできる」の自信へ変える
計算特訓

立正の数学の授業は習熟度別授業で行っていますが、「計算特訓」は全クラス共通問題で得点結果も掲示されます。追試や補習は、普段授業を受け持っていない数学科の教員も総出で対応し、メリハリを持って指導に当たっています。
また、採点結果は担任から返却するため、数学で苦戦している生徒や実力をつけてきた生徒の状況を、授業担当者と担任の双方が把握できます。担任の先生方も、学習面談の指導資料にしたり、生徒を褒めるきっかけにしたりと連携・活用が深まっています。
計算が苦手な生徒ももちろんいますが、投げ出さずに食らいつこうとする姿勢の生徒も多く、追試の常連からきっかけをつかんで、満点が取れるようになる生徒もたくさんいるのだとか。
「今年の中1の目標は、数学検定の5級に全員合格することです。その目標達成に必要な計算力をトレーニングできるよう、計算特訓の問題を作問・出題しています」(石川先生)

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

立正大学付属立正中学校
[学校HP]https://www.rissho-hs.ac.jp/
〒143-8557 東京都大田区西馬込1-5-1 Tel.03-6303-7683
最寄駅/
都営浅草線「西馬込駅」徒歩5分。JR・東急池上線・都営浅草線「五反田駅」、JR「川崎駅」からバス「立正大学付属立正中高前」徒歩2分ほか。スクールバス:JRなど「大崎駅」からあり。

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