瀧野川女子学園中学校
【書道部】コーチは本校の卒業生!「書」の世界が広がるクラブ活動
ごきげんよう。
瀧野川女子学園の部活動を支えてくださっている各部のコーチ。そのコーチ陣をご紹介!
今回が最後のご紹介になります。本校の卒業生で、書道部の顧問兼コーチの井上先生にお話を伺いました!
◯ご経歴を教えてください。
瀧野川女子学園を卒業した翌年から、大学在学中の夏休みには書道部の合宿で実技指導を任されていて、戸惑いながらもとても楽しく、やり甲斐を感じていました。その経験が「今」に繋がったと思います。大学で教員免許を取った後は、教職にはつきませんでしたが、自身の学びとして「書」を休む事なく続けて、展覧会への出品などを繰り返し、作品制作の方法を学びました。
18年前に恩師から、「瀧野川の書道を任せたい」との連絡をいただいたご縁で本校に着任しました。これまでの自身の学びが、生徒への作品指導に生かすことが出来ていると思っています。私自身も現在も師に付き学び続ける事で、制作と反省を繰り返し、自己満足で終わる事のないように研鑽を積む、その事がクラブでの指導にも役立っていると思っています。
着任当初はパフォーマンスなどはなく、「大字」を書く用具を揃える事から始めました。下敷、筆、用紙、一つずつ用意して大字作品を書き、学園祭に力強い作品を展示しました。そこで手応えを感じ、それから7・8年後に手探りでパフォーマンスを始めました。その後、保護者の方の協力を得てパフォーマンス用の衝立を作り、書いている所も楽しんで見てもらえるようなパフォーマンスへと工夫する事が出来ました。
◯書道部ではどのような取り組みをされていますか。
基礎から始まり、展覧会出品用作品の手本書きから清書仕上げまで指導しています。また、イベントの際に行う、大字パフォーマンスも指導しています。
入部したらまず漢字の練習を始めるのですが、楷書にもいろんな書風があるので、本人が書きたいものを選んで練習します。それから合いそうな課題を見つけて、次のステップへ進みます。
1年生は基礎づくりから始め、あかつき祭と展覧会を終えると落ち着いてくるので、これまでの内容をまとめながら次の課題を見つけていきます。作品作りでは、半紙で練習し、清書をして仕上げ、展覧会に向けて半切や掛け軸で書き上げます。
書道の作品に欠かせない印は、1年生の最初の夏休みに自分で彫って作ります。
大字パフォーマンスの指導では、実際に書いて筆の使い方を見せます。パフォーマンスに向けて、まずは半紙などを使った卓上での練習を重ね、3段階に用紙の大きさを分けて練習していきます。
それぞれの経験値に合わせた練習ができるように工夫しています。
◯オンライン期間はどのような活動をしましたか。
iPadを活用した個別指導を行いました。書いた物を写真に撮ってMetaMoJiで共有してもらい、細部までの添削(墨量や太細など)指導や全体感を見ての指導を行いました。
また、パフォーマンスや大字の言葉選びから構成のアドバイスなども行いました。
◯本校だからできる活動などはありますか。
大字パフォーマンスは中学生から参加することができます。精鋭メンバーだけで、一番良いパフォーマンスだけにならないので、今年のあかつき祭では、3日間とも違うメンバーで違うパフォーマンスを行うことができました。書くだけでなく、見ることも勉強になるので、他の人のパフォーマンスを見るように勧めています。
◯指導される上で、どんな生徒が多いと感じますか。
素直で努力家、一つの作品を仕上げるため繰り返しの練習を数ヶ月もかけて、より良い作品になるための努力を怠りません。当たり前、と思っていましたが、大変な事ですね。あとは"自らの気付き”を大切に、創意工夫をして欲しいです。
◯今後の方針ややってみたい活動がありましたら教えてください。
「書く」だけでなく、書に関わる伝統的な「料紙」の制作だったり、昨年うちわで行った「ぼかし染め」に、さらに金銀の「砂子箔加工」や「紙漉き」の体験も行ってみたいです。書く用紙の制作にも注目したり、装飾性の高いものを用いて身近に鑑賞出来るような小品の作品制作もしてみたいです。以前からやりたいと思っていた事ではありますが、なかなか実行出来ませんでした。
また、以前行っていた地域でのボランティア活動で、小学生などを対象とした書道大字体験を復活させたいという思いもあります。好きな事を生かして役に立てる経験も、貴重な活動だったと思っています。
「書道」というと、墨汁をつけた筆で半紙に文字を書く作品制作のイメージが強いですが、本校の書道部の取り組みは、パフォーマンスであったり、「書」に関わる様々な制作活動があることを知ることができ、その世界を広げることができます。これからもいろんな作品を楽しみにしたいと思います!