苦手意識を払拭し、知的好奇心を 刺激する理数教育を展開
体験重視のアプローチで理数科目の苦手を払拭
70%、これは田園調布学園中等部における入学時点で数学への苦手意識のある生徒の割合です。しかし、この数字は中学1年生の10月の調査において13%まで下がるというデータが出ています(※現中2学年への調査による)。数学への苦手意識をこれだけ緩和できた背景には、どのようなフォロー体制があるのでしょうか。数学科主任の長岡先生は、「体験重視の指導によって、理数科目の面白さを感じてもらい、苦手意識を払拭するよう数学科の教員一同で徹底しています。例えば、文字式に具体的な数値を当てはめて例示したり、図形を実際に立体で見せたりといった抽象的な概念を具体化するような工夫を日々の授業で行います。」と話されます。
また補習については、定期テスト後だけでなく、テスト前も実施しているのが同校の特徴です。テスト前にしっかり苦手を克服することでよい結果を出し、それが自信となって数学への苦手意識を払拭していけるとのことでした。
2017年春の卒業生のうち約半数は理系学部に進学。そのうち筑波大学医学群医学科に進学した生徒も、小学校時代に算数が苦手だったそうです。同校の取り組みが生徒の可能性を広げることになっていると言えるでしょう。
理数科目への知的好奇心を刺激する
同校では、更に生徒の知的好奇心を駆り立てるために、様々な取り組みを提供しています。
興味関心に応じて選択する土曜プログラムでは約170の講座があり、プログラミングなど理系分野だけでも約50講座もあります。今年から教科横断型の授業も試行しており、「総合物理」では、物理の実験結果を数学の統計分野の知識を使って検証しました。理科の入先生は、「教科横断型授業は、ある教科で得た知識を他の教科に絡めることで応用力を養うことが狙いとしてあります。次期学習指導要領の改訂に先立つという意味で今回は統計学との合教科授業を実施しました。」と話されます。
また、各種コンテストやイベントへの参加も奨励されており、東京理科大学主催のグローバルサイエンスキャンパスでのポスターセッションでは2名が金賞を受賞し、今年度も11名の生徒がチャレンジするようです。
問題解決能力のある生徒を目指して
なぜここまで、手厚く理数科目のフォローをしているのか。「理系でも文系でも学校として生徒に身につけてもらいたい力のひとつに問題解決能力があります。特に多様な人と協働する社会において、問題解決をするには、相手に伝わるよう論理的に話を組み立て、表現する力が求められます。その力の育成に、理数科目で解法を組み立てることが大いに役立つと考えています。」と長岡先生。このように教科教育の先にある目的が学校として明確だからこそ、先生方が一丸となって生徒に理数科目の面白さを伝える意識を持てるのではないでしょうか。田園調布学園の理数教育の今後に更に期待です。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
田園調布学園中等部
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