日本女子大学附属中学校
教員リレーエッセイ【11月】「寄り添う」こと
コロナ禍が過ぎ、学校生活に以前の活気が、少しずつ戻ってきました。
昨年度まで、毎日の体調確認や換気、石けんやアルコールの補充などに、各クラスの保健委員が活躍してくれましたが、今年度の委員の生徒たちから、コロナ禍の終わりが見えてきたので、管理型の活動ではなく、「皆の心に寄り添った活動をしたい」という意見が出ました。
コロナ禍の厳しい行動制限を乗り越えてきた生徒たちにとって、いざ、活動範囲を広げていくとなった際、どんな援助や情報が必要なのでしょうか。これは、大人でさえ悩み、手探りで進んで来た問題なのですが、生徒たちも、状況を見ながら、今、自分たちに何が出来るのかを考え、活動してきてくれました。
1学期は、感染症対策と並行して、健康診断で必要な準備や当日の流れを伝達したり、運動会で熱中症対策の呼びかけをしたりしました。伝達ひとつとっても、話すだけではなく、要点を黒板に書いたり、ポスター掲示をしたりと、各クラスで様々な工夫をして実施してくれました。(ちなみに、昨年度も、今の自分たちの経験が、将来、後輩たちの役に立つためには、どうしたら良いかを考え、委員会活動のオンライン化や石けん当番の組織化などを行いました。)
実際に、相手に寄り添い、求めていることや必要なことを考えて行動を起こすのは、意外と大変で、なかなか思い通りにいかないことも多いようです。しかし、コロナ禍で、体や心に距離が出来てしまった私たちが、もう一度近づくためには、この「寄り添う」気持ちこそ、大切なことなのだと、生徒たちを見て実感しています。