私学探検隊

「自由と自立」「公文式」「寮生活」で まさに「国際学園」の名にふさわしい教育を展開。

横浜市戸塚区の小高い丘の上に建つ公文国際学園。校地面積は約5万9100㎡と広大で、こすずめ公園に隣接した森には時折リスも顔を出す、自然豊かな環境にあります。
同校は「公文式」でおなじみの「公文教育研究会」が1993年に設立した男女共学の中高一貫校で、学校名に「国際学園」という名前を入れていることからわかるように、「国際理解教育」に力を注いでいます。同校の教育について紹介していきましょう。

「生徒憲章」のもとに自主自立の精神を育む

制服と校則がないため、自由な雰囲気がするキャンパス。しかし、校則はないかわりに「何をしたらいいのか」と考えて行動する指針として、『生徒憲章』があります。
『生徒憲章』は「生徒は誇りを持ち、幸せに生きることができる」「一人一人の個性を尊重される」「いかなる場面でも自分を表現できる」「健やかに成長していく権利」など7項目に及びます。自分で学び、考え、判断し、行動する力を身につけ、「何をしてもいい」ではなく、「何をしたらいいのか」を考え、責任ある行動が取れるよう成長していってほしいという願いが込められているのです。
この『生徒憲章』が「自主自立」の精神を育み、公文国際学園の教育のベースとなっています。

公文式に寮生活など独自の教育プログラム

放課後に学校を訪れると、廊下や自習室など至るところで自習をする姿を見かけます。
学校での公文式学習は、中1、2が必修。数学・国語・英語教材のどれか1教科以上を、週1回の放課後学習と毎朝20分、自習します。これにより自学自習の習慣を身につけることができるのです。
生徒は全国から集まっているため、敷地内には男子、女子それぞれの寮があり、入寮の制限はありません。中1では希望制の「寮体験プログラム」があり、4カ月間「寮生」となることができます。「寮では起床から食事、学習に至るまで一定の範囲の中で、自らを律しながらも、自主的に生活することを学びます」とは教頭の滝口眞聖先生。
保護者の方からも「自宅に戻ってくると、とても大人になったように見える」と評判も上々です。同校OBで広報室の結城大輔先生も寮生活の経験者。「大学受験時には、みんなで勉強を教え合い、切磋琢磨して過ごしました」と教えてくれました。
さらに、行事でも「自律と自立」「コミュニケーション能力」「課題設定」や「問題解決能力」など「生きる力」を育んでいます。
なかでも他校の文化祭にあたる「表現祭」は、食べ物系の模擬店が一切ないのが特徴。「いかに自分たちの思い、気持ち、文化を表現していくかに特化しています」(滝口先生)
「表現祭」では、クラス企画のほか有志でも参加でき、その年のテーマにあわせて「演劇」「ミュージカル」「映像」「展示」など工夫を凝らしたパフォーマンスを披露。最優秀の団体には「天爛賞」が贈られます。
また、中2の後半から中3にかけて準備し、中3で実施するのが「日本文化体験」です。これは中3の修学旅行的な位置づけの行事で、15年前から始まりました。生徒自身がテーマを決め、旅行業者と直接打ち合わせをするのも特徴の一つです。テーマは「本物の日本文化を体験できるもの」。生徒が企画した案はプレゼンなどをとおして絞り込みます。2018年度は「そば」「白桃」「食品サンプル」「わんこそば」「仙台牛」「羊羹」がテーマでした。目的地が決定したら、テーマごとのグループに分かれ訪問。体験後は論文にまとめます。「日本文化体験では実際に関係者に話を聞き、ネットでは学べない本物の体験をします。また、国際学園だからこそ、日本文化を学ぶことが重要なのです」(滝口先生)
公文式、寮生活、日本文化体験など、独自のプログラムが自律と自立心に富んだ公文生を育てています。

国際理解教育

英語は3クラス。「少人数キャリア別授業」で展開

英語の1クラスでは7割の授業がネイティブの先生、残り3割が日本人の先生によって行われている

英語の1クラスでは7割の授業がネイティブの先生、残り3割が日本人の先生によって行われている

「国際社会で活躍できる、有為な人材の育成」を教育理念に掲げる同校。「国際理解教育」は同校の教育の大きな柱の一つです。
「英語はコミュニケーションの道具です」とおっしゃるカナダ出身のマイケル・シェラー先生に、英語と国際理解教育について伺いました。
「中学では毎日英語の授業がありますが、中1から中2まで、英語の経験度や習熟度ごとに3クラスに分けた『少人数キャリア別授業』を行っています。本校には帰国生もいれば、英語をほとんど学んだことがない生徒もいます。すべての生徒が満足できるクラス編成にしているのです」
ネイティブの先生は5名在籍し、英会話を担当。一方、日本人の先生は文法や語彙を受け持ちます。帰国生や経験者が学ぶクラスは1クラス、初心者クラスは2・3クラスで、1クラスではスピーチはもちろん、ディベートやプレゼンをしたり、英語で論文を書いたりと高度で実践的な授業を展開。一方、2・3クラスでは音読を重視し、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能をバランスよく育成。基礎を徹底的に養います。
「2・3クラスの中には中3で1クラスに入る生徒もいます」
英語初心者の生徒が、帰国生が学ぶクラスに入るのはかなりの努力を必要とするはず。しかし、それを実現する生徒が同校にはいるのです。

模擬国連や校内模擬国連で国際感覚を身につける

「模擬国連」とは、世界3000人以上の学生が参加して各国の課題や問題について話し合う会議のことです。同校では2002年度に日本の中高で初めて参加して以来、毎年参加。中3から高2の生徒20名から25名が、オランダのハーグで行われる会議に参加しています。
「参加するには、まず英語のトレーニングが必要です。そして、その国の代表国として参加しているので、担当している国や課題について調べ、解決策を考え、発表しなければなりません」(シェラー先生)
生徒たちは「英語に関わる仕事がしたい」「社会問題に関心がある」「海外で同世代の友達をつくりたい」という理由で参加するようです。
ただ、模擬国連に参加できる学年と人数は限られています。そこで生徒から「校内でも模擬国連をやりたい」という声があがりました。そして誕生したのが「校内模擬国連(MUNK・ムンク)」です。
「MUNKは企画・運営も生徒自身が行います。中1から参加可能で、テーマに沿って熱い議論を交わします。MUNKでは模擬国連の雰囲気を体験することができるので、模擬国連未経験の生徒にとっても良い予行演習となります」(シェラー先生)
留学生の受け入れにも積極的な同校。つい先日も、スポーツ関係で来日中のオーストラリアなどの留学生20名が来校。中学生の英語の授業に参加してもらったのだとか。突然の対面だったため、生徒たちは驚いたようですが、本物の英語に触れ、「楽しかった」と言っていたとか。「今後もこういった機会を増やしていきたいですね」(シェラー先生)
また、毎年数名が海外大学へ進学しています。「本校には海外留学カウンセラーの資格を持つネイティブの先生がいるので、海外の大学とのやりとりなど、きめ細かいサポートが可能なんです」(シェラー先生)
結城先生は「外資系証券会社や世界規模で展開するIT企業など、グローバルに活躍している卒業生も多いです」と教えてくれました。
同校での6年間が世界へと羽ばたかせるのは間違いありません。

『公文国際学園生徒憲章』(抜粋)
いついかなる時でも人類社会の自由と平和を求め行動する個人に育って欲しいという強い願いから、本憲章は作成されました。この憲章は、人と人との相互の権利と責任を尊重しています。したがって生徒のみなさんには以下のような権利を保障するとともに、その権利を行使するのにともなう責任を求めています。私たちには、この憲章についての理解を深め、これを実現することにより、より豊かで有意義な学園生活を営む責任があります。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

公文国際学園中等部
[学校HP]https://kumon.ac.jp/k-gakuen/kokusai/
〒244-0004 神奈川県横浜市戸塚区小雀町777 Tel.045-853-8200
最寄駅/
JR京浜東北線など「大船駅」から直通バス8分あり。

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