東洋大学京北中学校
受験生への校長メッセージ
以前、日本史の先生に「戦国時代には、大将の首が取られるか降参と言わない限り勝敗は決しなかった。戦いというのは諦めたら終わりだ。」という話を聞いたことがあります。
そんな古い時代の話ではなく、世界に目を向けて見ると、もっと凄い方がいらっしゃいます。
その方は、永年にわたり不毛な戦いを続けてきたベトナム戦争に対し、アメリカ軍の完全撤退を実現した方でもあります。また、当時アメリカ合衆国を始めとする西側陣営と、東側陣営であるソビエト社会主義共和国連邦とは東西対立時代にありましたが、この両者の間の緊張緩和(デタント)を実現した方でもあります。中華人民共和国訪問などで積極的な、いわゆる「ニクソン外交」を展開したり、国内経済が低迷して高い失業率、インフレ、不況などで追い込まれていた中で、いわゆる「ニクソンショック」と呼ばれた金交換停止、輸入課徴金制導入、物価賃金凍結などの政策転換を断行し、ドル切り下げを行い、新しい国際通貨体制を確立したりした方でもあります。
「人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。」
“A man is not finished when he is defeated. He is finished when he quits.”
リチャード・ニクソン(アメリカ合衆国第37代大統領)
長いアメリカの歴史の中でもいわゆるウォーターゲート事件で、任期中に辞任へ追い込まれた唯一の大統領でもありますが、私は特に、その平和的な外交手腕やベトナム戦争を終結させた立役者でもある凄い方だと思っています。
人生の中で負けることは何度もあるでしょうが、負けていない人は戦ったことがない人だと、私は考えます。
シェークスピアも「成し遂げんとした志を、ただ一回の敗北で捨ててはいけない。」と言っています。結果が出るまで諦めない、そんな姿勢を身に付けたいものですね。
2022年5月11日
東洋大学京北中学高等学校
校長 星野 純一郎