私学探検隊

“4兎を追う”教育改革が続行中。中学「医学クラス」の実態に迫る!

「〝4兎〟(※1)を追う骨太な人間を育成」する教育改革が始まって3年目。昨年には過去最高の大学実績を出し、改革はさまざまな場面で実を結びはじめています。そして今年、新校舎が完成、リオデジャネイロ五輪(※2)や大相撲では多数の卒業生が大活躍と、多方面から追い風が吹いていますが、今回はそんな同校の、今年設置された中学の「医学クラス」についてご紹介しましょう。

〝骨太な医師〟になるための意識・基盤づくりを徹底重視

学校説明会ではプレゼンも

学校説明会ではプレゼンも

「将来へのストーリー・イメージを早くからつくってほしいのです」と、校長の佐藤光一先生は医学クラスを設置した意図を語ります。
「医師に限らず、さまざまな体験をとおして将来の生き方やあり方に自ら目覚めることが肝心で、職業はその先にあります。目的意識がないまま〝やらせられ感〟で物事にあたっても意味がありません」
つまり、医学クラスは「4兎を追え」を推進する同校の象徴ともいえるもの。単なる大学医学部への〝レール〟ではなく、人間力を培いつつ、真の志望を見出す〝動機づけ〟と〝環境〟を供することに大きな意味があります。〝思い〟をもってこそ、大きな視野に立てるというわけです。
「言わば〝教育の原点回帰〟です。医師になるためのクラスですが、まだ中1ですから途中変更もあるでしょう。それでいいのです。勉強ができるから、親御さんが医師だからという理由ではなく、〝憧れ〟や〝思い〟が根底になくてはいけません。ですから、医師にはとくに必要な使命感や責任感、倫理観などを培う取り組みに力を入れています」

「医学クラス」の学習は、他クラスとはどう違う?

医学クラスの1期生11名のうち6名は都内から通っていますが、中学段階で〝医学〟を銘打つクラスを設ける学校は少ないため、全国から問い合わせがあるそうです。
◆通常授業のカリキュラム
基本的に難関大クラスと同じカリキュラムで学びますが、英数国の3教科は単独で実施。先取りだけではなく、高いレベルで深く学んでいきます。
今年の夏休みには、帝京大学の医学部で「DNA抽出実験」なども体験しました。
◆選択授業「第二外国語」
高校では、10時限目まで選択授業を用意。そのなかで第二外国語(仏・独・西・中・韓)だけは中高一緒に実施されますが、〝世界に貢献する〟ためにも、医学クラスの生徒は選択するよう指導されます。
◆オーストラリアでも医療体験
オーストラリアへの修学旅行(中3)では、他クラスの生徒はファームステイを体験しますが、医学クラスの生徒は現地の医療関係者宅にホームステイをし、仕事先も見学させてもらう予定です。
「さまざまな体験を通じて、モチベーションを高めて自ら貪欲に学び、日本に限らず世界に貢献できる〝骨太な医師〟が本校から何人かでも育ってくれればと思っています」

朝から晩までフル活用できる、〝器〟も〝中身〟も充実の新校舎

 全方向から太陽の光が降り注ぎ、3400人を収容するダイナミックな新校舎。一辺が約100mのロの字型の普通教室棟には、中学の教室13室と高校の教室69室、演習室3室が入っています。ここで目を引くのは、広い廊下の壁が一辺ごとにイエロー、ピンク……と変わること。新入生や来校者が迷子にならないようにとの優しい心配りです。
 普通教室棟の「ロ」の字の中央には、特別教室棟があります。そこには、約200人の専任の先生方がいる職員室や700席ある食堂なども。普通教室棟と特別教室棟の間の中庭をはじめ、段違いになった各階の屋上庭園やテラス、ラウンジスペースなど、緑にあふれたリラグゼーションスペースもたっぷりと配されています。

食堂は7:30~20:00(月~土)利用可能で、夜も大賑わい。自習室もあるが、ここで勉強する生徒が多いのだとか。「リビングにいる感じで、友達同士で教え合っています。これは予想外でしたね」(佐藤校長)

 
※1 4兎とは「勉強」「部活動」「学校行事」「他を思いやる心」のこと
※2 リオ五輪には、同校の卒業生7人が出場。男子体操の山室光史君・加藤凌平君(団体金メダル)、競泳の瀬戸大也君(銅メダル)、ウエイトリフティングの三宅宏実さん(銅メダル)・安藤美希子さん(5位入賞)、クレー射撃の中山由起枝さん、水球の志水祐介君。大相撲九月場所では、卒業生の大関・豪栄道関が初優勝

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

埼玉栄中学・高等学校
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