優しさだけではない、生き抜くための強さを学ぶ 清泉のグローバルな倫理教育
お互いの考えを分かち合いさまざまな価値観を知る
「神の み前に 清く 正しく 愛ふかく」をモットーに、キリストの教えに基づいた教育を行っている清泉女学院では、中高の6年間を通して、週1回「宗教倫理」の授業があります(高3のみ週2回)。今回は、高2の「宗教倫理」の授業を見学させていただきました。
その日のテーマは、“ものの見方”について。ピカソの代表作『ゲルニカ』を題材に、その絵の中に描かれている人や動物、物がどんな状態で、どんな表情をしているかをそれぞれが考えるというものでした。同じ人を見ても「悲しそう」と言う人もいれば、「何かを叫んでいうように見える」と言う人もいて、芸術には作家のメッセージとは別に、見る人によってもさまざまなとらえ方があることを学びました。
「清泉の宗教倫理は、キリスト教の教えだけでなく、諸宗教や思想史、芸術などを通じて、さまざまな価値観に触れていきます」と話すのは、倫理科主任の小野浩司先生です。
「一般に倫理というと、講義型の授業になりがちですが、清泉ではさまざまなテーマを取り上げながら、知識や根拠、客観性や論理性をもって自分の考えをまとめ、他者に分かるように伝える力も伸ばしています。」
心を育てる教育から体験型・課題解決型学習へ
下の図は、清泉の6年間の倫理・宗教教育についてまとめたものです。中学生では、清泉生として祈る心を身につけることから始まり、聖書やキリスト教の教えを通じて、自己を見つめ、自分の命の価値を知り、自己肯定感を高めると同時に、他者を大切にする心を養っていきます。
高校生では、キリスト教的価値観だけでなく、戦争と平和について考える修学旅行(沖縄または長崎)をはじめ、さまざまな体験型の学習を通して、世界とつながる心を学び、より豊かな感性を育てていきます。
「これからの社会に出ていく上で、優しさだけではなく『強さ』を身につけて欲しいと思っています。社会で貢献する人になるには、自ら学び、考え、それを伝えるコミュニケーション力や課題解決力がなければ、理想だけで終わってしまいます。清泉では、心を育てる教育を行うと同時に、異文化や愛、差別、死などさまざまなテーマについて考えるグループワークなどを通じて、同世代の仲間と語らうことで、コミュニケーション力や課題解決力を育成しています。」(小野先生)
講義型の授業からアクティブラーニングへ。キリスト教に基づく“真の愛”を育みながら、今を生きるために必要な力を伸ばす。それが、清泉が目指すグローバルな倫理教育です。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
清泉女学院中学校
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