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イベント 特集

栄東中学校 第一回学校説明会 2018年5月12日(土)2018.06.01

各校の特徴や教育内容を知る学校説明会、合同相談会、オープンキャンパスといったイベントが数多く開催されています。そこには、現場の先生の語る、心に残る言葉との出会いがあります。今回は、5月12日に行われた、栄東中学校の学校説明会で聞いたキーワードから、同校が生徒のために大切にしていることをみていきたいと思います。

◆「居がい」◆
説明会冒頭の田中校長の話から。
中1の英語の授業も持っている田中校長が、「英語はツール」と言い切ると説得力があります。以前、英語のテキストをプログレスからニュートレジャーに変えたことを取材したとき、「よりvividな英語が使われていること」を理由のひとつに挙げられたことを思い出します。
生徒思いの言葉は、この日の「居がい」という言葉にも込められています。クラブでも、論文を書くことでも、何でもいいので、自分の「居がい」を見つけられれば、生徒は伸びて行く、という校長の信念が、科目を横断的、縦断的に学ぶアクティブ・ラーニングの実践に投影しているのは、まちがいないでしょう。
教師の出張などで空きがでた場合、代講が必ずしも同じ科目の先生ではなかったり、高校の担当者であったりする柔軟性。現代文の授業で、英語で質問してきた生徒に、教師も英語で返したエピソードも披露され、「見えるもの、見えないもの、一見無駄に見えるもの、すべてから生徒は学ぶ」学校の様子を想像しながら、この後、登場した、在校生の話に耳を傾けました。

◆積極性◆
生徒たちから受けた印象を表すなら、素直な積極性。
学活の時間を利用して、説明会に中1生が登場。4月に入学し英語の授業もまだ16時間しか受けていない中1生10人(中2生も3人)に、「英語でも日本語でもいいから学校生活を話して」と英語で(しかもかなり早口)田中校長が口火を切り、一言ずつ自己紹介。英語あり、日本語あり、学校PRあり、部活勧誘あり、学校や先生への注文あり。一言ずつしか話せないのでもっと言いたいという気持ちがあふれるようで、それぞれが楽しい学校生活を送っていることがよく伝わってきました。
「千葉から2時間かけて通っているが、楽しい」
「ボクはクイズチャンピオンになります」
「毎日、ディズニーに来るような気持ちで学校に来ています」
「給食の唐揚げの大きさは尋常ではありません」
「○○は不合格でしたが、今、とても学校生活が楽しい」
「校長先生の英語の授業はスピードがとても速いので、しがみついてがんばっています」(powerful、interestingと英語でも表現)
「他に合格した学校もありますが、アクティブ・ラーニングがあるので栄東を選びました」
時に会場に笑いを誘いつつ応答が続きました。
「授業が延びて休み時間が少なくなるので、時間を守ってほしい」
「給食の麺がのびやすい」
と、司会や見守る先生も冷や汗が流れそうな“注文”も飛び出しましたが、「学校が好き」の裏返し、ですね。

◆剣でなくペンを持つ◆
栄東のインターナショナルプログラム・コーディネターのマイケル・リンゲン先生は、熱い思いを言葉に乗せて。
今年1月に東京で行われた「2018 PDWC高校生パーラメンタリーディベート世界交流大会」には、世界13カ国の高校生が参加。英語でディベートし交流するプログラムです。渋谷教育学園渋谷のような国際コンテストで活躍する常連校とともに栄東生も参加。入賞こそ逃したものの、生徒がこうした経験を積んで成長していることに手応えを感じているのが分かります。
マイケル先生は「日本の教育を変えたい」と起業、栄東では英語プログラムを作りあげてきた経歴の原点には、日本人に英語で話しかけた時、“No English.”と逃げられた経験があります。
海外大進学塾、Route H(ルートエイチ)のチーフコーティネーターとしても活躍しています。栄東でも、国際部(現インターナショナルクラスに改組)から東大合格という実績を出してきました。この日の午後には大阪へ出張という超多忙な方ですが、説明会でも熱い思いを訴えました。
「剣でなくペンを持とう。ペンは言語です。ペンを使うには紙が必要なように、言語を使う技術を教えていくのがボクの仕事です」

◆失敗する経験◆
学校生活について語った市原先生の話からは、「失敗する経験が大切」という言葉に注目しましょう。
栄東では、タテに深く掘り下げるだけでなく、それらを横につなげる教科活動をアクティブ・ラーニング(AL)を行っています。外部コンクールへも生徒が自発的かつ積極的に参加。貯めたお年玉で、キッザニアのコスモポリタンキャンパスに参加した生徒もいたそうです。学校外のプログラムに参加する効果を、友人との助け合い、社会のつながり、社会からの評価、失敗する経験と考えて、学校としても応援しているといいます。
中1の河口湖AL、中2古都AL、中3オーストラリアALを大きな柱とする校外ALは、徐々に視野を広げていくとともに、教室での授業と校外学習は科目の枠を超えて連動しています。授業=校内ALは、例えば理科の授業には、「必ず失敗する理科実験 ディスカッションシート」を使い失敗には何が足りないのかを考えるよう工夫するなど、日常的にあちこち仕掛けがあります。
ALについては、後日改めて取材してお伝えしたいと思います。 ◆thinking ・feeling◆
栄東には、インターナショナルクラスとLP(リーダーシップ・プレゼンテーション)クラスがあります。
先のマイケル先生がディレクターを務め、リベラルアーツとバイリンガル教育を行い、国際舞台で活躍できる人物を育てることを目指すクラス。帰国生が構成するのがインターナショナルクラス、海外在留経験がなくても参加できるのがLPクラスです。ともに英語の取り出し授業クラスで、アメリカ、カナダ、イギリスの学校で使用されている英語教材を使用しています。
帰国生対象の説明会場で、「TとFを大切にします」とマイケル先生。英語でTとFというとtrueとfailを思い浮かべるかもしれませんが、学びのプロセスにある、thinkingとfeeling。
“I saw a cat.”
“I saw many cats.”
“I saw many big cats in Africa. ”
「アフリカで(in Africa)が付くだけで、ぼくはアメリカ人だからライオンなの? トラ?と尋ねます」。なるほど、言語間にはズレがあるからおもしろい、それがTとFなのだと腑に落ちたのでした。センター試験のための勉強はしなくても、しっかり得点する力も付いてくプログラムに自信を見せます。
とはいえ、インターナショナルプログラムを受けるには、入試を乗り越え入学しなければなりません。英語の力だけで突破するのは厳しく、入学できたとしても他の生徒と同じ授業についていくのは大変という現実はあります。
面接のポイントは、①Yesのみでなく会話を深められるか、②絵を見てその場でストーリーを作る、③きちんと早く読めるか、を見る内容で行うこと。また筆記では200ワード程度のエッセイも出題されます。発想力を大切にしたいというメッセージでしょう。因みにエッセイのテーマの例として挙げられたのは、「将来、宇宙に行くとしたらどんな準備をしますか」「あなたが果物なら何ですか」、でした。

◆2019年入試◆
2019年入試は、2018年入試を踏襲する形で日程は1月のみ。7月発表をメドに調整中とのことですが、東大クラスIIに算数に特化した受験型を導入することが検討されており、発表が待たれます。

【取材を終えて】
田中先生が、「ありったけの知識を知恵に変えて話してくれるはず」と紹介したとおり、中1生が自分の生活を素直に飾らず話す姿に、我が子の成長を重ね合わせた保護者は少なくなかったと思います。
田中校長の授業を、「パワー全開なので、授業が終わるととても疲れる」と評した生徒がいるそうです。そんな授業、受けてみたい、宿題は多いらしいけれど。

(市川理香)

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