私学探検隊

合言葉は「チーム昭和!」。 学校改革3年目のいまも 学校一丸となって邁進中

一昨年、都立両国高校・両国高校附属中学校から着任した校長の大井俊博先生は、「チーム昭和」を合言葉に、生徒と先生が一丸となった学校改革に取り組んできました。文武両道に励む生徒を育てる、その改革がますます加速しています。

施設・設備を生かし、生徒の素直さを伸ばしたい

大井先生は平成28年度から今年度(平成30年度)までの3年間「昭和リバイバルプラン」を掲げ、「チーム昭和」のリーダーとして学校改革に取り組んできました。
「私は3年前までは都立両国高校・両国高校附属中学校の校長でした。私立である昭和学院に赴任した時に感じたのは、生徒目線で使いやすい施設・設備が整っていて学びやすい環境だなということ。さらに、生徒が素直であるということ。素直というのは、なんでも受け入れられる吸収力や伸び代があるということです。ハードとソフト、両方が揃っている。これらを生かせば、ものすごい学校になるのではないか、と考えました」
大井先生は授業を変えることに着手し、「アクティブラーニング」を導入することにしました。そして、昭和学院の先生を次々と都立両国高校・附属中学校に送り、実際、アクティブラーニングの授業を見て、学んでもらったそうです。
「教員たちはもともと素晴らしい力をもっていた。しかし、それが発揮できていませんでした。教員の指導力を高めることも、改革では必要なことだと感じました」
また大井先生は、タブレット型端末や電子黒板の活用なども積極的に行うことに。タブレット型端末は、中1から高1まで生徒全員に配付され、アクティブラーニングの授業などで活用されています。

オールイングリッシュの授業など英語の授業に注力

オールイングリッシュの中1の英語の授業。ネイティブの先生と日本人の先生によるチームティーチングで行われる

オールイングリッシュの中1の英語の授業。ネイティブの先生と日本人の先生によるチームティーチングで行われる

英語力アップも改革の肝となっています。同校の英語の授業はオールイングリッシュ。ネイティブの先生と日本人の先生のチームティーチングで行い、英語に自然に親しめる仕掛けをつくっています。
また、中1では1泊2日の「イングリッシュアクティビティ体験」があります。中2では、2泊3日の国内イングリッシュキャンプを開催。ここでは、授業で身につけた英語が実際に使えるのか腕試しをします。さらに、中3では、オーストラリアに語学研修。また、高1ではフィリピンの英語教師とネットで結んだオンライン・スピーキング・トレーニングも導入。
「オンライン・スピーキング・トレーニングは、一人ひとりのレベルに合った英語が学べる点が良いですね。また、タブレット型端末ではアプリを使って楽しみながら英語が身につくようにしています」
さらに、「多読」も推奨しているとのこと。英語に苦手意識をもたない生徒が増えているようです。

「未来講座」に「企業探究」、新たな取り組みを実施

今年度から新たに始まった試みに、「SGアカデミー(未来講座)」があります。これは大学の先生や同校の先生、卒業生などを講師とした講座で、年に10回ほど開催する予定です。
「未来講座は、人生の先輩の話を聞くことで、夢や理想の実現に向け、学習意欲やモチベーションを高めるために企画しました」
5月には台湾在住の作家・片倉佳史氏を迎えて「国際理解・国際協力」をテーマに講演が行われました。また、6月は大井先生自ら登壇しました。
「テーマは『人との出会いに感謝』で幼少期からの半生、教員になった理由などを話しました」
校長先生の話は好評で、生徒たちにも、出会いの大切さ、勉強することの意味が伝わったようです。
さらに、キャリア教育の一環として、今年度初めて高1が取り組む予定なのが「企業探究」。
「企業を調べ、分析をすることで、大学やその先にある職業などへの意識を高めます。調べたものはタブレット型端末に落とし込み、プレゼンすることも考えています」

生徒の自主性を育む教育の仕掛けも

「ところで、私が着任当時、本校の文化祭で気になったのは中学生でした。当時、高校生のフードコートばかりが目立っていて、中学生はぽつんと居場所がなさそうに見えました。そこで、昨年から中学生自身が企画・発想するというように軌道修正したのです。すると、たとえば、中2はイングリッシュキャンプで披露した英語劇をさらに深化・ブラッシュアップさせた英語劇を上演してくれました」
文化祭後の来場者アンケートでは「アカデミックな文化祭で、本当の意味での文化祭になった」という感想も聞かれたようです。

進学実績の伸びに改革の成果が!

現在、高1の特進クラスでは「進学教育プログラム」の一環として、7限目に東大など難関大学の学生に学習指導をしてもらっているそうです。これは「学内塾」と呼ばれ、生徒にも好評です。
「年齢が近い大学生が勉強の指導役だと生徒にとって良い刺激となり、勉強や進路へのモチベーションアップにもつながっているようです」
また、従来、中入生と高入生は高2でクラスを一緒にしていたのですが、現在は高1で混合クラスとなっています。
「高1から混合クラスにすることで、中入生にとっては刺激になり、適度な緊張感をもって勉強に取り組めます」
「昭和リバイバルプラン」では、「2年目に国公立大10名、早慶上理・ICUの合格者15名以上」という目標を掲げていました。
「この目標は当初無理だろうと言われていましたが、実際は現役で国公立大11名、難関私大の早慶上理・ICUの合格者は21名という結果でした。夢や願いは叶うものなのです」

続々とユニーク入試を導入。多彩な生徒が集まる

一昨年導入された自己PR型「マイプレゼンテーション入試(マイプレ)」は、千葉県初の入試として話題を集めました。さらに、今春には「適性検査型入試」を実施し、来春は「英語入試」を導入する予定です。
「マイプレではさまざまな考えや個性をもった生徒が、適性検査型入試では偏差値が高い生徒が入学しました。英語入試は午後に予定しているので、帰国生など英語力の高い生徒に入ってほしいです。また推薦入試では、英検4級以上をもっている生徒は、国語の試験を免除するなどを考えています」
「さまざまな個性・感性をもった生徒に入学してほしい。そしてその個性を昭和学院で磨き、伸ばしてほしい」という思いから特色ある入試を実施しているのです。
2020年には創立80周年を迎える同校。再来年には制服の変更が予定されています。
「また、2020年大学入試改革を見据えて、現在、教員10名で高大接続プロジェクトチームをつくり、月に2回ほど集まって、カリキュラム改訂やゼミの開講などについて話し合いを重ねています。さらに、教員のスキルアップを目的に、『学内公開授業週間』を推進しています。これは自分が担当する教科だけでなく、他教科の授業も見学するよう義務づけたもの。一人ひとりの教員に高い志をもって夢を語ってほしいと願っています」
さらに、「最近では生徒にも教員にも“学校を良くしていこう”という母校愛が芽生えてきているのを感じますね。『チーム昭和』の活気を感じます」と言います。
『チーム昭和』の挑戦は3年間で終了ではありません。挑戦と改革は、この瞬間にも続いています。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

昭和学院中学校
[学校HP]http://www.showa-gkn.ed.jp/js/
〒272-0823 千葉県市川市東菅野2-17-1 Tel.047-323-4171~5
最寄駅/
JR総武線・都営新宿線「本八幡駅」、京成本線「京成八幡駅」徒歩15分(バス約5分)。
JR武蔵野線「市川大間駅」よりバス約10分、北総鉄道「東松戸駅」よりバス約15分(「昭和学院」下車)

この学校の詳細情報を見る