学校からのお知らせ

東洋大学京北中学校

受験生への校長メッセージ6

 関西人の私にとって、松下幸之助さんは「経営の神様」ということだけではなく、辺り一面が焼け野原で大阪市の鬼門にも当たる門真市に世界的企業を創り、大阪有数の商工業地帯にまで発展させた、迷信を打ち破る大阪の大恩人とも言うべき方です。
また、戦後日本で一早く女性のパートタイマーを数多く雇用し、女性の社会進出の模範例を具体的に実現された方でもあります。
今はパナソニックと呼ばれるこの会社は、私が子どもの頃にはナショナルという商標を文字って「ナショ」とも呼ばれていました。
そんな「ナショ」の社員で、のちの三洋電機社長になった後藤清一さんへ、松下幸之助さんは、次のように話したそうです。

「後藤君なあ、こけたら立たなあかんねん。赤ん坊でも、こけっぱなしではおらへん。すぐ立ちあがるやないか。」

「こけたら立ちなはれ。」     If you fall down, just stand up.

皆さんが1歳の頃、初めて立ち上がった姿を見て、お父さんやお母さんは大喜びをされました。そして皆さんは、何回も滑ったり転んだりを繰り返しながらも幾度となく試みて、やがて、「ほら歩いたよ、見て。」と、その様子は、おじいちゃんやおばあちゃんにも知らされたことと思います。
このように皆さんは、初めての一歩を踏み出しました。もしも、赤ん坊の時に「失敗したから、やめた。」とか「恥ずかしいから、いらない。」などと思ってやめていたら、今のように外へは出られなかったはずです。
上手くいかなかったからと言ってあきらめるのではなく、別のやり方でチャレンジすれば良い、そんなことを松下幸之助さんは仰っているのかもしれません。

また、松下幸之助さんは、「どうやってこのように大きな成功を収めることができたのですか?」と尋ねられたことに対して、「私は、天から3つの恵みを受けて生まれた。家が貧しかったこと、体が弱かったこと、小学校までしか進学できなかったこと。」とも答えています。私には、マイナスの条件こそ、実はプラスに変えるための条件である、としか聞こえません。

最後に、幕末の志士である坂本龍馬さんが似たようなことを言っているので、ご紹介しておきます。

「人の世に失敗ちゅうことは、ありゃせんぞ。」

受験生への校長メッセージ

東洋大学京北中学校

この学校の詳細情報を見る