私学探検隊

「自然に話す」が英会話上達の第一歩 生徒が前向きに話すようになる共栄学園の英語教育プログラム

ネイティブの先生と過ごす英語だけの4日間

共栄学園中学校では英語教育に関するさまざまなプログラムを実施しています。その中でも特徴的なのは、中学3年生が取り組むK-sep(Kyoei Summer English Program)です。これは、特進クラスの生徒全員と進学クラスの希望者が参加する、夏休みを使った英語習得プログラム。生徒を8人ほどのグループに分けて、各グループをネイティブスピーカーの教員が担当。教員と英語でコミュニケーションを取りながら、ゲームや英語劇に挑戦します。ネイティブの教員は普段の授業で教わっている教員ではなく外部講師なので、生徒たちとは初対面。最初は緊張していた生徒たちも、明るいネイティブの先生たちに徐々に打ち解け、積極的に話しをするように。このK-sepは4日間実施され、最終日には練習した英語劇を保護者の前で発表します。本年度は台風による休校で練習が十分に行えず、生徒のみを対象に上演しました。それでも担当したネイティブの教員からは「生徒たちが非常にやる気を持って臨んでいたので、こちらもぜひとも成功させたいという気持ちになりました」と感想が聞かれました。

生徒が英語に親しむきっかけになる

K-sepに参加した中学3年生に話を聞いてみました。まずは岡田大輝くん。「トレジャーハンティングなど、英語によるゲームもあって非常に楽しかったです。特に印象に残っているのは、やはり英語劇です。僕たちの班は『眠れる森の美女』を演じたのですが、男子が女性役を、女子が男性役を演じることになり、僕は姫役を担当しました。先生が設定を面白くしてくれたので、演じていても楽しかったです」と語ってくれました。また岡本鈴音さんは「英語はもともと得意な教科ではあったのですが、英会話となると、スッと言葉が出てこないことがありました。今回K-sepに参加してみて、緊張せずに英語で話せるようになったと思います。特に、きちんとした文法になっていなくても、身振り手振りを交えて話せば伝わるという、コミュニケーションの大切な部分を実感することができました」と振り返ります。「将来に関しては、特に英語を使う仕事に就きたいというわけではありませんが、きっとどんな職業でも英語が必要になるはず。だから話せるようになりたい」とも語ってくれた岡本さん。彼女のような生徒にとって、K-sepはとても意義のあるプログラムになっています。
また、このKsepをより良い体験とするために、春に横須賀の米軍キャンプ近くで日本在住のアメリカ人と交流イベントを開催。バーベキューなどを一緒に行うことで、英会話に親しむ機会を設けています。担当の越間秀男先生は「教室で学ぶ英語も重要ですが、岡本さんの言うように、外国人と会話をするにはコミュニケーションスキルも重要になります。横須賀でのイベントやK-sepは、その良いきっかけになっているのでしょう」と語ってくれました。岡田くんは「もともと英語は得意なほうではなかったのですが、K-sepに参加したことでリスニングの苦手意識がなくなり、直後に受けた英語検定の試験では良い結果が得られました。また10月にはレシテーションコンテスト(英語の暗唱大会)がありますが、それにも前向きに臨めそうです」と、英語への興味喚起や苦手意識の払拭にもつながっているようです。
「浅草などの観光名所で、もっと外国の人とコミュニケーションを取ってみたくなった」とも語ってくれた岡田くん。「ネイティブの人と何日か一緒に過ごして話せるようになりたい」と考えるようになった岡本さん。そんな生徒たちの要望に応えるためにも、新たな英語教育プログラムが生まれるそうです。

K-sepは、これからさらに充実した内容に

K-sepは今年度から新しい内容に生まれ変わります。「中学3年生を対象としたK-sepは、今年度で終了します。そして今年度から中学2年生を対象にスタートするのが、K-sepの内容を盛り込んだイングリッシュキャンプです」と越間先生は語ってくれました。イングリッシュキャンプという名称の通り、成田空港近郊のホテルに宿泊して行う予定。英語によるゲームや劇も体験しますが、航空会社に勤務する外国人従業員とコミュニケーションを図るといった内容も盛り込まれます。「K-sepは特進クラスが中心でしたが、イングリッシュキャンプは中学2年の全生徒が参加することになります」と越間先生。共栄学園の考える英語教育が、今後は全校生徒に浸透していくようです。
また、開催年次が早まることで、その後の展開も大きく広がります。「本校では希望者を対象に、海外研修旅行を夏休みに行っていますが、特進クラスの生徒は夏期講習もありなかなか参加できませんでした。イングリッシュキャンプを2年次に行うことで、海外研修を体験してみたいという生徒が増えるかもしれません」とのことでした。
さまざまな英語教育プログラムが準備されている共栄学園。昨年は高校2年生の生徒が英語検定1級に合格するなど、その成果は確実に出ています。今後はより早い時期から英語プログラムを開始することで、机上の英語だけでなく、英語でのコミュニケーション力にも長けた生徒が増えていくのではないでしょうか。

新プログラム
イングリッシュキャンプ

K-sepで培った英語教育プログラムをさらに発展させたイングリッシュキャンプ。中学2年生を対象に今年度より始まります。外国人指導助手の資格を取得した優秀な外国人教師が各班に同行し、期間中は常に生徒と行動を共にします。舞台となるのは海外の航空会社が経営するホテルで、宿泊客も外国人旅行者やビジネスマンばかり。外国人従業員との会話や、海外航空会社クルーとの食事も英語を使ったコミュニケーションのきっかけになります。海外に行ったかのような環境で、オールイングリッシュのプログラムに挑戦します。

〈主なプログラム〉
●移動のバス内でのレクリエーション
●自己紹介スピーチ
●英語創作劇
●英語でのスポーツ大会
●英語によるゲーム

K-sep 体験
photo gallery

トレジャーハンティング
校内で与えられたヒントを頼りにトレジャーハンティング(宝探し)に挑戦します。探し当てた生徒は、この笑顔!

英語劇の読み合わせ
ネイティブの先生を囲んで、英語劇の読み合わせ。英語を使って、英語の表現を学んでいきます。

iPadで英語劇の確認
英語劇を練習中の生徒たちが見つめているのはiPad。録画した動画を見ながら、演技や発音をしっかりチェック。

紙芝居で発表した『三匹のこぶた』

岡本さん出演の『舌切り雀』

岡田くんが姫役を演じた『眠れる森の美女』

手作りのかぶも好評の『おおきなかぶ』

共栄学園中学高等学校
[学校HP]http://www.kyoei-g.ed.jp/
〒124–0003 東京都葛飾区お花茶屋2–6–1
☎ 03–3601–7136
最寄駅/京成本線「お花茶屋駅」徒歩3分。JR常磐線「亀有駅」からバス10分「共栄学園」徒歩1分。