総合探究の取り組みで、課題発見力・情報処理能力・論理的思考力を育む
社会とのつながりを重視した課題研究論文をプレゼン発表
千葉明徳中学校の学習スタイルの基本は、開校以来「まとめて・書いて・発表する」こと。
そのために同校が力を入れているのが、総合学習(週2回)です。最初に中学開校以来、不変のプログラムである「土と生命の学習」で、中1・2は稲作と野菜作りを体験します。「植物」「環境」「食の流通」など教科横断にまたがるさまざまなテーマについて、グループごとに協働学習を行い、模造紙で表現して文化祭で発表します。
そうした学びの集大成が中3の「課題研究論文」です。10のゼミ(7~8人)に分かれてグループ学習を行い、個々に関心のあるテーマを設定して1年がかりで論文を仕上げていきます。テーマは、身近なものから専門的なものまで多種多様。「千葉明徳から忘れ物を減らす」ために脳や記憶のメカニズムから調べ始めた生徒や、「校則裁判」をテーマにして裁判の傍聴や弁護士への取材を行った生徒も。「課題研究論文では、単に調べてまとめるだけでなく、社会との繋がりを重視した独自の視点を養うように指導しています」と、探究担当の林直樹先生は話します。
9月の中間発表は、ゼミのグループをシャッフルして、高校生も参加した14~15名のチームで行います。1人約10分(質疑応答含む)の発表で、違うゼミの生徒から質問や感想を聞いて、意見交換する場面も。「自分の言葉で説明するための準備は大変ですが、伝える力や考える力を養うことにつながります。さらに論文もブラッシュアップされていきます」(林先生)。
締めくくりは、学年末の「課題研究論文発表会」で全員が10分間のプレゼンテーション。ICTスキルがアップしたことで、「データやグラフを自分で作成できる生徒も増え、その練度は確実に上がっています」(広報の土佐和也先生)。
高1・2も「探究」をスタート
進路や将来像を決める契機に
今年度から、高1・2の「総合的学習の時間」でも「探究」(中高一貫コース)がスタートしました。狙いは「中学3年間で蓄積した力を継続させ、成長させること」(中高一貫コース長の栗原篤史先生)。
高1・2の各4~9月まで半年間をかけてさまざまなテーマに取り組んでいます。自らスイカを栽培して「食べやすいスイカの切り方」を実証する生徒もいれば、「テレワークの効率性」や「踏切事故」など、協働研究で取り組む生徒もいます。
中3で課題研究論文をまとめた土台があるため、先生方は「取材依頼文の書き方や挨拶文などを教えたり、専門家を紹介したりする程度にとどめ、生徒が自立して自主的に探究するように」心がけているそうです。
こうした探究活動は、自分が何を学びたいのか、自分に何が向いているのかを考えたり、理系・文系の選択や大学進路を具体的に考える契機にもなっています。栗原先生は、「中高の時代に課題発見力や情報処理能力、論理的思考力を養う経験を重ねることが大事」と話します。その積み重ねから、大学の総合選抜型入試や推薦型入試で自分自身を表現することに成功し、希望進路を叶える生徒も増えています。
開校10年。実を結び始めた千葉明徳の学び
中学開校から10年。第1期生の多くが大学を卒業し、社会人となりました。「その内の一人が今春、本校に家庭科の教員として着任してきました。感慨深いですね」と土佐先生。「千葉明徳で培ったことが、大学入学後に役に立った」と話す卒業生が多く、「探究」活動で培った21世紀型スキルを使い躍動する「行動する哲人」が着実に育まれています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
千葉明徳中学校
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