瀧野川女子学園中学校
卒業生の声 第17弾 (2019年度卒・上山さん)
ごきげんよう。
2019年度に本校を卒業後、実践女子大学に進学し、今年の春に総代として卒業した上山さん。現在は大手ビル総合管理会社に就職し、社会人1年目として頑張っています。
◯瀧野川女子学園には中学・高校と6年間通われましたね。入学のきっかけは何でしたか。
上山さん:小学生の時に塾で瀧野川女子学園のパンフレットをもらったことがきっかけです。少人数教育で一人ひとり丁寧に見てもらえると思いました。特に、受験生向けイベントの時の個別相談で、丁寧に対応していただいたのが印象に残っています。ここでなら6年間伸び伸びと学べると思いました。また、共学校だと意見を言うことに萎縮してしまうと思い、女子校なら安心して過ごせると思いました。
◯実際に入学してみて、面倒見の良さは感じましたか。
上山さん:先生は一人ひとりの個性を見てくださり、授業の進度も生徒の様子を見ながら進めてくれました。中学1年生の頃から放課後に英検対策を個別で行なってくれるなど、試験に向けて分からないところも質問がしやすかったです。職員室にも入りやすく、先生との距離が近いと感じられたのは、瀧野川ならではと思います。
◯瀧野川女子学園で一番思い出に残っていることは何ですか。
上山さん:高校2年生の時に行なった創造性教育「事業化実習」で、ハワイ大学でのチャリティーバザーに挑戦したことが一番思い出に残っています。
◯本校には「創造性教育」など、独自の教育がありますが、集大成である事業化実習では、どんな商品を開発しましたか。
上山さん:2015年、私が中学2年生の時に「創造性教育」が始まり、最初の年は大道芸ロボットを作りました。「創造性教育」は生徒主導で行いますが、モーターの仕組みなど専門的なことは、東京工業大学の学生が一緒に作業しながら教えてくれました。2チームに分かれて制作したのですが、私たちのチームは「人生の壁」というロボットを作り、日本機械学会主催のロボットグランプリに挑戦しました。残念ながら賞は獲れませんでしたが、もう一つのチームが制作した熊のロボットは、準優勝に選ばれていました。
高校2年の事業化実習では、チームでシリコン製のイヤリングを作り、販売しました。イヤリングの飾り部分に、レジンで三角形のパーツを作ったのですが、このデザインは私が担当しました。また、商品がより魅力的に見えるよう、包装袋の中に商品の背景となる用紙を入れたのですが、その用紙はiPadでデザインして制作しました。高校2年生になると皆忙しくなる時期で、夏休みに集まる時間を作り、販売できる品質であるかチェックをしたりしました。
◯社会人となり、起業家精神を学んだ「創造性教育」が活かされていると感じることはありますか。
上山さん:お客様とまだ一対一で話すことがないのですが、商品知識を覚える時、「具体的にどのような人が使っているのか」、「その商品がなぜ必要とされているのか」、自分の言葉で吸収するために先輩社員に質問する力や、自分の言葉で考える力に活かせていると感じます。
また、社会人になった今、お客様のニーズは一人ひとり異なり、前例から考えるものではなく、その人に必要なものをゼロから考える力が求められると実感しています。この力は瀧野川で築けたと思います。
◯本校はネイティブの先生が多く、英語教育にも力を入れています。英語についてはどうでしたか。
上山さん:ネイティブの先生は皆優しく、楽しく話すことができます。廊下ですれ違う時も気軽に話すことができました。英検対策の時や英語の文章を読む時も、ネイティブの英語を聞いて話せるので、発音の参考にもなります。ハワイで商品販売する時も物怖じせず積極的に話せたのは、英語を話すことに慣れていたからだと思います。リスニングする時も学校で英語を聞く機会が多いので、それが役に立ったと思います。
◯瀧野川女子学園で成長できたと感じることを教えてください。
上山さん:私が中学2年生の時にiPadが導入され、プレゼンの機会も多かったこともあり、自分の意見を発信する力がつきました。授業で使用するMetaMoJiでは、ノート画面を先生やクラスの仲間と共有することができます。皆で同じノートに書き込むことで、画面上でブレストすることができます。ブレストすることで、自分の考えを可視化できたのが良かったです。
◯在学中は書道部に所属していましたね。クラブ活動はどうでしたか。
上山さん:小学2年生の頃から書道を習っていたので、中高でも6年間、書道部に所属しました。特に、書道部が行なう大字パフォーマンスは、部員全員の協力が必要で、動画を撮って動きを確認しながら進めました。躍動感や文字の書き方、パフォーマンスの構成、文字やデザインなど、部員の数だけ意見が出るので、完成させるまで大変でしたが、達成感も感じられました。
◯大学受験をするにあたって、学校や先生のサポートはありましたか。
上山さん:進路に悩んでいる時、担任の先生に何回も面談していただき、どういう勉強がしたいのか、先生と話す中で頭の中を整理することができました。面接の練習や小論文の添削も何回もしていただき、受験スケジュールや受験する順番についても指導いただき、最後までサポートしていただけました。
◯大学は文学部(美学美術史)に進学されましたね。進学先を決めた経緯を教えてください。また、どんな勉強をしましたか。
上山さん: 書道部で展覧会に作品を出す中で、書道の文化に興味を持ちました。書道の美しさを感じ、美術館に行くことも好きだったので、進路に繋げたいと思いました。
大学では、芸術や美学について学びました。美術史では芸術作品の歴史や作品がなぜ作られたのかについて学びました。
◯大学生活の中で、瀧野川女子学園での学びや身についた力が活かせたことはありましたか。
上山さん: 瀧野川ではプレゼンの経験が多かったので、ゼミの時に分かりやすく説明することができました。ブレストの経験もレポート作成の際に役立ち、自分の意見をうまくまとめることができました。
◯成績優秀で総代として卒業されたと伺いました。なかなか難しいことと思いますが、勉強を頑張ろうと思う動機があったのでしょうか。
上山さん:大学2年の時から成績上位3〜4名に給付される奨学金をいただき、卒業時に総代に選ばれました。
進路で悩んだ分、学びたいことが学べる大学で勉強を頑張ろうと思いました。中高で使用していたiPadが非常に役立ち、大学のレポートを書く時も、電車での移動時間を使ってiPadで書いていました。清書前に自分の意見をまとめたい時は、パッと取り出してメモのように書き込むことができます。スライドもiPadで作り、プレゼンの時にデータをパソコンに移して発表していました。大学受験の時にAO入試で自分の実績を書く時も、iPadで書いてから先生に添削してもらい、提出用紙に清書していました。この経験を、大学に入ってからも続けていました。
◯進路(就職)について教えてください。今はどんな仕事に携わっていますか。
上山さん:東日本大震災の時も、エレベーターがビル内の交通インフラとして人々を支えていました。日々の暮らしに欠かせないものに携わることで、やりがいを感じられると思い、ビル総合管理会社に就職しました。大学で美学美術史を学んだからといって、芸術の仕事に縛られる必要はなく、学びの中で、ものごとの背景を考え自分の意見を述べる力を養ったので、お客様に商品を提案する時にも、その力が活かせると思いました。
今は個人や中小企業に対して昇降機の保全や空調、防犯カメラについて提案しています。
◯社会人となった今、本校の教育をどう感じますか。
上山さん:自分の意見を発信する力が身についたので、貴重な6年間を過ごせたと感じています。6年間段階を踏んで経験を積むことができたので、大学や社会人となった今に活かせていると思います。大学ではプレゼンの機会はありますが、スライドの作り方などは教えてくれません。適切な文字の大きさなど、知っているのと知らないのとでは伝わり方が違います。職場では研修期間はありましたが、まだ教わっていない段階で人による慣れの差を感じました。講演などの後の質疑応答も、積極的に質問する姿勢は、瀧野川で身についたことです。瀧野川では、授業中に意見を出しやすい環境を日々先生が作ってくれていました。発言を否定せずに聞いてもらえる環境で過ごしたことで、自分の意見を言うこと、周りの意見を聞くことに慣れることができました。
◯最後に、受験生にメッセージをお願いします!
上山さん:6年間同じ環境で過ごすことで、勉強などに集中できる環境にあります。女子校で安心して、楽しく過ごした6年間は、一生の思い出になります。ぜひ学校説明会に来て、実際に学校の雰囲気を見ていただきたいです。
また、事業化実習など、他の学校では経験できない機会にも恵まれています。新しいことに挑戦したい、もう一歩踏み出したい人は、ぜひ瀧野川で挑戦して、充実した学校生活を送ってください。
最後に、上山さんは6年間本校で過ごす中で、iPadの導入、創造性教育の導入、黒板から大型モニターへの変化など、学校が日々進化するところを間近で体験してきました。
6年間の変化について聞いてみると、「みんな新しいことが始まる度に『今度は何が始まるんだろう』と驚いていましたが、いざ始まってみると、すぐにその環境に慣れました」と笑顔で話してくれました。
今後の「卒業生の声」もぜひご期待ください!