私学探検隊

視覚効果を意識した授業で 興味を高め、理解を促進。 苦手を早期発見・フォローする手厚いサポート

「生徒と先生の距離が近いことが立正の良いところ!」と生徒が口をそろえる立正大学付属立正中学校(大田区)。就任3年目を迎えた大場一人校長のもと、“チーム立正”として、担任の先生はもちろん、授業を受け持つ教科の先生、時には普段授業では教わっていない教科の先生方までもが連携し、複数の目で生徒一人ひとりを見守り関わる体制が築かれています。
先生方は生徒たちへどのように接しているのか。日常の授業の取り組みや手帳を活用した自己管理の指導について取材しました。

理科:ICT機器活用 写真を拡大して見たり、動画で動きを確認したり。生徒の想像力を手助けすることで、理解度を高める

松本先生 理科の授業では、その単元で扱うものの写真や動画を、電子黒板に投影して見せることが多いです。教科書の写真では見づらい細かい部分も拡大して示すことができますし、立体のものは立体的に、動きのあるものは実際に動かして見せることができるので、生徒たちも具体的なイメージをつかみやすくなっていると思います。例えば、中1の植物の単元では、植物を鉢から引き抜く作業をし、根の部分を拡大映写して観察しました。個人やグループで観察を行っていた時は、見るべきポイントがずれてしまうこともありましたが、電子黒板に拡大したものを観察することでクラス全員の共通経験になり、知識としても土台がそろうのです。説明文を読んだだけで実際の様子を想像できる生徒と、それが苦手な生徒とでは、同じ授業を受けていても理解度に差がでてしまいます。ICT機器を使って写真や動画を見せることで、想像することが苦手な生徒の想像力を引き上げ、理解を深める手助けができていると感じています。
また、高校の理系の授業で、細胞の仕組みを説明しているアメリカの研究機関の動画を見せたことがありました。教科書内の英語名表記を頼りに、海外の動画の内容をおぼろげながらも理解できた体験は、生徒にとって大きな刺激になったようで、「最新の情報を調べたらこういう説があった」「この大学の研究室で同様の研究をしていた」など、自らすすんで調べる生徒も出てきました。これからも、生徒の理解を助ける良質な素材を国内外問わず探して提供し、彼らの興味関心をさらに高めていきたいです。さらに、生徒自身が調べたことや実験結果などを、スライドを使って発表する機会も増やしていきたいと考えています。

国語:ICT機器活用 デジタル教科書の活用で、自然と顔を上げて聞く姿勢に。板書量が絞られ、授業のポイントもわかりやすく

竹内先生 国語では、デジタル教科書を電子黒板に映して授業をしています。題材の内容に関する説明動画を見せることで興味を持たせ、授業の導入にすることが多いです。
教員としては、教科書の文章を板書しなくても解説に入れるようになり、重要なポイントだけを電子黒板に書き込むようになりました。その結果、「先生が黒板に書いている箇所=重要ポイント」というように、国語が苦手な生徒にとっても、より要点がわかりやすい授業になっていると思います。生徒たちの反応を今まで以上に細かく見ながら授業ができるようになり、授業後の個別の声かけなどもしやすくなっています。

数学:週1回15分の計算特訓 苦手な生徒を早期発見し、徹底的にフォロー「数学嫌い」を「計算はできる」へ

朝倉先生 週に1度、授業の15分を使って7問の計算テストに取り組むのが「計算特訓」です。正解が3問以下の場合はその日中に放課後追試があり、合格するまで追々試や補習が待っている仕組みになっています。追試や補習は、普段授業を受け持っていない数学科の教員も総出で対応し、メリハリを持って指導に当たっています。取り組みを始めて3年で、模試の計算分野で全国平均以上や、力負けしない点数をとれるほど、計算力の底上げができてきました。
また、採点結果は担任から返却するため、数学で苦戦している生徒や実力をつけてきた生徒の状況を、授業担当者と担任の双方が把握できます。担任の先生方も、学習面談の指導資料にしたり、生徒を褒めるきっかけにしたりと連携・活用が深まっています。

手帳を活用した自己管理 記録力、継続性、計画性・・・学年によって段階的に自己管理力をアップ

朝倉先生 手帳に計画を立てられる生徒は、学習姿勢に余裕があり、その結果が成績にも表れる傾向があります。最終的に全生徒がそうなっていけるよう、中1はまず1日の記録をきちんとつけること、中2で1週間の計画立案、というように段階を踏んで指導しています。中3にもなると、男女問わず、きちんと活用できている生徒が増えてきますね。
また、手帳は生徒と担任とのコミュニケーションツールの役割も担っています。生徒たちが本音の相談事を書けるよう、細かく指導しすぎずに、担任の我々も楽しむ気持ちでやりとりをしています。

ICT機器を使った授業風景

デジタル教科書で漢字の書き順を拡大表示、空で書き順をなぞって確認します

デジタル教科書で漢字の書き順を拡大表示、空で書き順をなぞって確認します

 

算数への「苦手・嫌い」な意識を
「計算ならできる」の自信に変える計算特訓

立正の数学の授業は習熟度別授業で行っていますが、「計算特訓」は全クラス共通問題で得点結果も掲示されます。計算が苦手な生徒ももちろんいますが、投げ出さずに食らいつこうとする姿勢の生徒も多く、追試の常連からきっかけをつかんで、満点が取れるようになる生徒もたくさんいるのだとか。
「2020年大学入試改革で、『文系だから』と理数科目を切り捨てできない可能性もある。計算力の土台をつけて希望の進路へチャレンジできるようにしたい」(朝倉先生)

 

スケジュール手帳を活用した自己管理
中1の最初は、クラブ活動に出ていた時間に「勉強していた」と書いてしまうなど、1日の活動の記録を正確につけることさえも大変だった生徒も、中2・中3と進級していくうちに手帳に書く習慣ができ、先の計画と実際どうだったかの結果の両方を記録して、自己分析ができるようになるそうです。
「中学で身につけた手帳活用の習慣や提出物の期日を守る意識は、高校生になってからの大学入試へ向けた準備にも大いに役立ちます。その先、社会に出て仕事をしていく面でも、身につけておきたい力です」(松本先生)

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

立正大学付属立正中学校
[学校HP]http://www.rissho-hs.ac.jp/
〒143–8557 東京都大田区西馬込1–5–1
Tel. 03–6303–7683

最寄駅/
都営浅草線西馬込駅西口下車 徒歩5分
東急バス(反01/02)立正大学付属立正中高前停留所下車 徒歩2分
東急バス(森02)長遠寺前停留所下車 徒歩6分

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