学校からのお知らせ

東洋大学京北中学校

受験生への校長メッセージ(8月)

この4月、私は始業式で反面教師の話をしました。
その中のお一人に、中学校の3年間ずっと担任をしてくださった先生がいらっしゃいます。その先生は社会科の先生で、私は地理的分野、歴史的分野、公民的分野を全てその先生から教わりました。先生は定期考査の度に、その科目のトップを発表されていました。中3のある時「このクラスのトップは、社会科が嫌いで苦手な男だ。お前らはそんな奴にトップを取られて悔しくないのか?しかも民本主義を唱えた吉野作造を、『もったいない』で有名な『大日本どケチ教』の吉本晴彦と間違える大馬鹿者だ。」と言われ、恥をかかされたこともあります。

今回は、その先生が口癖のように仰っていた言葉をご紹介します。正直、私たちはこの言葉の度にお互い顔を見合わせクスクスと小声で笑っていました。でも今この歳になってようやく、この言葉の凄さがわかりました。


   「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり 」


これは米沢藩9代藩主の上杉鷹山の言葉です。10歳で米沢藩8代藩主重定の娘幸姫の婿養子となり、17歳で家督を相続します。と言っても借金だらけの藩で、どうしようも無い状況でした。重役から米沢藩の体面に関わると強い反対を受けましたが、鷹山は率先して節約を実行しました。江戸藩邸での藩主の生活費をおよそ7分の2とし、食事は一汁一菜、普段着は木綿、奥女中も50人から9人に減らしたそうです。その結果、今の200億円相当の借金を完済したそうです。

このことから、できそうでないこともその気になればできるという意味でよく使われます。
みなさんは10歳、17歳の上杉鷹山に勝てますか?
200億円の借金と今の勉強、どちらが大変ですか?
私なら、楽な勉強を選びます。

受験生への校長メッセージ(8月)

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