東洋大学京北中学校
受験生への応援メッセージ
在校生のみなさんには伝えたことがありますが、以前の私は哲学が嫌いでした。その理由を簡単に言えば、難しいからです。しかし、この東洋大学京北へ来て一変しました。着任した日の哲学研修で、難しいことが何一つ分からなくても対話が成立し、問いを立てる楽しさ、考えることの面白さ、表現の多様性などいろいろな角度から気づかせていただきました。さらに、海外の研修生が対象の特許庁委託事業「知的財産研修」において、本校の高校2年生が英語によるパテントコンテストでの発表をしている姿には身震いがしました。これらは哲学のホンの一部分かもしれませんが、今では哲学を学ぶことにとても興味をもつことができるようになりました。
そんなある日、私はルネ・デカルトさんの、こんな言葉を見つけました。
一日一日を大切にしなさい。毎日のわずかな差が、人生にとって大きな差となって現れるのですから。
高校時代の私の通知表は、いつも下から1~2割のところをさまよっていました。しかし高2の終わり頃から範囲が分からない実力テストや模試の度に、それまでとは逆にいつも上位の1割に入ることができました。私は一夜漬けが苦手なので、世界史や生物などはいくら勉強しても定期考査で平均点を取ることができませんでした。しかし実力テストや模試は受験型に合わせるので、数学や化学、日本史など、高1・高2で蓄えられてきた積み重ねが活きてきます。
私はデカルトさんが、このことを言っているのではないかと思っています。つまり今、定期考査の点が悪くても、評定が低くても、コツコツと頑張っていれば、それが本当の実力として開花する日が必ずくる。そのように私は実感しました。
1日で劇的に成績が伸びることは少ないですが、毎日の「あと1問」「あと10分」こそ、数カ月後には圧倒的な知識の差となっていく、だからこそ今日できることを全力でやり抜けと言っているように聞こえました。
ひょっとすると私の解釈は間違っているかもしれませんが、騙されたと思って、今この時間を大切にしてみましょう。
きっと、この時間が何倍にもなって返ってきますから。
