私学探検隊

「大学訪問授業」で教養を深める、視野を広げる、進路について考える、カッコいい大人を夢見る!

木村先生はアフリカに住み、現地の人々が日本人とは異なる独特なコミュニケーションを取っていることに気づき、調査を始めたとのこと

木村先生はアフリカに住み、現地の人々が日本人とは異なる独特なコミュニケーションを取っていることに気づき、調査を始めたとのこと

書籍化もされている進路指導プログラム

桐光学園では、大学教授や作家、ミュージシャンなど各界で活躍する専門家を招いて、年に20回ほど「大学訪問授業」という講義を行っています。これは学校長の中野浩先生が、生徒たちに学問や学ぶことの楽しさに気づいてほしいと、2004年から始めた進路指導の一環で、これまで池上彰氏や羽生善治氏などが登壇しました。また、中野先生自ら登壇する先生に講演依頼。しかも、これらの講義は書籍化されています(※1)。
9月4日(土)、京都大学名誉教授で人類学者の木村大治先生の講演にお邪魔し、参加した生徒のみなさんに大学訪問授業について生の声を聞いてきました。

講義をきっかけに進路について考える

木村先生の講義のタイトルは「ボナンゴとツイッター アフリカからコミュニケーションの現在を考える」。アフリカのコンゴ民主共和国に住むボンガンドという民族の伝統的なコミュニケーション方法「ボナンゴ」(※2)と現在、メジャーなツールであるツイッターとの共通点、「共在感覚」やSNS時代のコミュニケーションについて話してくださいました。講義後は生徒からの質疑応答です。
「共在感覚における恋愛とは?」「リア充とプア充、どちらが好きですか?」など生徒たちの質問もユニーク。「日本では選挙演説をしている人がいても無視して通り過ぎていく。日本人もボナンゴを行っているのではないでしょうか?」と鋭い質問をした高3の生徒に話を聞きました。
「木村先生の話をお聴きするうちに、思いついた疑問です。大学入試では小論文や面接などで自分の意見を述べる場面があります。そういう意味でも大学訪問授業は視野を広げる良い機会だと思います」
ほかの高3の生徒も「人類学者の視点での講義に興味をもち、聴いてみようと思いました。大学訪問授業は高校3年間で20回以上は参加しています」「ふだんの授業とは違った学びができるのが良いです。今年はあと10回ありますが、全部参加してみようと思います」と話してくれました。
運営側として参加した高2の女子にも聞きました。
「私は中2から運営に携わっていて、これまでいろいろな先生の講義を聴きました。その中で気づいたのが日本語によるコミュニケーションの難しさ。大学では興味をもった日本語について学びたいと思いました」「明治大学の歴史学の先生の講義を聴き、明治大学で学びたいと思いました」「私はずっと心理学志望でしたが、農業史の研究をしている先生の話を聴き、農業もおもしそうだなと思いました。また、その先生が本当に楽しそうに話されているお姿を見て、一つのことを究めている大人って格好いいな、自分もああなりたいなと憧れを抱きました」
これまでも東大の先生の講義を聴き、東大を目標にした生徒が見事合格、また、東工大の先生の講義を聴き、志望校を東大から東工大に変更した生徒もいたそうです。
中野先生は「中学生の中には『講義は難しく、なかなか理解できなかったけれど、先生が楽しそうに話していることが刺激的だった』という生徒もいました。大人になっても楽しそうに勉強について話す先生の姿に刺激を受ける。この経験が5年後、10年後、生徒の役に立つのではないかと考えています」と言います。
大学訪問授業が生徒の進路に多くの影響を与えています。

※1 「桐光学園大学訪問授業」シリーズ(左右社)、シリーズ「中学生からの大学講義」「続・中学生からの大学講義」(ちくまプリマー新書)
※2
発話や太鼓による一種のコミュニケーション。情報伝達的な機能を果たしている場合もあるが、意味をなさない言葉もあり、ほとんどの場合、聴いている相手がいようといまいと一方的に行われる。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

桐光学園中学校
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