先輩・後輩のつながりを深める数学科合同授業
中2から中1へ勉強のノウハウを伝授
本郷中学校・高等学校では、「文武両道」「自学自習」「生活習慣の確立」という3つの教育方針を柱に、次世代のリーダーとしてふさわしい男子を育成しています。今回は、中1と中2の数学科合同授業について、入試広報部長であり、数学科教諭の野村竜太先生にお話をうかがいました。
「この授業は年に3回ほど行っています。1回目は中1が入学して初めて受ける中間テストを前に、その心構えや勉強の仕方を中2の生徒がアドバイスします」と野村先生。同じ出席番号の生徒同士がペアになり、1年間を通じて同じペアで授業を行います。アドバイスする側の中2の生徒の個性はさまざまですが、それぞれが1年前の自分を思い出し、「もっとこうすればよかった」など、自分の経験に基づいた話をするので、中1の生徒にとっては、どの生徒とペアを組んでも得られるものがあるようです。そして、中2の生徒にとっても、伝えることの難しさを学んだり、自分自身を見直すよい機会となっています。
第1回の授業を終え、参加した生徒全員が感想を書いて提出しました。中2の生徒の一人は、「1年生は僕が想像していたよりも問題を解いていて、アドバイスがしやすかった。去年先輩に教わったように、自分も後輩に教えることができて、とてもよかった」と述べ、先輩という立場になったことを実感していた様子。また、教わった側の中1の生徒の一人は、「定期考査の問題の内容だけでなく、テストを受けるまでの生活や当日のことも知ることができ、この1時間を有意義なものにできた。数量、図形においての時間配分なども聞け、先輩方にいろいろ教わり、テストに対する不安が減った」と綴っており、部活動などとはまた違った先輩との関係づくりの第一歩を踏み出せたようです。
「学年末に行う合同授業の最終回では、中1、中2の両方に同じ問題を解かせます。例えば、関数の問題の場合、中1の生徒はまだ算数の解き方で解こうとしますが、中2の生徒はどんどん方程式を使って、あっさりと解いてしまいます。こうした解法の違いについて学ぶことも合同授業の目的のひとつです」と野村先生。学年末を迎える頃の生徒たちの成長が楽しみです。
学校生活のさまざまな場で先輩を意識し、学ぶ
同校では、「本数検(本郷数学基礎学力検定試験)」という独自の数学検定試験を行っています。この検定では、学年の垣根を超えた共通問題が出題されるため、先輩たちは「後輩に負けたくない」、後輩たちは「先輩より上を目指したい」といった競争意識が生まれます。また、同校では、数学に限らず、全教科に渡って、先輩・後輩のつながりを大切にしています。「例えば、英検の3級以上で実施される二次試験対策では、既に級を持っている先輩が試験官役を務めますが、合格率は先生が試験官役をしていた頃と変わらない数字が出ています」と野村先生は話します。先生よりも先輩のアドバイスを聞いてやる気になる生徒もいるなど、同校では、先輩の姿勢を見習うことを意識させることにより、生徒たちのチャレンジ精神を培っています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
本郷中学校
[学校HP]http://www.hongo.ed.jp
〒170-0003 東京都豊島区駒込4-11-1
Tel.03-3917-1456
最寄駅/
JR・都営三田線「巣鴨駅」徒歩3分。
JR・メトロ南北線「駒込駅」徒歩7分。