「教える」から「導く」へ。「教わる」から「自ら学ぶ」に
今年の4月から校長に就任した大久保靖先生のもと、知識を積み上げる学習から、自ら探求する主体的な学習へと変革を進めている東京電機大学中学校。〝今〟と〝これから〟について大久保校長にお話を伺いました。
「僕自身が、キャリアの育成にずっと興味をもっていました。この日本の教育の転換期に校長に就任し、どうすれば中・高生が主体的に未来を切り開いていく力をつけられるのかを熟考し、学校教育の基本である授業の質をより高めることからスタートを切りました」と、大久保校長。さらに、「授業から得られる学力や知識の『学問知』と、それをアウトプットするときに不可欠な『経験知』。この二つを合体させることで、道が見つけられると思っています。今の生徒に必要なのは、主体的に考え、多様な価値観を学んでいくこと。自分の考えをプラス思考で提案できる力も必要です。それらは教え込まれてできるものではないので、生徒は『教わる』から『自ら学ぶ』に、また教師も『教える』から『導く』といったスタイルに変わっていきます」
目的を明確にしながら、効果的にアクティブ・ラーニングやグループワークなどを取り入れている同校。「生徒自身が考えをまとめ、発言する授業を、すべての教科で増やしていきます。ただし、思考力や判断力を身につけるのに必要なのは知識であり、技能です。日々の授業内容を定着させていくことが大切。毎日の宿題のほか、頻繁に確認のテストを行い、合格点に満たない場合は何度でも再テストを行います。思考力や判断力などは知識があってはじめて身につくものです」(大久保校長)
文系にも〝必須〟の「理系的センス」を磨く
「現代では文系の学部であっても、情報処理の力や技術をもっていないと研究は進みません。経済学や経営学、法学や政治学、社会学など、さまざまな分野で統計的な学問が必要になり、ITの技術が必須の能力といわれています。わが校では中1から『情報教育』を行っており、また、理科の実験や観察をとおしてエビデンス(証拠)をもとに自分の意見を組み立てるなど、論理的思考能力などを育成してきました。文系に進む生徒も多くいますが、学びは役に立っています」(大久保校長)
将来の学びに役立つのはもちろん、同校には文系・理系を問わず、未来を生きていく受験生のみなさんの好奇心を満たす授業や体験学習が数多くあります。中3では一年かけて卒業研究が行われます。
「学年横断型」の学習ゼミが来春からスタート
中2~高2がグループ研究を行う「TDU 4D-LABO」は、大学のゼミをイメージした新しい協働ゼミです。発想や知識も違う、年齢を超えたメンバーが、ひとつのグループで協力しあいながら研究を進めることが大きな特徴です。「研究は実験や観察などに限らず、社会調査や創作活動など、生徒が興味をもつことなら何でもいいのです。下級生は上級生から刺激を受けたり、上級生も下級生に教えることで学びを定着させたりと、わが校が目指す5つの力、『視野の広さ』『冒険心』『専門性』『共感』『向上心』を身につけることが目的です」
新しい学びに期待が寄せられます。
「興味関心のあることを調べたり、不思議だな、どうしてこんなふうになっているのかなと、知的好奇心の旺盛な子は入学後も伸びていきます。挑戦する心があれば、多少の困難も乗り越えられます。ぜひ、一緒に学びましょう」(大久保校長)
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
東京電機大学中学校
[学校HP]http://www.dendai.ed.jp/
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☎ 0422-37-6441
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