宗教の授業でさまざまな価値観を知り 偏りのない学びを身につけていく
仏教を中心にあらゆる宗教を幅広く学び、視野を広げていく
国府台女子学院は「いのちとはなにか?」というテーマで週に1回の宗教の授業を行っています。宗教科の村上泰道先生に話をうかがいました。
「授業では、仏教の開祖ブッダと、浄土真宗の開祖である親鸞聖人の生涯をテキストとして仏教史や仏教哲学を学んでいきますが、同じ世界宗教であるキリスト教やイスラム教、東洋・西洋の哲学、また脳死・臓器移植問題や宗教間紛争といった社会問題も取り上げることで、偏りのない思考を育むことを目標としています」
中学1年次には、ブッダの一生や仏教行事について学びながら、「智慧」と「慈悲」の精神に触れていきます。2学期後半からは「旧約聖書」に触れながらキリスト教とイスラム教も学び、世界の人々の価値観や歴史・文化を学習していきます。
中学2年次は、ブッダとキリスト教の死生観の違いを学びつつ、脳死・臓器移植についてグループで話し合いが行われます。死や、自己の存在について深く考えながら、生きることの意味やいのちの大切さを学んでいきます。また、日本の神話や神道についても学びを展開し、日本神話と日本文化の関係性について学びます。
中学3年次の2学期からは、京都・奈良の修学旅行に向けて、大きなモニターを使用して仏像の歴史や製作技法、種類や装飾の細部まで学び、日本の仏教美術がどのように発展してきたのか知識を深めます。修学旅行では、本願寺の書院や飛雲閣など、ふだんは目にできない文化財に入り、本物を見て学びます。生徒からは「事前に仏像の見方のポイントを勉強したので、楽しく観察することができた」「仏像を目の前にして、仏師や当時の人々の思いを感じることができた」といった感想も。仏教文化への理解の深まりを実感することができます。
世界の時事問題も関連づけながら偏見を持たずに価値観を増やす
授業では毎回、本題に入る前に宗教科の教師による簡単な法話が行われます。テーマは国内外の時事ニュースから身近な話題まで。浄土真宗の教えを楽しみながらわかりやすく学ぶことができます。
高等部では、より深みを持った仏教哲学を学びつつ、「善悪」や「生と死」といったテーマについてグループで話し合いも行います。中高6年間の宗教教育を通じて身につけてほしい力について、村上先生は「世界中のあらゆる時代・地域の価値観を知り、他者に対して偏見を持たず広い心で接する姿勢を育んでもらいたい。自分の可能性を信じ、どんなことにでも興味を持ってチャレンジすることによって、自分の可能性(将来への選択肢)を増やしていってほしいですね」と話してくれました。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
国府台女子学院中学部
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