日本女子大学附属中学校
教員リレーエッセイ【11月】日本といえば?
北海道の「旧白滝駅」。たった1人の女子高生を学校に通わせるためだけに存続していた駅で知られているそうです。
学生時代から続けている英語サークルで、海外の方とZoomで交流会を行ったときのこと。「日本といえば何ですか?」と日本に来たことがないフィリピン人の参加者に尋ねました。
寿司、桜、着物...などの私の予想に反して、彼の答えは、1人の女子高生のために存続していた「旧白滝駅」の話でした。
すると、参加者が口々に言うのです。「そのニュース、聞いたことある!」
なんと日本人の参加者以外全員が「聞いたことがある」と言いました。日本の印象は、「1人のために全力で尽くしてくれる素晴らしい国」「ものすごく教育熱心な国」とのこと...驚きました!
同じようなことがオーストラリアを旅行したときにもありました。エアーズロックのフレンドリーな入国審査官が私のパスポートを見て一言。「日本!行ったことあるよ!Shibuya Crossingが最高だったな!」
Shibuya Crossing…? 渋谷のスクランブル交差点のことです。富士山や浅草ではなく、渋谷の交差点?!ただの道路だと思っていた場所が、彼にとっては日本を代表する最高の観光スポットだったのです。実際に行ってみると海外からの観光客が「万華鏡のように美しい!」とカメラを構えて、道路を渡る人々の様子を撮っていました。
世界をもっと知りたいと思って始めた国際交流。ふと気づくと、私が知らなかった日本の魅力をたくさん教わっていました。人の数だけの「最高」があることも。「日本といえば何ですか?」—たずねてみると、まだまだ多様な答えがありそうです。生徒の皆さんにも、是非、海外の方と交流する機会を持ってもらいたいと思っています。