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イベント 特集

4つのプログラムを知れば、今の清泉女学院が見えてくる2019.06.11

皆さんは、清泉女学院というと、何を思い浮かべますか。女子校、カトリック校、豊かな自然環境、あるいは海外でも力を認められる音楽部(合唱部)、はたまた社会で活躍する卒業生の顔が頭に浮かんでくるかもしれません。では、「今の清泉女学院」というと、何をイメージするでしょうか。

私学には、それぞれに教育理念があり、それを具現化する熱い思いがあるもの。清泉女学院にも、大切にする価値観があり、学びやプログラムに多くの挑戦と情熱が注がれてきたのはいうまでもありません。そして2018年、開校70周年を迎えました。同年9月には、今の清泉女学院を知ってもらうべく、ホームページをリニューアル。それは「既存のものと、新しいもの・進化させるものとを整理することでもあり、4つのプログラムに集約されたのです」と入試広報部長の瀧康秀先生。

今年5月、瀧先生にプログラムについてお話を伺い感じたのは、70年の歴史に奢ることなく、新しい挑戦に向かうカトリック女子校の底力。皆さんも、4つのプログラムを手掛かりに、清泉女学院の6年間をイメージしてみませんか。

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INSPIRE Yourself ライフ オリエンテーション プログラム
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 学院のモットーは「神の み前に 清く 正しく 愛ふかく」。時代が移っても、変わらないモットーのもとに行われる「こころの教育」は、いわば清泉女学院の“背骨”のようなものです。中1・2という早い段階で行う宿泊研修、中3の広島訪問、高1の山手教会訪問、高2・3は校内プログラム。この6年一貫教育の中に体系化された宗教・倫理教育が、他者への思いやりや自己肯定感を育てる役割を果たしてきました。「ライフ オリエンテーション プログラム」です。
 ただ、今は、急速に進化するAIといかに生くべきかという新しい課題が生まれた時代でもあります。倫理でも「AIと生きる未来」の授業があります。この授業を受けた生徒の呼びかけで、およそ5年前に生まれたのが「中高生AI倫理会議」の取り組みです。「ロボットに対する優しい眼差しは大人を驚かせました」(瀧先生)というように、生徒の発想は柔軟です。AI専門家の講演を聞いて生徒が考えまとめたAI倫理憲章を内閣府に提出し、意見をもらうことを重ねてきました。倫理の授業からは、もう一つ、生徒発プロジェクト「Seisen Peace Project」が2年前に発足しました。授業以外でも平和について話したいという生徒の思いが形になったものです。この2つのプロジェクトでは栄光学園の生徒をはじめ他校の生徒とも定期的に会議を開くなど、学校という枠を軽々と越えて課題を一緒に考える人と人のつながりを作っています。お話を伺えば伺うほど、「こころの教育」とは、決してやさしさだけではないことを、生徒の行動が示してくれるのだと思わずにいられません。

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CONNECT The World グローバル プログラム
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 清泉女学院の母体は、国際的なカトリック修道会。現在、世界25カ国に50校以上の姉妹校があります。創立以来、グローバルな視点を持ち続けてこられた一つの背景です。体験学習を大切にしながら体系化されたプログラムには、今の清泉女学院だからできることを加えるなど、「地球市民」育成の心意気が常に吹き込まれています。
 体験型学習で、ニュージーランド短期留学や語学研修以外に、忘れてはならないことを二つ。一つは、栄光学園とともに参加している、ボストンカレッジ(イエズス会が運営)でのリーダー研修「Ever to Excel」です。世界中から集まった同世代200名の中で、日本からの参加は栄光生と清泉生のみ。英語力の審査を経て参加した生徒もハードに感じる充実の内容で、幾つものテーマについて、現地の教授のレクチャーや大学生とのセッションを繰り返す日々は、生徒を大きく成長させてくれるようです。初年度の昨年は3名が参加、今年は10名が参加する予定だそうです。
 そしてもう一つが、長年、関係を築いてきたベトナムでのスタディー・ツアー。ベトナムを知ることで様々な課題を考え、行動を起こしていく国際理解プログラムです。日本との違いを見、戦跡から戦争を肌で感じることも大きな経験ですが、「生徒は経済成長するアジアの国の活気に、強い衝撃を受けるようです」(瀧先生)。ボランティア体験から、困っている人に手を差し伸べることを学ぶと同時に、世界の一員として行動することを自然に学んでいく体験と言えるでしょう。帰国後は、模擬国連やボランティアへ積極的に参加するなど生徒自身も自分の変化に気づくようです。
 世界の国の人々とのコミュケーションツールとしての英語も、新しい取り組みを取り入れながらブラッシュアップしています。
 入試改革や小学生の英語学習環境の変化から、清泉女学院でも、帰国生や英語既習者の入学が増えています。そこで2018年から、中1・2で3つに分ける英語の習熟度別授業を始めました。一般試験合格者対象のSE(Standard class English)、一般入試合格者の中で英検3級以上取得者対象のAE (Advanced class English)、帰国生試験B方式とグローバル入試合格者対象のARE (Advanced Returnees’ English)の3つに分けます。はじめの一歩から始める生徒、週2時間のネイティブ教員との授業で英語をより身近にしていく生徒、週5時間のネイティブ教員の授業で英エッセイライティングやプレゼンテーションなどの発展的活動を行う生徒、それぞれが入学時の習熟度に合わせて英語の力を伸ばしていくことで、コミュニケーション能力を磨いて行きます。中3では、High Advanced classを加えた4レベル分けで、よりきめ細やかな対応となります。
 中国語、スペイン語、オンライン英会話を放課後に学べるFLIP(Foreign Language International Program)も、中2〜高2までの希望者に開講。英語以外の言語が生徒を、より広い世界に誘います。

(写真は、職場見学の発表会、内閣府を訪問したAI倫理委員会メンバー、ベトナム・スタディー・ツアーでベトナムの子どもたちと) □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
BROADEN Your Horizons ライフ ナビゲーションプログラム
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 このようにして大きく世界に視野を広げた生徒の前に、立ちはだかる無数の課題、しかも答えのない問いの数々。その現実に立ちすくむのではなく、立ち向かい未来を切り拓く力を育てる、それが「ライフ ナビゲーションプログラム」です。用意されているのは、人との出会い、先達の知見、実体験、考え方・自由な発想を羽ばたかせる時間。
 人生の、それぞれのステージでの体験を具体的に聞く「フレッシュマンズリターンズ」には、多くの卒業生の協力があります。大学生は受験や大学生活のこと、社会人は仕事や女性の働く環境(※)など先輩の実体験を通して聞くことができます。夢を見つけた時、どう行動したかが具体的に示されるので、自分自身の未来を考えるきっかけにもなるようです。
 清泉女子大学や上智大学などの大学の先生方による専門分野の講義、大学出張授業は、視野が広がり大いに好奇心が刺激されるもの。例えば清泉女子大学の著名な仏像研究の第一人の話を聞いた上で京都・奈良の修学旅行で仏像を見る経験。大学のリソースを共有できる強みです。また上智大学では、清泉女学院卒業生による清泉女学院生のためのキャンパスツアーがあります。
 職場見学(高1)、外務省・日本マイクロソフト見学(高2・1希望者)は、生徒に何をもたらすでしょうか。「未来に向かって戦う企業」(瀧先生)で、生徒は考えます。なぜ(何のために)働くのか、女性が働く環境とは・・・。思い・考えを巡らせ、それを記録しているのが、e-ポートフォリオです。2020年の新しい大学入試に対応するためだけでなく、何を学んだか、自分にできることは何か、「なりたい自分」は何かを考えるとき、学びの記録が道筋を示してくれるでしょう。
 また、国語の読解に加えて、「クリティカルシンキング」のグループワークや論文をとおして、論理的に考え表現する力を育成。これらは、土台の時期と位置付ける中1・2・3で行っています。また美術の絵本制作や国語の俳句・短歌、小説の創作などを通じた「クリエイティブシンキング」の自由な発想も大切にしていること。これをライフナビゲーションプログラムの一環に位置付けるのが清泉流。

※男女雇用機会均等法1986施行 1997年全面改正 2007年再改正

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EXPLORE Science サイエンス・ICT プログラム
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 自然からの学びとともに現代科学を理解し使いこなすためのプログラムが「サイエンス・ICT プログラム」です。
 清泉女学院のある鎌倉市城廻。かつては玉縄城のあったところで、今でも江ノ島、箱根、富士山が一望できる高台に、緑豊かなキャンパスが広がっています。4月には瀧先生から、「玉縄桜は2月末に満開で、卒業式シーズンを彩りました。他の6種類の桜は、入学式まで頑張ったのもあれば、散り急いだのもありました。ヤマザクラは今日も諏訪壇上に微笑んでいます」というお便りをいただきました。そんな構内の自然観察や、箱根、城ヶ島、真鶴での野外学習などは、オリジナルのテキストとフィールドノートを使っています。実験室での実験観察・レポートとともに、清泉女学院が伝統的にサイエンスに強い学校であることは、意外に知られていないのかもしれません。
 Windows95が発売された1995年を境に、パソコンが一般家庭にも急速に普及しました。清泉女学院広報誌『カイロス』第66号「トリビアの清泉」には、次のように紹介されています。「しかしその時(1995年)すでに清泉では、当時最新鋭機のマッキントッシュを25台導入していた。そして文部省(現文科省)の『インターネット100校計画』第1期校に選ばれ、先進的なIT教育を行なっていたのである」。爆発的な人気を誇ったiMacは清泉にとっては2代目のパソコンでした。20数年前には「自然環境の測定値をNASAへ送信する環境のためのグローバルプロジェクト」へも参加しています。そんな先進的なIT教育を行ってきた清泉女学院も、AIとの共生が急速に進む今、新たに ICTプログラムを立ち上げ、授業やクラブ活動など様々な場面でICTを活用しています。電子黒板やタブレットPCといったツールの導入と活用、基本ソフトからプログラミングまで学ぶICT特別講座(中1・2)で、スキルとモラルを身に付けるよう考えられています。2018年には、日本教育工学協会(JAET)による、「学校情報化優良校」の認定を受けています。

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清泉女子大学、上智大学との接続を強化
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 2018年度から「清泉女子大学姉妹校高大接続入試」が新設されました。姉妹校推薦制度とは別に、一定の基準を満たした生徒は12月中に清泉女子大学への進学権を得た上で、他大学入試にチャレンジできる制度です。ここ数年の私大定員厳格化の影響による大学入試の難化が顕在化しており、この制度が歓迎されています。
 また上智大学との結びつきも、「より強固にしていきたい」と瀧先生は意欲を示します。先にも触れた上智大学キャンパスツアーや、清泉生のための上智大学1日実験体験講座も行われ、今年3月には、理工学部女性教授による講座に、高1・2の理系選択者33名が参加しました。少人数のグループに1名ずつの大学院生がついて実験を指導してくれる手厚い内容。推薦枠も、全国のカトリック校の中でもほぼ最多の枠を有しています。
 ちなみに、上智大学、栄光学園、六甲学院、広島学院、泰星学園の法人が合併し、学校法人上智学院となったのは2016年。栄光学園等4つの中高は上智大学の付属校とはならず、独自の教育と独立採算の経営を行っています。

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新しい入試、アカデミックポテンシャル入試
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 帰国生入試、午後入試、グローバル入試(英語1科目入試)の導入など、入試改革を進めてきた清泉女学院。2020年入試では、「アカデミックポテンシャル入試」を新設します。「『アカデミック』を冠している通り、高い学習能力に関するポテンシャルを測ります」と学校からのメッセージ。
 60分一本、どのような試験となるのでしょうか。「思考力・判断力だけでなく、その基礎として算数・国語・理科・社会のそれぞれの科目の力を利用し、そこから導き出したものを利用し、総合し、大きな一つの解釈に結実させる力」を測りたい、としています。9月にサンプル問題が公表される予定ですが、課題文と、それに関係する分野横断的なデータを分析しつなげることで、一つの解釈を提示する形式を想定。試験日は2月5日ですから、受験勉強の成果の集大成として機会を捉え挑戦する、積極的な受験が予想されます。

(写真は、校舎と桜、中1理科の野外学習、ピースプロジェクトのプレゼンテーションの様子)

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 ぜひ学校説明会や親子見学会、体験授業・見学会などに足を運んで、環境、教育をご自分の目で確かめてみてください。学校・生徒の素顔をより近くで感じたい方は、7月13日(土)のバザー、9月21日(土)・23日(祝)の清泉祭(文化祭)がオススメです。予約や入場券が必要なイベント・説明会もあります。学校ホームページでご確認の上、お出かけください。
(市川理香)

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