小学生が体験 ! 「問い」を見つける哲学教育
1期生が大きな躍進!大学付属の進学校
都内唯一の東洋大学の付属校である東洋大学京北中学校は、創立者の井上円了先生による建学の精神「諸学の基礎は哲学にあり」をもとに学校づくりを行っています。また、本当の教養を身に付けた国際人の育成をめざし、「哲学教育(生き方教育)」「キャリア教育」「国際教育」の3つを柱とした教育を実施。中でも特徴的なのが、「より良く生きる」をテーマに取り組む哲学教育です。昨年8月の哲学ゼミでは、「生まれてくる命をめぐる対話」と題し、こうのとりのゆりかごを設置する熊本県の慈恵病院などでお話をうかがい、親の心情、倫理や法律などさまざまな観点から問いを立て、命の尊厳について対話を深めました。
進学では東洋大学の推薦枠160名程度を確保しつつ、生徒の夢の実現に向けた学習サポートや進路指導に注力。その成果が実り、今年3月に卒業した1期生は、国公立や早慶上理などを含む大学合格者数が前年度の2倍以上に増えました。
伝統をいかしつつ未来を見据えた学びへと幅を広げ、進学校として躍進をはじめた東洋大学京北中学校。予約が満員となった8月26日のオープンスクールにうかがいました。
身近なことに「問い」を立て「哲学する力」を養う
小学5・6年生が授業を体験するオープンスクールでは、国語科の伊藤豊先生による、哲学の授業を見学。中学校の教室という環境もあり、AI化が進む未来や哲学的に考える意味などの話を、子ども達はやや緊張した表情で聞いていましたが、物腰柔らかな伊藤先生のおかげで肩の力も抜け、自己紹介では進んで手を挙げて名前と好きな食べ物を伝えることができました。この自己紹介では、授業でも使われているコミュニケーションボールが登場。これは先生と生徒で自作した毛糸のボールで、受け取った人が発言し次に発言する人へボールを渡すというルールがあります。「手を挙げている人にボールが届くよう、相手が受け取れるように投げてください」と伊藤先生。ボールを投げるという動作にも、相手のことを考え尊重するという学びの要素が盛り込まれています。
今回のテーマは「大人とこども」。普段、あたり前だと思っていることに問いを立てるという課題に戸惑う子もいたようですが、スクリーンに映し出された説明を見ながら色画用紙にペンを走らせていきました。子ども達が書いた問いは、「大人になるってどういうこと?」「成長するのは何のため?」「なんで子どもは働いちゃいけないの?」「大人と成人の違いは?」など、どれも興味深いものばかり。「なぜその問いを立てたのか、問いについてどう考えるのか、もっと子ども達の話を聞きたかったですね」と伊藤先生もにっこり。参加した子ども達も哲学の授業に好奇心を刺激されたようで、授業後には保護者の方と問いについて話す姿がみられました。
哲学の後は、部活動で先輩たちと交流
休憩時間を挟み、次は部活動にチャレンジ。面倒見がいいことで知られる同校だけあり、部活の醍醐味や楽しさを味わってもらおうと、生徒たちが細かく小学生に声をかけ教える様子が印象的でした。
また校舎4階では、昼食に導入しているランチボックスの試食会も。栄養士により構成されたメニューは、彩り豊かで栄養バランスもバッチリ。多くの親子が笑顔で昼食タイムを楽しんでいました。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
東洋大学京北中学校
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