表現する力と感性を育む独自科目「国語表現」
「古くさい、小難しいイメージがあるかもしれませんが、短歌は自由になんでも表現できます。よく間違われますが季語もいりません。人になかなか言えない恥ずかしいこと、つらいこと、人に言うほどでもないちょっとしたこと。ドラマチックな内容でなくてもかまわないのです」
共立女子中学の2年生を前に、高校時代から活躍している歌人、武田穂佳さんはまっすぐ語りかけました。
共立女子中学高等学校が、昨年からスタートした独自科目「国語表現」の授業で行われた短歌の講義。武田さんのように実際に作家や歌人として活躍している方を招いて、直接話を聞いたり、一緒に創作活動をしたりすることもあります。
この日は、短歌がテーマ。生徒の中には「初めて短歌に触れた」という声も聞かれました。
武田さんが自身の作品や、生徒たちに紹介したいと選んできた短歌をいくつか読んで解説したあとは、いよいよ生徒も短歌をつくってみる番です。
「ええー!何を書いたらいいの?どうしよう」と戸惑いながらも、気づけばみんな静かに自分と向き合って、紙に書き留めている様子でした。
授業に参加した生徒は、短歌の授業から刺激を受けた様子を話してくれました。
「短歌はあまり知りませんでしたが、紹介された短歌を聞いていたら絵が広がるようでした。思ったことを表現できるのが面白かったです」
全クラスの講義を終えた武田さんはこう話していました。
「今回の授業が、文学に対する小難しいイメージを変えられたり、多角的なものの見方を身につけるきっかけになれたりしたらうれしいです。私の中高時代は、生活の中で様々な不安や不満が溜まっている一方で、自分が特別な存在だと思いたくもあって、バランスをとるのが難しい時期でした。皆さんの学校生活を応援しています」
「国語表現」の授業は、主に「書く力」「話す力」を養うために国語科の先生たちが試行錯誤し、作り上げられました。大学入試改革で求められる力をつけるとともに、近年文章を書く機会が減り表現が苦手になりつつある生徒たちへの新たな機会提供という2つの目的が背景にあります。国語の授業とは別に、中学全学年少人数制で週1時間行われています。
「たとえば今回は短歌をつくれなかったらそれでもいいと伝えています。無理にやらせることが目的ではないのです。様々な表現の世界に触れたり、プロの方々の話を聞いたりすることで、この先の人生の中でなにか刺激になったりプラスになってくれればと思っています」と国語科の金井圭太郎先生。
生徒の文章力、論理的思考力、自己発信力を培うために、感想文や論文について「型」を学んで作成する演習や、グループワークによる発表、本を紹介し合う「ブックトーク」など様々な内容が組まれています。大事にしているのは、生徒たち自身が身近に感じ、表現の幅を広げる機会になること。新しいチャレンジを繰り返し、さらに深みある授業が生まれています!
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
共立女子中学校
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