「校内イングリッシュキャンプ」で磨かれる、実践的な英語力
3日間の英語漬けの生活と、オリジナルのスキット作り
昨年開校した東京成徳大学深谷中学校では、国際社会に通用する「実践的英語力の育成」に力を入れています。その代表的な行事、「校内イングリッシュキャンプ」が、8月26日から28日まで行われました。
このキャンプでは、各学年、外部の外国人講師2人を迎えて、3日間英語漬けで過ごします。1年生は「1人でスピーチ」を、2年生は「3人1組でスキット(寸劇)」を課題にし、最終日に、生徒、先生、保護者の前で成果を発表。今回は2年生の様子をお届けします。
2年生は、3日間を校内の宿泊施設で寝泊まりして、リスニングやスピーキングの授業を受けます。ゲームや音楽、スポーツを取り入れたり、講師の先生の母国の文化に触れるなど、内容はバラエティに富んでいます。原則的に英語だけの環境の中で、生徒はスキットに必要な「会話力」を磨いていくのです。そして、2日目の夕方からは3人1組で、オリジナルのスキットを作りはじめます。テーマは「学校生活」でした。
発表会本番では、小物を活用したり、身振り手振りで、みんな見事に演じきりました。物語は、“転校生”や“忙しい友人”などさまざまで、ユーモアでわかせていたグループもありました。
講師のレメディオス先生は3日間をこう振り返ります。「生徒は私を知ろうと進んで質問をしたり、どんどん英語に積極的になっていきました。英語力は高いので、それを生かす気持ちを、これからももってほしいです」。生徒たちにも感想を聞いてみました。「普段使う単語でセリフを作ったのですが、講師の先生に実際に海外で使う表現や言い回しを教えてもらって変えていきました」「3人でセリフのタイミングを合わせるために、話し合いました」「劇が短くなってしまったので、”I like”のあとに”because”を使うなど、会話を加えていきました」と、言い回しやテンポ、そして話の展開の仕方まで学んだようです。
面倒見教育とは、自主性を育むきっかけを与えること
教頭の富岡達夫先生に、スキットを課題にした理由を伺いました。「1年生は1人でしたが、2年生はその発展系の3人1組で協力することを学びます。一つのシナリオにまとめていく過程を見ましたが、各自がきちんと案を出し合っていました。じつは、既存の物語で劇を行う案もありましたが、生徒が自分で作りたいと言い、今回の形になったのです」
生徒たちは1年生の後半から、自主的に“提案”をするようになったそうです。同校の特徴である「面倒見教育」は、手取り足取り教えるという意味ではないのです。「自分で考え、行動し、生きる力を育む。そのきっかけを与えることが、本当の面倒見教育なんです」(富岡先生)
キャンプをはじめとする行事や普段の学校生活の中でまいた“きっかけ”が、自主性という芽を育てたのです。
3年生の修学旅行では、マレーシア・シンガポールで、日本の伝統的な遊びを行うなど、現地の学校との交流が予定されています。
生徒たちも「もっと意志を伝えられるようになりたい」「海外の人が普通に話すスピードに触れたい」と、今から実践的英語力を発揮する機会を楽しみにしていました。彼らの芽が今後どのように成長していくのか、楽しみです。
東京成徳大学深谷中学校
[学校HP]http://tsfj.jp/
〒366-0810 埼玉県深谷市宿根559
☎ 048-571-1303
最寄駅/JR湘南新宿ライン(高崎線)「深谷駅」徒歩25分、スクールバス7分。秩父鉄道「行田市駅」、JR・東武東上線・秩父鉄道「寄居駅」、東武東上線「森林公園駅」からもスクールバスあり。