卒論にじっくり取り組み、将来に必要な表現力を養う
社会のリーダーとなる人材育成を目指す本郷中学校が掲げるのが、「文武両道」「自学自習」「生活習慣の確立」という3つの教育方針です。自学自習を実践するカリキュラムのひとつが、中学3年間の学習の総まとめとして取り組む「卒業論文(卒論)」。パソコンで3000字以上の論文を執筆し提出するもので、2012年からスタートし、今年度で6年目を迎えます。「この卒論で将来、必要となる主体的な学習姿勢、問題探求力、表現力の育成を目指します」と教務部長の金子孝太郎先生。
論文への準備は中1の3学期からスタート。卒論を書く目的や参考となる推薦図書の紹介などをします。中2になると、全体の大まかな流れ、心構え、論文作成上の注意事項など卒論を書く際の具体的な説明を受けます。中3前の春休みにテーマを決めるためのワークシートを作成し、それに関連する本を読んで感想文を提出。中3の1学期に担任と面談して、卒論テーマを決定します。
実際の原稿執筆は、自学自習で進められ、中3の夏休みに初稿を作成。基本的な文章表現の添削を経て、最終稿を冬休みに完成する流れです。優秀作品は表彰のうえ、同校紀要の「塔影」に掲載されます。
解のない問題に取り組む力を育てていく
入試改革に向けますます表現力が重視されていますが、「なによりも重要なのは、生徒たちが社会に出てから必要となる主体的に問題を解決する力を持つということ。さまざまな“解のない問題”に直面したときに、卒論に取り組んだ経験が力になっていくはずです」(金子先生)。
昨年度の優秀作品のテーマには、手賀沼の生態系、リーダー論、取手のお寺、プラナリアという生物についてなどがありました。
「テーマは自由で、自分の興味がどこにあるかを掘り下げるのが最初のポイントです。資料を読んだり、アンケート調査をする、現地に足を運ぶなど、調査方法もさまざまですね」(金子先生)。
また、今年度は、前年度の優秀賞の論文執筆者が中2、中3、高1を対象に、論文の概要を発表する機会を新たに設けることに。卒論の内容はもちろん、なぜそのテーマを選んだのか、どうやって調べたのかなど、具体的なハウツーを伝授します。
本郷中学校では、このほかにも基礎学力を定着させる取り組みとして、独自の検定試験を実施。中高共通の「本郷数学基礎学力検定試験」と中学のみの「本郷英語単語検定試験」があります。
「学外のコンテストや賞にも積極的に参加。さまざまな経験を通して、生徒たちの興味の幅を広げ、人間力の成長を促します」(金子先生)。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
本郷中学校
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