学校からのお知らせ

東洋大学京北中学校

受験生への校長メッセージ

あけましておめでとうございます。
 受験生の皆さん、泣いても笑っても後、わずかです。
 悔いのないラストスパートを、心からお祈り申し上げます。


 前年度にもご紹介したことのある松下幸之助さん。私と同じ年代の関西人にとっては、神のような存在であると書かせていただきました。
 新年最初のメッセージは、私が大好きな松下幸之助さんのことについてお話しさせていただきます。

 松下さんは、よく「峠の茶屋」の話をされます。その概要はおおよそ次のようなものです。

人里離れた、ある峠の茶屋に一人暮らしをしている老女がいた。いつも朝は早くから起きて、毎日きちんと店を開け、いつでもお茶が出せるように準備している。
旅人が来る来ないに関係なく、老女は必ず店を開けていたので、この峠を越える旅人たちは、いつとはなしに、この茶店で一服するのを一つの習慣とするようになり、老女もまた、茶店の存在が旅人たちに安心と喜びを与えていることを、この上もない喜びとするようになった。

 これを松下さんは「見えざる契約」と呼んでいます。つまり老女も旅人も、何かしっかりした決めごとに乗って動いている訳ではない。老女も旅人も、私利私欲ではなく、いつものように、その場所を通り、いつものようにお茶を出す。お互いの安心感が、実はお互いの存在意義でもある。そんな温かい契約が自然と発生し、自然と役に立っている。松下さんは、それこそが社会の存在意義ではないだろうかと、問い掛けられていると私は感じています。

 この時期、私は保護者の方が老女に、受験生の皆さんが旅人のように見えてなりません。保護者の方がいるから安心して、入試まで勉強ができた。その頑張って勉強している姿が、逆に保護者の方の大きな安心感となる。お互いの個人的な願望や要望は、実は社会が求めている願望でもある。
 もっと分かり易く言えば、あなたの合格はあなた一人が望んでいる結果ではなく、社会があなたの存在を認め、合格を待ち望んでいるという意味です。

 もはやあなたの第一志望合格は、社会が求めている合格でもあります。

 合格された日には、社会と共に「峠の茶屋」で美味しいお茶をいただきましょう!

受験生への校長メッセージ

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