日本女子大学附属中学校
教員リレーエッセイ【6月】運動会と裏話

今年度も運動会が開催されました。
当初予定されていた日はあいにくの大雨で、開催が危ぶまれましたが、翌日には嘘のように水が引き、涼しく爽やかな空気の中で、無事に実施することができました。4月から練習を重ねてきた生徒たちが、競技や応援に全力で取り組む姿は本当に輝いていて、思わず胸が熱くなる瞬間が何度もありました。
こうして素晴らしい1日を迎えられたのは、もちろん主役である生徒たちの頑張りがあってこそですが、今回は教員リレーエッセイということで、少しだけ“裏方の話”もさせていただきます。
私は今年の4月に着任し、教員として初めての運動会を経験しました。保健体育科の教員として、運動会に向けてやるべきことは、私の想像をはるかに超え、実に多岐にわたるものでした。授業内で競技やダンスの練習を行うのはもちろんのこと、用具の準備やメンテナンス、競技ルールの確認、係打ち合わせなど、準備に追われる日々。
中でも私が特に心に残っているのは、1 年生の競技「なかよしダッシュ」で使用するバランスボールとリングのメンテナンスです。この競技では、2人1組でバランスボールとリングを運びながらリレーを行います。使用する用具は空気を入れるのに地味に時間がかかり、さらに、練習で使うと少しずつ空気が抜けてしまうため、何度も空気の入れ直しが必要でした。加えて、外で使えば砂まみれになってしまうため、毎回授業後にはひとつひとつ拭き上げるという地味な作業の連続でした。
「ここまでやらなくてもいいかな…」と思うこともありましたが、教員の中で、「生徒が全力で頑張れるように準備しよう!」と声をかけ合い、運動会までの準備にやりがいを持って取り組むことができました。
ボールとリングが綺麗になっていること、1 年生の皆さん、気づいてくれていましたか?
運動会当日は、生徒たちの真剣な表情や笑顔に何度も心を動かされ、競技のひとつひとつに込められた想いを感じながら、私自身も多くの感動を味わいました。学年を超えて助け合い、仲間と応援し合う姿から、「運動会」という行事が持つ力の大きさを改めて実感しました。そしてボールとリングもきっと、生徒と同じくらい輝いていたと思います。
運動会という日が、生徒の皆さん、そして保護者の皆さまにとっても、心に残るかけがえのない思い出となっていたら嬉しいです。
これからも、生徒たちと共に、一つひとつの行事を丁寧に積み重ねていきたいと思います。