高い大学合格実績を支える3つの柱 ポイントは「可能性」「モチベーション」「距離」
2015年で創立130年を迎える高輪中学校。学校長の坂本先生のもと、生徒の将来の目標を叶えるための「進学指導」と、人から信頼され、社会で活躍できる次世代のリーダーを育成する「人を育てる指導」に力を入れて取り組んでいます。
そのような指導が実を結び、2014年3月の大学合格実績は、国公立40名、早慶上理184名、GIMARCH225名、という素晴らしい結果となりました。特に、東京工業大学(以下、東工大)は7名現役合格となりました。
高い進学実績が出た要因を入試広報部長の真壁先生に伺いました。
ポイント(1)生徒の希望を下げさせない 可能性を信じて生徒を支える指導
「東工大に合格した生徒のうちの二人はサッカー部に所属していました。秋まで大会を勝ち上がっていたため、勉強に割ける時間が多くはなかったのですが、計画的に学習を進めていました」と真壁先生。彼らは部活動も頑張りたいと思い、一般クラスに所属していても勉強と部活動の両立を図っていました。部活動引退後は受験勉強に励み、見事合格を勝ち取ったそうです。そのように頑張ることができた理由は、第一志望校に合格したいという「モチベーション」の高さでした。
「一人は、センター試験の結果が東工大の基準点(600点)ギリギリでした。それでも生徒は、『東工大を受験する』と力強く言いました」と真壁先生。東工大に行きたいという強い想いがそうさせたそうです。もう一人の生徒は、自分の好きなことを徹底して追求するタイプで、行きたいと思った東工大の合格に向けて頑張ったそうです。
このように、高輪の生徒の特長の一つは、「自分の行きたい大学に行く」というモチベーションが高いこと。第一志望校から志望を落とすことなく受験まで向かいます。その姿勢は、先生方の指導によるところが大きいです。先生方は面談等を通じて、現状の学力では合格が難しくても、志望を落とさせずに受験に向かわせます。「志望を落とすとその後もさらに落ちていく可能性が高い。その時点で、志望校に合格できる・できないを判断するのではなく、志望校に合格するためにどう勉強していくかを指導します」とのこと。先生方が生徒の力を信じて、第一志望に向かわせていく指導をすることで、生徒たちは自分の第一志望校の合格を勝ち取ることができるのでしょう。
ポイント(2)生徒のモチベーションを引き出す体系化された体験学習
「行きたい大学を見つけるためには、自分が何をしたいのかを知ることが大切です。高輪では、多くの体験学習を行っていますが、その体験を積み重ねる中で、生徒たちは興味を見つけていきます」と真壁先生。
中1から高2まで体系化した体験学習を行っています。高2では『海外学校交流』があります。オーストラリアに行き、現地の学校の生徒たちと交流を行ったり、ファームステイという現地の農家へのホームステイを行ったりします。最終的にこの『海外学校交流』で海外の人々と交流し、より多くの学びを得られるようにするためにも、中3・高1ではその準備として希望者を対象とした『イギリスサマースクール』があります。また、中3では日本文化・歴史・平和を知るための『西日本探訪』、中2では日本の農業・工芸を学ぶ『農工芸体験学習』、中1ではより身近な自然に触れるための『自然体験学習』を行っています。中1から高2に向かうにつれて、身近なところから世界へと視野を拡げていくプログラムによって、生徒は自分の興味・関心を見つけ、希望進路の発見へとつながっていきます。
ポイント(3)生徒と先生の距離が近い先生全員が生徒全員を見られる体制
どの先生からでも教えてもらえる体制があることも高い進学実績が出ている要因の一つ。「先生全員が生徒全員を見ているという意識があります。自分の学年だけでなく、他学年でも授業を行っているため、多くの先生が多くの生徒の様子を見られるようになります。また、生徒にとっても多くの先生を知っているため、質問をしに行った時、担当の先生がいなくとも他の先生に教えてもらいやすくなります」と真壁先生。これにより、いつでもどの先生からも教えてもらうことができ、学習のスピードが上がります。
このような教育活動により、高い進学実績を出す高輪中学校。ぜひ見に行ってみてください。
視野を拡げる
中1 自然体験学習
3泊4日。自然保護やものづくりに関する知識と技術を習得することが目的。河口湖での飯盒炊爨体験や、上高地での自然体験などを実施。仲間と助け合うことの大切さを学ぶ。
中2 農工芸体験学習
3泊4日。都会では味わえない作業・体験の中で、創造することの喜びを実感し、地域社会の生活や文化の理解を深める。班毎に農家に1泊したり、丸一日お世話になることが特徴。
中3 西日本探訪
4泊5日。日本の歴史・平和を学ぶことが目的。学年によって行く場所が変わる。今年は沖縄、以前は広島、京都、奈良など。沖縄では、離島で民泊をし、「海外学校交流」のファームステイとの比較ができるようになることを狙いの一つとしている。
中3・高1 イギリスサマースクール(希望者)
イギリス・ギルフォード13日間。サリー大学にて世界中から集まる学生たちと一緒に英語の授業を受ける。学生寮に泊まり、留学生との交流を深める。これをきっかけにロンドン大学に進学した生徒もいた。
高2 海外学校交流
オーストラリア・ゴールドコースト5泊6日。現地校との交流では2校を訪れ、現地の授業やスポーツを体験し、こちらから生徒が英語で日本紹介を実施。加えて、2泊のファームステイや自主研修やアクティビティ体験などがある。
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事前学習
生徒たちはホームルームや放課後の時間を利用し、現地のことを調べ、しおりとしてまとめます。右の写真は生徒が調べて作ったもの。約20ページのしおりを作った学年もありました。
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プログラム本番
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事後学習
帰国後、生徒たちはレポートを書き、右の写真のような冊子を作成します。日常では体験できないファームステイや現地の人と交流した学校交流の体験が楽しく、今後留学したいと思った生徒もいました。
【生徒のレポート抜粋】
海外の良さに気付くことができて、良かったと思っています。世界にはもっと色々な国があり、色々な人がいて、たくさんの文化がある。そういうものをもっと見てみたいなと思いました。
高輪中学校
[学校HP]http://www.takanawa.ed.jp
〒108-0074 東京都港区高輪2-1-32
☎ 03-3441-7201(代)
最寄駅/都営地下鉄浅草線・京浜急行線「泉岳寺駅」下車 A2出口から徒歩3分。東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金高輪駅」下車 出口1から徒歩5分。