私学探検隊

自然とともに歩んで111年。「命は自分で守る」を合言葉に、備え万全。生徒の意識も高い!

東日本大震災に学び、オリジナルのライフジャケットを制作。全校生徒が購入し、教室の棚に備えています。

避難訓練は、安全な場所に避難することを目指して真剣に行われます。

逗子開成は、本年で創立111周年目を迎えた男子の進学校です。「ヨット帆走」や「遠泳」などの体験プログラムを通して自立を促す「海洋教育」が同校の特徴ですが、危険を伴うこのプログラムを人任せにせず、教員のチームワークで実施し続けているところに、同校の危機管理能力の高さを感じます。
震度6強の地震にも耐えうる校舎は、逗子市より「津波避難ビル」に指定されてきました。しかし、東日本大震災を機に、今一度防災体制を見直しました。津波の発生が予想される場合には、近隣の方々も同校の校舎に避難するため、逗子消防署をはじめとした行政や地域の方々との連携を強めて、身を守るために必要な体制を整えています。
なによりも注目すべきは、教職員の誘導に従い、1600人もの生徒が避難訓練と真剣に向き合っていることです。過去に2つの遭難という辛い経験をしている同校では、毎年、追悼集会を開いて、教職員、生徒全員が「自分の命は自分で守る」という意識を深めています。自然と向き合う「海洋教育」では、ことさら安全に対する意識を生徒が感じ取るため、「ヨット帆走」や「遠泳」における安全確認はもちろん、避難訓練も本気で取り組むようになります。
防災教育は各教科にも及び、中1の地学では地震のメカニズムを学んだり、夏休みの課題に自宅から避難場所までの地質調査も含めた防災研究を課したりして関心を高めています。
休み時間に校舎と海岸を行き来できる立地だからこそ、防災対策は万全で、いざという時に生徒の命を守れるレベルにあることが逗子開成の誇り。海が香るキャンパスには、今日も元気な生徒の顔があふれています。

逗子開成の防災対策

より安全で高度な避難場所として、本校から1.8kmにある披露山 (標高92.5m)への避難訓練も実施。全校生徒による大移動も、年々所用時間を短縮し、成果をあげています。

逗子開成では、生徒の命を守ることを第一に、さまざまな防災対策、及び防災教育を実践しています。特に、地震・津波対策には万全を期しており、津波を想定した避難訓練では、どこで何をしていても、教職員の誘導により、生徒を校舎へ集められるよう、体制やルールを徹底しています。防災頭巾ライフジャケットの着用・広域避難場所でもある披露山への避難も訓練しています。生徒の安否確認や家庭への連絡は「ゴンズイネット」(同校独自のコミュニケーション・ネットワークシステム)を活用。震災後は、緊急連絡メール一斉配信システムや緊急地震速報システムも導入し、情報の収集や発信も強化しています。

屋上には学校の防災倉庫に加え、逗子市の防災倉庫も設置。2000名が校内で3日間過ごせる水・食料と毛布等を備蓄しています。

逗子開成中学校
[学校HP]http://www.zushi-kaisei.ac.jp/
〒249-8510 神奈川県逗子市新宿2-5-1
☎ 046-871-2062
最寄駅/JR湘南新宿ライン(横須賀線)「逗子駅」・京急逗子線「新逗子駅」徒歩12分。