未来を見据えたアクティブ・ラーニング“AIL”。 学年の枠を超えた新しい取り組みがスタート!
学年を縦割りにし、協力しあって調べ学習
「アクティブ・ラーニング」が注目されているいま、本庄東高等学校附属中学校で新しい試みが始まったとのこと。広報担当の松澤充隆先生にお話を伺いました。
「本校ではアクティブ・ラーニングを“AIL”と名付け、新しい学びに取り組んでいます」(松澤充隆先生)
“AIL”とは、「Advanced Interactive Learning(アドバンスド・インタラクティブ・ラーニング)」の略で、「教科・学年の枠を超えて対話型のまとめ学習を実施し、論理的思考力や表現力を養う」といった意味です。“AIL”には3つの注目すべきポイントがあります。「まず1つめは知識を身につけるだけでなく、思考力・表現力・論理を組み立て、表現する力を身につけること。2つめは教科を横断する学びで、3つめが学年を縦断しての学びです」と松澤先生は言います。
とくに、3つめの「学年を縦断しての学び」は今年から始まったプログラムで、同校の“AIL”を象徴するものといえるでしょう。これは、学年の枠を超えたグループが一つのテーマに沿って調べ、模造紙に表現し、最終的には投票によって優秀作を決めるというものです。
まず各学年1組ならば1組、2組ならば2組といったように縦割りにして、クラスごとに分かれ、さらにその中で班を作ります。そして、テーマに従って、学年を超えて協力し合い、調べ学習を行います。
第1回の今年の大テーマは「エコ」。さらに小テーマとしては「エコカー」や「リサイクル」「温暖化」「食品ロス」「節電」「生物濃縮」など9つあり、生徒たちは自分が興味のある小テーマを選び、グループ(班)を作ります。なお、各学年で役割が決まっていて、中3は社会科的側面から、中2は理科的側面から調べます。
「たとえば『生物濃縮』ですが、社会科的には原発事故について調べることができるでしょう。一方、理科的には『生物濃縮』のしくみについて調べます」(松澤先生)
ちなみに、中1は中2・中3を手伝うとともに、先輩の姿から「調べ学習」などを学んでいきます。また、中2や中3は下級生に教えることで自分たちの学びをより深めていきます。
「学年を超えて協力し合い、学ぶことも大きな目標です。またペーパーテストでは思うように力を出し切れない生徒が、リーダーになってどんどん進めていく。いつもはあまり話さない生徒が積極的にしゃべる。企画力のある生徒、リーダーシップのある生徒など、ふだんの授業では見えない生徒の姿を見ることできました」と、先生にとっても新しい発見と驚きがたくさんあったとか。
社会科や国語、数学でも自ら考える授業を
社会科の先生でもある松澤先生。松澤先生は中1の地理で「ジグソー学習」を実施したことがあるそうです。
「たとえば、各地の特産物や農業について調べます。それをバラバラにして、次に関東地方など地方ごとに分けます。すると、関東地方の特産品や農業の特徴が浮かび上がってくるのです」
自ら調べ、考え、そして学んだことを実感できる学習です。
「社会科に限らず、国語や数学など他教科でもこのような指導をしています。その結果、生徒たちは自分の意見を主張できるようになってきました。また、つねに常識を疑い、教師に対して積極的に質問する生徒もいます」
なお、同校ではキャリア教育で調べたことを文化祭で発表するなど、「プレゼンテーション」する機会が多いのも特徴です。
注目! 来年の入試から「総合型」が登場!
“AIL”の波は、来年(2018年度)の入試にも及んでいます。同校では来年1月13日の第2回の入試でAILにつながる「総合型」の入試を実施します。第2回入試では、国・算の2科か、もしくは「総合型」が選択できるというもの。「総合型」とは知識を問うだけの出題ではなく、国・算・理・社の教科横断型の問題になるそうで、自分の考えをまとめるといった論述型の問題になる予定です。
「社会に出れば、プレゼンテーション力、分析力などが必要になります。本校では2020年の大学入試の先、これからの社会を見据えて、それらの力を養うことの重要性を考えています。入学してくる生徒にも、知識だけではない学力をもった生徒に入学してほしいですね。また、そういった子どもたちに総合型の試験を受けてほしいと思います」
なお、総合型の試験について、詳しくは学校説明会などで説明をするそうですので、ぜひ説明会に足を運び、新しい波に乗ってください。
◆「自分」を知る
「自分史」づくりで自分を知る。「職業調べ」で社会を知る
自分自身の生い立ちから趣味、好きなものなど、写真やイラストも交えながら「自分史」をつくることにより、自分を知り、自分と向き合う。また、世の中の職業について調べ、それを「きりぐるま祭」(学園祭)で発表。さらに、3学期には「職場体験」で実際に働き、働くことについて身をもって学ぶ。
おもな内容
⑴ 「自分史」づくり
⑵ 「職業調べ」発表
⑶ 職場体験・校外学習
2年生
◆「将来」について考える
「企業訪問」で働くことの意味や、やりがいを学ぶ
「医療班」「メディア班」「教育班」など業界や業種に分かれて、官庁や病院、テレビ局や新聞社など実際に企業を訪問。働く現場を見て、仕事の魅力ややりがい、働くことの意味について学び、自身の「将来」について考えるきっかけに。また、学んだことは「きりぐるま祭」において、パワーポイントを使ってプレゼンテーション。将来に活かせるスキルも養う。
おもな内容
⑴ 企業訪問
⑵ 企業訪問発表
3年生
◆進路選択に必要なものを知る
「大学見学」で進路選択に必要な学問や資格を知る
東京大学や早稲田大学、筑波大学、群馬大学を見学。これまでの学習の集大成として、「どんな職業に就きたいのか」「その職業に就くために何を学ぶべきか」「どのような資格が必要か」など、進路選択に必要なことを具体的に学ぶ。そして、大学見学で調べたことは、「きりぐるま祭」で発表。大学進学への意識づけとなる。
おもな内容
⑴ 大学見学
⑵ 学問調べ発表
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
本庄東高等学校附属中学校
[学校HP]http://www.honjo-higashi.ed.jp/
〒367-0025 埼玉県本庄市西五十子大塚318
Tel. 0495–27–6711
最寄駅/
スクールバス:JR湘南新宿ライン(高崎線)「岡部駅」から8分、森林公園、妻沼、藤岡、伊勢崎、籠原からあり。