信頼を力に「Kugayama Times」が英字新聞甲子園準優勝!
男女の特性を生かして伸ばすという観点から、授業やホームルームは「別学」、部活動や生徒会活動、学校行事などは「共学」という独自の教育スタイルを貫いている同校。希望者参加型のさまざまな国際交流プログラムも「共学」の一部で、協働・共感・共生を目的に実施されています。
昨年度は、その1つである英字新聞「Kugayama Times」が、英字新聞甲子園(2019年度)で英字新聞賞準優勝と外国メディア賞(2年連続)を受賞しました。英字新聞作りはゼロから企画を立ち上げ、取材して記事を書き、尚かつ英文で表現するという難易度の高いミッションです。多忙な部活動に所属していたり、生徒会活動の中心的な役割を担っていたりする生徒が多く、全員で活動できる日がほとんどない中で、どのようにして質の高い新聞を作っているのでしょうか。初年度(2016年度)から本件を担当する中村友子先生(地歴公民科)に話を伺いました。
「信頼」が鍵。多様な生徒が最終的にワンチームになる
「本プログラムの参加者は例年、約30名です。国際交流プログラムの中では男子の割合が多く、概ね4割を維持しています。動機はさまざまで、英語だけでなく、新聞を作ることに興味をもっている生徒や、英語によるコミュニケーション力には自信がないけれど、物事をじっくりと考えたり取り組んだりすることは得意、という生徒もいます。それぞれの力を活かして、実質4ヶ月ほどで新聞を完成させるには、『信頼関係』が鍵になります。信頼関係があってこそ自分の仕事を全うしよう、新聞を完成させよう、という責任感が生まれるからです。
そのため、全員で記事の骨格(6本分の題材)を決めたら、題材ごとに班を作り、記事作りはグループで行っています。グループリーダーは多忙な生徒も参加しやすい昼休みにランチミーティングを何度も設定します。男女が一緒に活動することに慣れておらず、最初はただ黙々とお弁当を食べているだけの生徒もいますが、記事の内容や進め方を話し合ううちに次第に打ち解けていきます。
この時期にしっかり連携ができていると、部活動、合宿、講習、海外留学などでメンバーが揃いにくい夏休みも大丈夫。作業の経過をLINEやメール、電話などで報告しながら、一人ひとりが自分のできることを責任をもって行い、完成に近づけることができます。
知的好奇心をくすぐられる英文表現での試行錯誤
最後に和文から英文に直す作業を行います。2018年度に編集長を務めた今野由奈さんは、知らなかった表現に遭遇するおもしろさに惹かれて、高3となった昨年も活動に参加しました。決められた文字数に収まるよう表現を工夫しなければなりません。英語科の高橋香江先生、坂井健太先生や仲間とディスカッションをしたり、プロが作る英字新聞を参考にしたりしながら適切な表現を探していきます。その作業に『知的好奇心がくすぐられた』と話していた今野さんですが、中3から4年間、本プログラムに参加して最も心にしみたのは『チームメイトの存在だった』と言います。メンバーに感謝して本校を巣立っていきました」
同校の英字新聞は、部活動や校則など、記者である生徒の身近な問題をとりあげることを信条としています。昨年度は夏の甲子園で初勝利をあげた野球部の話題をはじめ、井の頭線沿線の環境問題や、睡眠に関する記事などを掲載しています。学校HPでご覧いただけますので、ぜひご一読いただき、久我山生の力を感じてください。
高村健大さん(編集長・当時高2)
「中3から3年間参加。編集長を経験し視座が上がりました」
松本友楽さん(副編集長・当時高2)
「引っ込み思案な性格を克服。リーダー的役割を積極的に担うことができ自信がつきました」
須加井健音さん(グループリーダー・当時高2)
「仮説が成り立たず初稿から内容が変わるなか、あきらめることなく記事の質を追求し、やり遂げることができました」
水野奨梧さん(当時中3)
「部活との両立は大変でしたが社会人への第一歩となる経験ができました」
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
国学院大学久我山中学校
[学校HP]https://www.kugayama-h.ed.jp/
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最寄駅/
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