私学探検隊

MEISEIで自然と英語を武器にする6年間

二〇一二年度待望の「カナダ研修」実施

カナダ研修

「国際教育」に定評のある明星中学高等学校が昨年度新たに中学校三年生全員対象の「カナダ研修」を実施した。
この「カナダ研修」はバンクーバ郊外での六泊八日のホームスティ形式。クラス毎にそれぞれ六校の学校に分かれ、普段通りの学校生活で交流することが大きな特徴だ。「カナダ人の生徒は積極的に発言する。だからプロセスがわかり、授業の内容がつかめる。」と参加した男子生徒は話す。引率した学年主任の小川和人先生も「日本では我々に頼る生徒も甘えのスイッチがオフになる。バディ(マンツーマンで協力してくれる現地生徒)もいるので授業に関してはかなりの生徒がおもしろかったと答えていた。」と成果を実感する。

「カナダ研修」に向けてしなやかな課外授業

MID
(MEISEI-International Day)

その一方で学年全員対象のカナダ研修ができるのか「不安も多かった」そうだ。
この不安を少しずつ解消するのは「カナダ研修」をヤマに作られた宿泊行事を含む課外授業だ。「しなやかに」国際教育を課外授業を組み込んでいることが目を引く。
まず、中一で行う「農村民泊」。違う習慣や環境で生活することに慣れさせることが狙いだ。次に中二では四日間の「イングリッシュキャンプ」を実施。生徒約十人に外国人の先生一人という恵まれた環境で、限られた英語の知識でも必然的に「何とか話すこと」を経験させる。
その他にも夏休みに中三全員必修の「少人数英会話授業」や総合的学習の時間を使ったインターナショナルスクールとの継続的な交流「MID(MEISEI-International Day)」と呼ばれる行事などで外国人と交流する。このような機会を自然に多層的に設けることが同校が目指す「しなやかな」国際教育だ。

英書貸し出し 年間累計二十万冊

「明星の英語教育は先駆的ですよ。これからの世界はますます国際的なことが要求される。中高のうちに出来るだけ英語に触れるチャンスを作りたい。」と北原都美子校長は笑顔で語る。
北原校長が進めた「多読多聴」と呼ばれる英語専用書の読書システムで、成果を上げていることでも同校は有名。その英語学習法はDVDとして市販されているほどでもある。
この方法により中学校で初めて英語を勉強する生徒でも中には年間に百万語の英単語に触れる生徒がいるという。また、図書館での多読多聴専用の英書の貸し出し冊数は年間累計二十万冊にも及ぶという。これは一人の生徒が年平均で130冊以上借りる計算になる。

「受験での英語」につなげることが大切

同校ではこのように六年間というメリットを使い、国際教育の環境を整えつつ英語の力の向上を目指している。3rdステージ(高二・三)までに受験での英語学習につなげていくことも当然視野に入れている。最近では、英語の授業の工夫との相乗効果もあり、生徒は英語学習にますます能動的になっている。
現中三では中高一貫校が利用するベネッセ社の「学力推移テスト」で学年平均偏差値を5も上昇させた。
英語が得意な生徒は大学受験に対しても言われなくても能動的になり、アカデミックに他分野にも興味が広がると考える。同校の進学指導担当の先生も「学校全体の英語の成績の向上に合わせて志望する大学のレベルが変化している。控え目だった本校生徒だが明らかに難易度の高い大学に志望が自然とシフトしつつある。」と口をそろえる。
一貫教育で早・慶、上智、ICUレベルを始め難関大学にコンスタントに進学者を出すことに定評のある同校だが、今後英語を武器にした生徒が育ち、ますます進学実績を向上させていきそうだ。

明星中学高等学校
[学校HP]http://www.meisei.ac.jp/
〒183-8531 東京都府中市栄町1-1
☎ 042-368-5201
最寄駅/JR武蔵野線「北府中駅」徒歩15分。京王線「府中駅」、KR中央線・西武国分寺線 多摩湖線「国分寺駅」徒歩20分。「府中駅」「国分寺駅」から京王バス「明星学苑」。