学校からのお知らせ

瀧野川女子学園中学校

中学課程創造性教育発表会を行いました(後編)

ごきげんよう。
先日、中高一貫コース1〜3年生の創造性教育発表会を行いました。

創造性と起業家精神を育む「創造性教育」は本校独自設置科目で、2015年から必修科目として、全学年で取り組んでいます。

前編では中高一貫コース1・2年生の発表の様子をご紹介しました。
後編では、中高一貫コース3年生「中学課程修了研究」の発表の様子をご紹介します!

「中学課程修了研究」では、1年間自分が本当に面白い、本当にすごいと思うことを徹底的に追求し、7分間のプレゼンテーションに込めて、発表します。


「買いたい心情の解体新書」

同じサービスについて異なる会社の2つのCMを見比べた時、人によって“買いたい”と思うCMが異なることから、どのような広告に購買意欲をそそられるかを研究。

アンケート調査から、性別や年代によって好む傾向が変わることが分かり、ターゲットによって広告の内容を変えることで、効果がでることが分かりました。

「夜驚症と夢遊病」

実際に夢遊病経験者であることから、「夢遊病って何だろう?」という疑問から研究に取り組みました。

夜驚症は3〜8歳の子供によく見られ、100人に2,3人が発症し、夢遊病は3〜12歳の10人に1人が発症すると言われています。いずれも深い眠りであるノンレム睡眠の時に起きるので、記憶がないのが特徴です。

夜驚症は急に泣き出したりするので、赤ちゃんに見られる「夜泣き」との違いが分かりにくいですが、「夜泣き」は脳が起きている時にあるということで、似た症状との違いが分かりやすいプレゼン内容になっています。


「てんかん」

100人に1人がおきると言われている「てんかん」について研究。

「てんかん」には何種類かあり、特発性や症候性、脳の部分的であったり、全体であったりで、発作が起きると意識を失ったり、手足がガクガクしたりします。周りで急に発症した人がいた場合、焦ってしまうと思いますが、まずはどんな病気なのかを知ることが大切で、その対処法などの紹介がありました。


「熱帯魚の嗜好性」

家で熱帯魚を飼っていて、「熱帯魚にも餌の好き嫌いはあるのかな?」とふと疑問に思い、研究テーマにしました。

餌の種類による違い、餌を細かくした場合とそうでない場合、水温など環境を変えた場合などで、その変化を比べてみました。

結果、餌はより細かく、より快適な環境の方が食いつきが良いことが分かりました。もし熱帯魚を飼っている方がいたら、試してみたくなるようなプレゼンでした!


「Paper Comic VS Digital Comic 〜紙媒体がなくならない理由〜」

2012年から本のデジタル化が進み便利になっていますが、「紙媒体がなくならないのはなぜだろう?」という疑問から研究。

デジタルの方はズーム機能を使って読んだり、ページ送りミスがあるなど、紙媒体よりも読み進めるのに時間がかかります。紙媒体で読んだ方が物語に入り込みやすいことで、根強いファンがいて、紙媒体はなくならないという結果を導き出しました。


「日本の建築技術とその未来」

家が好きで、建築に興味があったことから、日本の建築技術について研究。特に、木造軸組工法について調べました。その技術から、耐震性や耐久性、設計の自由度など魅力の高さが伝わってきます。

また、家を建てる際、耐震等級2以上は義務ではないですが、熊本地震の時、耐震等級3以上の倒壊は0棟だったそうです。地震大国であるからこそ、地震による倒壊が少なくなって欲しいとありました。


「命のマーク」

2006年から使われるようになった「マタニティマーク」。母親と赤ちゃんの命を守るマークで、妊婦さんが過ごしやすい社会にしたいと思い、研究しました。

アンケート調査により、妊娠中「マタニティマーク」を付けていなかった理由は、そのマークの認知度が低いことが原因であると分かりました。そこで、妊婦さんに付けてもらうためのアイディアや、周りの人が声をかけやすくするためのアイディアを提案。

社会みんなで母親と赤ちゃんの命を守っていく意識が広まる取り組みを広げたいとありました。

発表の最後、校長先生、理事の廣瀬先生、副校長先生より講評がありました。

廣瀬先生は東京工業大学の名誉教授で、HERO(極限環境ロボット研究所)の所長も務められており、ロボット研究の第一人者であります。


<校長先生>

毎年いろいろな気づきや感じたこと、知らなかったことを教えてくれ、「もっとこのことを考えなければ」と導いてくれた発表が多かったです。

例年よりアンケート調査の対象の数が増えていて、いろんな人に聞いた、意欲的な思いが伝わってきました。

先輩や後輩の発表を聞いて、それぞれの気づきがあったと思います。そこから自らがどう考え、今後に繋げられるか、考えていきましょう。


<廣瀬先生>

「創造性」は重要なキーワードで、中学から取り組めることは良いことです。

コロナ禍でマスクが欠かせなくなりましたが、マスクを付けていると息が苦しくなりますよね。それは、マスクの中で吐いた息を吸っているからなんです。そこで、息苦しさがなくなるインナーマスクを作ろうと思い、試作品を100個くらい作って改良を重ね、完成した商品が今販売できています。

ものづくりには何度も試作を重ねることが大切で、その中でいろいろな発見があり、それが“創造”をつくりだしていきます。新しい発見は新しい知識につながります。自分から新しい知識を発信できる人になってください。


<副校長先生>

この1年間、貴重な経験をしてきたと思います。実際にやってみないと分からないことは多いですが、試行錯誤を恐れずに取り組めたと思います。

これから学んでいくことは、実際に挑戦したときに新たに生じた問題を解決するために、必要な力になります。

みんなの思いがいろんな形になって、成長を見ることができました。次の学年に向かって、頑張っていきましょう。

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創造性教育について

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