理系大学の進学実績も躍進中。〝本物に触れさせる〟、これが中学理科の教育の真髄
2010年に「新学習プログラム」をスタートさせ、高2で「受験コース・理系」「受験コース・文系」「推薦進学コース」の3コースに分けるなど、他大学受験にも力を入れる明治学院。大学進学では文系の実績に定評のある同校ですが、近年、国公立大や早慶上智、GMARCHの実績が伸びているのはもとより、とくに目を引くのが理系コース(3分の1が女子)の躍進ぶりです。そこで今回は、その前段階にあたる中学での理科の学びについて、募集入試主任の安達薫先生にお話を伺いました。
中学の理科は〝本物に触れる〟機会にあふれている
同校には中学に2室、高校に4室と、計6つもの実験室があります。
とくに中学では教科書で知識を学ぶだけでなく、半数近くの時間を実験や観察に当て、五感に染み渡るような体験型の授業が展開されています。顕微鏡も一人に1台が割り当てられますが、最近、20年ぶりに最新式のものに入れ替えました。
学年ごとに行われる校外学習も、30年近く続く伝統あるものです。たとえば中2では多摩動物公園に行き、中3では神奈川県の三浦半島にある城ヶ島へ。
「最近は虫が嫌いな子どもも多いですし、自然に触れる機会が減っています。ですから、動物公園では飼育員の方から話を聞きながら実物に触れて〝動物の見方、再発見〟になればと思っています」と安達先生。
そして、中3で訪れる城ヶ島ですが、ここは理科の教科書にも写真が載るほどの、日本有数の地層観察スポット。約1000万年という長いあいだに堆積した地層が、島のいたるところに露出している場所です。
「城ヶ島は海岸段丘で、多様な堆積構造や特殊な地形を見ることができますので、授業ではなかなかわかりにくいことも、実物を見ることで理解が深まります」
校外学習のあとはレポートも作成しますが、単なる理科の学習にとどまらず、城ヶ島のフィールドワークであれば、太古の地球に思いを馳せたり、〝不思議〟に魅了される機会にもなっています。このように、〝本物に触れさせる〟大切さを知っている同校は、同時に、その先を見据えた教育姿勢を貫いているのです。
〝武蔵野の里山〟を再現。来年、ビオトープが完成予定
校外のみならず、5万6000m2という広大な校地自体も理科教材の宝庫です。松や桜などの木々はもちろん、春の七草や7~8種類に及ぶ苔も。また、広島や長崎で被爆した木の二世のアオギリやクスノキもそっと佇むなど、そこにある自然だけではなく、歴史に因んだものも同校にはさり気なく存在しています。
そして、その広大な校地の中で手つかずだったところを、来年からビオトープとして活用する予定です。
「水の流れをつくり、カブトムシが好む樹液を出すクヌギや、鳥のために実のなる木を植えようと思っています。授業で活用するのはもちろんですが、ホタルを飛ばしたり、水稲作りなどもできますので、科学部の生徒たちも楽しみにしています」
このビオトープには、“武蔵野の里山を再生する”という思いが込められていますが、武蔵野の里山といえば、アニメ映画『となりのトトロ』の舞台背景にもなったところ。
「ひと昔前までは、このあたりにもカブトムシなどが採れる雑木林がけっこう残っていたのですが、今は宅地になってしまい、里山はほとんどなくなっているのが実情です。ですから、校内に再現したいのです」
何事につけても押しつけるのではなく、機会と場を設けて生徒自身に問いかけるのが同校の姿勢。一度足を運び、堅固で確かな教育が展開されている同校の空気を、ぜひ実感してみてください。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
明治学院中学校
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