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イベント 特集

「未来を生きる人」を育てる私学。自分を見つめ、将来や生き方を考える進路指導2020.10.27

「大きくなったら、何になりたい?」。
そう聞くと、瞳を輝かせて夢を語る子どもにも、伏し目がちに「わからない」と答える子どもにも、等しく未来は訪れます。しかし、「どのように生きるか」を考えた先に見えてくる未来は一人ひとり異なり、自分で変えていけるものです。
今号では、そんな「進路」を切り拓く力を身につける、私学の進路指導を考えます。

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「何か」を感じる体験
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十代の大半を占める中高時代。知識が増えるとともに、その知識を生かす力も身につけていく時期です。この心身ともに大きな成長を見せる6年間に散りばめられたプログラムは、一人ひとりの進路に、とても大きな役割を果たします。
様々な社会の課題に、〝自分ごと〟として向き合うこともあるでしょう。その時感じる、「誰かのためになりたい」、「貢献したい」という思いもまた、体験から得られる尊い心の核となるかもしれません。
フィールドワークや探究活動といった学校外での活動でも、事前学習、現地での体験、事後のレポートや発表(体験の共有)という一連のサイクルが、より深い思索へと生徒を誘います。
国内外の研修で訪問した土地・国の歴史や文化、あるいは自然環境などに触発されたことをきっかけに、将来の夢が形になるといったことは、その好例でしょう。
進路を考えるきっかけや時期は人それぞれですが、何かを感じた時、「何のために勉強するのだろう」、「大学で何を学びたいのだろうか」を見つめ、具体的な夢が見え始めます。体験という「点」が「線」となり、輝く「面」を形作って行くことでしょう


□□■体験のキーワード■□□
フィールドワーク/出会い/言語化/共生/多様性/コミュニケーション/他者理解

□神奈川学園:〝Kanagawaプロジェクト〟は、学年ごとのテーマに取り組みながら、「社会」と「国際舞台」に出ていくためのプログラム
□足立学園:弾力的なコース制と「いのちの授業」や「グローバル教育プログラム」などが将来の道を見出すサポートになる

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進路実現のための学力育成
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中高一貫校を志望する皆さんは、学部や学科などはさておき、大学進学はお考えになっているのではないでしょうか。
私学では、生徒個々の進路実現のための学力を育てています。 
その一例が、6年という時間を2年ずつ、基礎期、応用期、発成長という三段階に分けて、学習プロセスを組み立てる考え方です。また明確に分けていなくとも、長期的な視点で成長段階に応じた対応が取れるのも、中高6年一貫教育の強みです。
学習習慣を身につけ、学ぶ意欲を喚起しながら基礎的な学力をしっかり養う。その土台の上により深い理解を積み重ねていくことは、自分の将来を考えることにつながります。
教科や探究活動を通した体験も、好奇心を刺激します。それぞれの教科や教科間の連携が総合力を養ってくれるでしょう。
また毎日の学校生活における、様々な学習サポートも私学の特長です。
大学受験を目前に控えた高校3年生になると、実戦的な講習や講座での大学受験対策も広く行われています。予備校に通わず、学校の勉強を中心に据えて大学合格を果たしたという話も、珍しくありません。

□□■学力育成のキーワード■□□
基礎・応用・発展/学習習慣/探究/教科横断/興味・関心/刺激

□佼成学園:チューターが自習室(毎日朝7時から夜8時まで開室)に常駐。チューターの幅広いフォローは公式ツイッターからも伺える
□啓明学園:今年度から始まった探究授業「Mathクエスト」は、数学と他教科とのコラボ。例えば、数学と音楽で「ピタゴラ音律」(中1)

写真左:青稜は自習室「Sラボ」で自学自習のサイクルを身につける
写真中:湘南学園は「人格形成のためのカリキュラム」として独自の「湘南学園ESD」に取り組む
写真右:獨協の学校案内には中高6カ年の成長が示されている *****************************
胸が高鳴る出会い
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「人」は、私学の宝物の一つ。在校生、そしてその生徒を応援する家族、先生方。そして卒業生や、学校に関わる全ての人々は、その学校にとってかけがえのない存在です。
多くの学校では、これらの人たちが在校生に、職業や学問について、時には人生について語ってくれる講演会などの機会が設けられています。チューターとして母校に帰り、受験勉強や悩み事の相談に乗る卒業生もいます。
また、大学から中高に教授などが来て行う訪問授業や、先輩を頼っての大学研究室訪問など、リアルに大学の学びを体験する機会が設けられることもあります。近年増加している高大連携は、そうした交流を一層強力に推し進めるものです。
これらの人々との出会いが、進路を考えるきっかけや、背中を押してくれる力になることも、忘れてはならないでしょう。
また、未来から逆算して、中高時代に必要なことや行動を学ぶ独自の「キャリアプログラム」を持つ学校も少なくありません。現状では女性の方に人生のターニングポイントが多くあると言われ、女子校の特徴にもなっていますが、これからの世界は、性別という枠組みを超えて能動的に人生を生きることが求められるのではないでしょうか。

□□■出会いのキーワード■□□
OBOG懇談会/進路講演会/高大連携/大学訪問授業/企業コラボ

□サレジオ学院:「ロング」「ワイド」「パーソナル」な視点で教育を行うだけに校訓も「25歳の男作り」
□品川女子学院:キャリアプログラムの代名詞とも言える「28Project」
□自修館:社会人の話から職業観について考える「シゴトのチカラ」や、保護者、卒業生による職業セミナーも行われる

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トライ&トライ&トライ
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ここで、今年3月以降の中高の学校生活を振り返ってみましょう。
休校期間を経てのオンラインでの課題配信、リモート授業開始など、「学びを止めない」努力が続けられたのは周知の通りです。
本稿で注目しておきたいのは、大人から与えられるばかりではなく、生徒の熱意から生まれた数々の活動が生まれたことです。
部活動、行事、生徒会や委員会活動はもちろん、学校の枠を超えた協働、地域や国さえ軽々と超えた交流が、多くの学校で見られました。
大会の中止を嘆くばかりでなく、今年だからできることを自分たちの手で作り上げよう、そうした熱い思いが、誰に言われるのでもなく、様々な形となりました。その挑戦の過程にあったのは、「思考」「判断」「表現」「協働」など、日々の学びの賜物と言えるでしょう。

□生徒によるオンライン学校説明会(9月13日開催):企画から、広報、運営まで、全て現役中高生による、学校公認の自主活動。発起人兼プロジェクトリーダーは高輪高2生
□和洋九段女子:オーストラリアの姉妹校とオンラインで交流。コロナウイルス、環境、文化など幅広く討議

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「大きくなったら、どんな人になりたい?」。
私学の進路指導とは、大学入試のための取り組みといった狭義の指導ではなく、名前のある教育プログラムも、名前のついていない学校生活の一コマも、中高6年間の全てが、未来を生きる人を育てることに繋がり、進路を切り拓く力を身に付けること。「どう生きたいか」と問い続けることが、その力を培うことと言えるのかもしれません。
(市川理香)

※NettyLandかわら版10月号P.20・21より掲載
NettyLandかわら版10月号はトップページ下段「NettyLandかわら版」(PDF)より 

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