学校からのお知らせ

藤嶺学園藤沢中学校

涅槃会(ねはんえ)

昨日2月14日(金)に今年度最後の高1生「学林」がありました。内容は、1月の学林で「般若心経」の写経をしましたので、それを遊行寺御本尊前に奉納し、遊行寺僧侶の方に祈願をして頂き、その際、高1生も一緒に般若心経を唱えるというものでした。実は心配が2つありました。一つは、写経の時間に般若心経を最後まで写経できた生徒は少なかったため、「家で完成させて提出」という指示が出ていました……さすが高1生!ほぼすべての生徒が写経を提出しました!二つ目の心配は、ふりがな付きの般若心経を配布しましたが、「初めてで読誦できるだろうか」でした。そこは、遊行寺の僧侶の方が巧みでした。本番に入る前に、「このようにお唱えします」と言って、1度模範を示して下さいました。次に「皆さんも練習してみましょう」ということで、生徒たちも「予行演習」をしました。そして、本番……生徒たちはしっかり声を出して唱えられました!
 また、2/15の「涅槃会(ねはんえ=お釈迦様が亡くなった日)」を前にして、遊行寺本堂には「涅槃図」がお祀りしてありましたので、時宗僧侶で大正大学准教授の長澤昌幸先生に「涅槃会」説明と「涅槃図」の絵解きをして頂きました。
 「写経」も「般若心経」も「涅槃会」も「涅槃図」も初めての生徒が多かったと思いますが、「体験」を通して生徒各人が「感じるもの」があったことと思います。
 さて、「涅槃会」について少し記します。涅槃会は、仏教を開いたお釈迦様がお亡くなりになった日に修行される法要で、日本では2月15日に遺徳追慕と報恩のために行われます。お釈迦さまは、80歳のとき、弟子たちに最後の教えを説きながらクシナガラという地で亡くなられました。実際は、お釈迦様が亡くなった日は不明ですが、日本と中国では2月15日と定められています。また、涅槃とは、本来は「迷いのなくなった境地(ニルヴァーナ)」のことですが、この場合はお釈迦様が亡くなった意味に用いられています。
 涅槃会の際に掲げられる「涅槃図」は、沙羅双樹(さらそうじゅ)の下でお釈迦様が入滅される情景を描いた絵図のことです。ちなみに、遊行寺の巨大涅槃図は、縦6m45cm、横3m64cmもあります。多くの涅槃図では、宝台上にお釈迦様が「頭北面西右脇臥」の状態で横たわり、その周囲に会衆人物や鳥獣虫類が数多く集まり、悲嘆の様子が描かれています。また、樹上には飛雲に乗ってお釈迦様の臨終に馳せ参じようとする摩耶夫人(まやぶにん=お釈迦様の母上)の一行が描かれています。
 涅槃会は、お釈迦さまの死を単に悲しむのではなく、「お釈迦さまが最後まで説かれた教えを、自分たちの生き方にどう活かしていくか」を考える機会です。例えば、長澤先生は「仏教とは、智慧と慈悲の実践であり、智慧は自利を表し、慈悲は利他を表す」とおっしゃっていました。皆さんが、この機会にお釈迦さまの教えを改めて学び、自分の生き方について考えてみることができれば、涅槃会の意義がより深まるのではないでしょうか。

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