新聞の活用やプログラミング教育で 失敗を繰り返しながら「考える力」を育む
新聞の読み比べで多角的な視点が持てる
「NIE(Newspaper in Education)」の実践指定校として、朝学習や地理・国語などの授業で新聞を教材に取り入れている同校。今回は、中学1年生の国語の授業を取材しました。
「『首相の1日』を探してみましょう」という先生のかけ声と同時に新聞を一斉に広げる生徒たち。「見つけた!」「どこどこ?」と声を上げながら、新聞記事に目を通します。
この日は新聞紙面の構成を理解するために、新聞の発行日や号数、一面の見出しを書いたり、版数の意味を考えたりしました。新聞の「題字」にも各社のこだわりがあることや、どの新聞にも看板コラムがあることなどを学んだ生徒のなかには、友達と新聞を交換して読み込む姿もありました。授業のあと、担当していた堤真美先生に、新聞を活用した学習のねらいについて聞いてみました。
「国語科では、中1で自分新聞、中2で林間学校新聞、中3で修学旅行新聞をつくるのですが、このためには新聞の構成を知る必要があります。また、おもしろい記事はどんな特徴があるのか、文章の構成はどうなっているのかを知ることで読解力や文章力を身につけることができます」
NIE実践指定校になるとその地域で配達している7紙の新聞が4か月間毎日届き、各紙を読み比べることができます。同じニュースを扱っていても取り上げ方が違うことがあり、多角的なものの見方が身につきます。また社会でリアルタイムに起こっている話題を扱うからこそ、生徒たちも真剣に向き合うことができるといいます。
神奈川県で初めてプログラミング入試を実施
2017年から中学部でプログラミングの授業を取り入れている同校。2019年度入試では神奈川県で初めて、プログラミングを活用した「プログラミング特別入試枠」を設け、注目を浴びました。
2019年4月から校長に就任した原野聡美先生にプログラミング教育のねらいについてうかがいました。
「プログラミングでコンピュータに指示をしても、意図通りに動くことばかりではありません。しかし、『どうしたら正確に動くのか』『エラーの原因は何なのか』と一つひとつ検証することで、目的を達成することができます。『こうしたら、ああなるはず』と論理的に予測できる力や、思い通りにならなくても根気強く考え、やりぬく力を育むことが、プログラミング教育の目的です」
また、グループで課題に取り組むことで、同じ目標に向かって友だちと協力する力も身につくといいます。
プログラミング授業に限らず原野校長先生がすべての教科で特に大切にしているのは、教員が「教えない」ということだと語ります。「生徒が間違えても、なぜ間違ったのかを教えるのではなく、自分自身で考えさせる。そうすることで、困難に直面しても自分で乗り越えていける力や、学び続ける姿勢を身につけていってほしいと願っています」と言います。プログラミング教育をとおして考える力、想像する力を養う相模女子大学中学部に今後も注目が集まります。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
相模女子大学中学部
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