教科の枠を超え、協働で課題に取り組む 実体験に基づいたリアルアクティブ・ラーニング
「生活即教育」を実践し、現場での学びを重視
自由学園は、「生活即教育」という理念のもと、実生活のすべてが勉強であると考え、独自のアクティブ・ラーニングを実践しています。同校の取り組みについて、男子部中等科・高等科部長の更科幸一先生と女子部中等科・高等科部長の佐藤史伸先生にお話を伺いました。
「アクティブ・ラーニング型授業というと、特定の教科の中で取り組みを行うイメージがありますが、本校は“生活すること自体が学び”という考え方ですから、生活の中で既にアクティブ・ラーニングが実践されています。プロジェクト・ラーニングもその中のひとつです」と話すのは佐藤先生。プロジェクト・ラーニングとは、さまざまな教科を連携してひとつの課題に取り組むもので、2年に1回「学業報告会」を開催し、成果を発表します。女子部での取り組みの例を挙げると、中3では力学を題材にした「ジェットコースター」について調べました。7~8名のグループに分かれ、実際に遊園地へ出かけて乗ってみたり、制御装置の工場を見学したりして、机上だけではない、現場での学びに力を入れました。そして、学業報告会では、その成果を1グループにつき30~40分のプレゼンテーションで発表しました。「教員主導ではなく、生徒たちが主体的に動いて、課題解決力を養います。また、一定期間、集中して課題に取り組むことで学びを深めています」(佐藤先生)。
社会を知ることで自分を知るカンボジア研修や被災地訪問
一方、男子部では希望者を対象とした10日間のカンボジア研修旅行を実施。この研修では、現地の児童養護施設の子どもたちとの交流などを通じて、生きること、命のこと、心の豊かさなどについて考えます。「日本は物質的に豊かですが、それが本当に幸せなのかどうかはわかりません。現地の子どもたちはとても純粋な笑顔で、贅沢のできない環境でもよく勉強もしています。彼らとの触れ合いにより、自分にとっての心の豊かさとは何かを見直す機会になってくれたら」と更科先生。
また、国内では、東北や熊本の被災地への支援活動も行っています。ここでも現地の人に話を聞き、仕事を手伝い、実体験の中で、学びを深めます。「参加者は後日学校でプレゼンテーションし、他の生徒たちにも体験を共有します。プレゼンテーションは男子部と女子部が合同で行う場合もあり、男子部の話を聞いた女子部の生徒が自分たちにもできることを考えるなど、よい意味での影響を与え合っています」(更科先生)。貴重な体験が生徒たちに「気づき」を与えてくれるようです。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
自由学園 男子部女子部 中等科
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