「進路=仕事」への具体像を提示して、 学習意欲を高めるキャリア教育
「仕事」の現場を体験し、進路への関心をアップさせる
難関校への進学率が高い同校は、出前授業や企業訪問、校外研修など、中学3年間をとおしてさまざまなキャリア教育を行っています。「仕事」の現場に触れて、生徒たちに進路への関心を促すことが狙いです。
そのコンセプトは、現場体験を重視すること。さまざまな企業・会社に依頼して行う「出前授業」では、実験やディスカッションなどを交えた現場感のある内容が多く、生徒たちのまなざしも真剣。「〝仕事・働く〟ことを漠然としたイメージで捉えていた生徒たちが、キャリア教育の体験で達成感や苦労を知り、〝仕事〟へのイメージが変わったという声をよく聞きますね」(キャリア教育担当の木本渉先生)
週1回のロングホームルーム(1時間)はディベート、ディスカッションに費やすことも多く、チーム別で仕事の内容を調べたり体験したりしたことを、毎年9月の「きりぐるま祭」(文化祭)で発表しています。
「情報化社会を生き抜いていくために、情報処理能力を高めることも重要です。しかし、思いつく・気づく・考えつくといった創造性、他者と意見を交換し認め合うコミュニケーション能力など、コンピュータにはできない人間力を養うことは、それ以上に重要なことだと思います」
中高一貫教育の6年間で夢を実現する力を蓄える
同校のキャリア教育は、創立2年目から始まっています。当初から進路指導の重要性を認識し、さまざまな進路=仕事を知ることによって、生徒自身のキャリアに対する学習意欲を高めることにつなげてきました。
「できるだけ本物に触れる機会をつくり、生徒たちに仕事=将来について考えさせます。そこから進むべき道を見つけ、6年間で生徒自身がその夢を実現する力を蓄えていく。そのきっかけを提供することが大切だと考えています」(小林玉枝校長)
多感な時期に将来のことを学び、考え、人生にはさまざまな進路(選択肢)があることを知って、進むべき道(夢)を探し、進路選択をする。「こうした試みができる教育こそ高校受験のない中高一貫教育のメリットであり、私立校の魅力ではないでしょうか」(木本先生)
同校の教育理念は、現代社会を生き抜く「人間力」を醸成することです。自分の魅力や特性が生かせる職業に就いて、社会貢献ができる人材に育ってほしい。その願いを託したキャリア教育は、同校の根幹にある精神と表裏一体のものなのです。
きりぐるま祭で学年ごとに調べ発表!
企業訪問や調べもの学習など、キャリア教育の成果を発表する準備に大忙しの生徒たち。
「自分史」づくりで自分を見つめ直し、「職業調べ」で仕事への関心を高める
最初のキャリア教育は、「自分史」づくりから。自分自身を振り返って見つめ直すことから始めます。生い立ちや好きなもの、趣味など、写真やイラストを使いながらB4サイズの紙にまとめる「自分史」です。
次に、広い範囲での職業や分野を知ることを目的に、5人1組のチームに分かれて「職業調べ」を行います。ある住宅メーカーの「出前授業」では、素材の耐熱実験が行われたことも。さまざまな職業体験や校外研修などで、働くことの意義を楽しく学びます。
「企業訪問」などで“働く”現場を体験。仕事の魅力や、やりがいを学ぶ
2年生は、実際に働く人々がいる現場に出かける「企業訪問」を行います。医療班・教育班・メディア班などさまざまなチームごとに一人2~3カ所の企業を訪問。実際の現場を見て、その仕事の魅力や大変さも実感する体験です。
訪問現場も企業だけでなく、官庁や病院、新聞社、テレビ局など多岐にわたります。訪問後は、パワーポイントなどのプレゼンテーションツールを使いながらレポートを制作。きりぐるま祭で「企業訪問発表」を行います。
「大学見学」で、具体的な進路選択への意識を高める
大学受験は、将来の職業選択に直結する最初の関門でもあります。大学へスポットを当てた指導の一貫として、学年全体では筑波大学に、希望制で東京大学、早稲田大学、群馬大学の見学を実施します。
きりぐるま祭での発表テーマは、「大学での学問研究」と「進路選択」です。大学での勉強がどのような職業・分野につながっていくのか、必要な学問や資格は何かなど、学問と職業のつながりを調べていきます。その過程で大学進学という具体的な進路イメージをもち始める生徒も少なくありません。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
本庄東高等学校附属中学校
[学校HP] http://www.honjo-higashi.ed.jp/
〒367–0025 埼玉県本庄市西五十子大塚318
Tel. 0495–27–6711
最寄駅/
スクールバス:JR湘南新宿ライン(高崎線)「岡部駅」から8分、森林公園、妻沼、藤岡、伊勢崎、籠原からあり。