私学探検隊

“得意”を深め、さらに伸ばす「学園オリンピック」

学園全体で学び、競い合う「学園オリンピック」

英語部門では毎年、洋画のシナリオをもとに、オリジナルの英語劇を作成します。今年は『オズの魔法使い』がテーマでした。

「学園オリンピック」は、全国にある東海大学の6つの付属中等部と14の付属高校が合同で行う学園全体のプロジェクトです。その歴史は古く、今から40年以上前にスポーツ大会から始まりました。その後、90年代から文化部門として数学がスタートし、それから英語、国語、理科、造形、音楽、知的財産、ディベートと徐々に部門が増え、現在は9部門のプログラムで構成されています。
「学園オリンピック」は、さまざまな部門の中で、生徒の得意とする分野を早期に発見し、それをさらに伸ばすことを目的としています。学校や学年に関係なく、誰でも参加資格があるため、毎年全国から、中高合わせて2,000名を超える参加応募があります。その中から一次審査に合格した約170名が、嬬恋高原にある東海大学の研修センターで、7月下旬から8月上旬にかけて5泊6日の学習プログラムに参加し、そこでスキルを磨き合います(音楽・スポーツ部門は湘南キャンパスで開催)。参加費は無料で、同学園の大学・高等学校・中学部・幼稚園の教職員が講師となり、学園が一団となって、各生徒が秘めている能力や才能を掘り起こし、開花させるためのバックアップをしてくれます。

“好き”“得意”をさらに深めより高度なスキルを習得

知的財産部門では、各自のアイデアでF1カーを作成。制作を通して創造力とチームワークを育みました。

各部門の講座は、日ごろの学校生活では体験できない、さらに一歩踏み込んだ内容のプログラムを展開します。例えば英語部門なら、洋画のシナリオをもとにした英語劇を作成。真のコミュニケーション力を身につけるためには、使用する言語だけでなく、感情、表現、動作も大切であることを学びます。
そのほかでは、国語部門では小説・エッセイ執筆、理科部門では嬬恋高原の土地を活かした観察や実験とプレゼンテーション、知的財産部門では、各生徒が考えた一次審査のレポートをベースに、類似特許との違いや実用性を考え、最終的にパテントコンテストに応募できる発明へと進化させるなど、生徒たちの好きなこと、得意なことをさらに深め、より高度なスキルの習得と学ぶことの楽しさを体感することができます。
また、最終日には、優秀な成績を残した生徒に対して、優秀賞・奨励賞・努力賞などが与えられます。さらに、東海大学の関係学部への特別推薦の権利も授与されます。
「学園オリンピック」では、北海道から九州まで、全国14の付属校の中高生が参加します。初日はみんな緊張して参加しますが、同じ分野に興味・関心を持った生徒が集まって来るので、講義を通してすぐに親しくなります。卒業後に同じ学部で再会することも多いそうです。こうした出会いを体験できるのも、全国に複数の付属校がある東海大学の魅力ではないでしょうか。

部門 内容例(年度によって異なります)
国語 ・創作活動 ・作品講評
数学 ・カオスと数学
・多角形と多面体の曲率
・ロボットを動かす ・統計学
理科 ・震災を科学的に検討しよう
・河川の珪藻観察、水質汚染とその色の研究
英語 ・映画「オズの魔法使い」の英語劇とその表現法
造形(芸術) ・森の中のオブジェ作成(野外制作)
・君のTシャツ(相手を理解しデザインをし作成)
音楽(芸術) ・東京交響楽団から審査委員を招いての公開レッスン
・アンサンブル
知的財産 ・F1カー作成 ・商品開発
・シンボルマーク作成
ディベート ・首相公選制の是非
スポーツ ・柔道 ・剣道 ・ソフトテニス ・卓球
・バレーボール ・バスケットボール
・サッカー ・バドミントン ・陸上競技など


約170名の参加生徒(スポーツを除く)に対し、180名の大学教員・中高の教員が対応

東海大学付属相模高等学校中等部
[学校HP]http://www.sagami.tokai.ed.jp/
〒252-0395 神奈川県相模原市南区相南3-33-1
☎ 042-742-1251
最寄駅/小田急相模原駅から徒歩8分。