理科が苦手な生徒も夢中になる夏期探求課題で「探究心」を育む
3年間、段階的に取り組む夏期探求課題
桜美林には、理科が中心となって30年あまり作り続けている「探究心」という冊子があります。その名の通り、探究心を育んでほしいという思いから、理科では中1から中3まで、3年間に渡り全員が取り組む夏期探求課題を設けています。
生徒は自分でテーマ(中1は全員が同じテーマ・中2は複数のテーマから選択・中3は自由)を設定し、自分なりに工夫した実験を加えて研究計画書を作成。その計画書に基づいて夏休みに各自で実験を行い、研究の成果をまとめて提出します。そして2学期の授業の中で発表や評価を行い、優秀作品は「探究心」に掲載されます。
昨年の研究成果を踏まえて発展的な研究を目指す矢部さん
昨年度、理科では9名の研究作品が掲載されました。中2でただ1人掲載された矢部結子さん(現在中3)は理科が好きで「これまでの授業では生物の解剖がおもしろかった!」と目を輝かせるリケジョです。中2の夏期探求課題では「ドミノの倒れ方」をテーマに選びました。「ドミノの間隔や並べ方により倒れる速度が変わるのか。そこに着目し、2m並べて計測しましたが、携帯電話のストップウォッチでは誤差や押し忘れがありました」。実験を進める中で計測の仕方に問題があることに気づいた矢部さんは、カメラの連写機能を活用して1コマあたりの時間を計算。そのデータを活用して、自分なりの考察を導き出しました。「祖父が実験に協力してくれて、写真を撮ってくれていたから気づけたことでした。今年の夏は、この実験の続きをする予定です。ドミノが倒れる速さが一定になるまで並べてみるなど、多分そうじゃないかなと思っていることを確かめたいと思っています」。
生活の中で生じた疑問を解き明かす駒村さん
中1でただ1人掲載された駒村実咲さん(現在中2)は「理科が苦手。知識を覚えることに苦心している」と言いますが、中1の課題「ダイコンの絞り汁によるデンプンの分解」に興味をもちました。普段の生活の中で、卵焼きや焼き魚、ハンバーグなどの料理になぜ大根おろしを添えるのかという疑問を持ち、調べていたからです。そこでダイコンだけでなく、玉ねぎ、みかん、キャベツの汁でも同様の実験を行いました。正確な実験結果を得るためには、濃度の異なるデンプン液を正しく作ることが重要です。一度失敗しましたが、結果に疑問を持ってデンプン液を作り直したことで、しっかり考察することができました。その上、優秀作品に選ばれたことが自信になり、「今年は風鈴を使う実験に取り組む」と張り切っています。「風鈴の多くは長方形の短冊がついていますが、ディズニーランドで買ってもらったプーさんの風鈴には蜂蜜を形どった紙がぶら下がっていて、短冊の形や糸の長さなどが違ったらどうなるのかなと思ったことがきっかけです」
矢部さんのようなリケジョはもちろん、駒村さんのような「好きなこと、興味を持ったことは一生懸命できる」という女子もやる気にさせる夏期探求課題。今年の成果は9月に行われる文化祭でご覧いただけます。ぜひ学校に足を運んで、中学生の理科への情熱を感じてください。
駒村実咲さん:行事がすごく楽しいです。小6の時に文化祭に行き、先輩の優しさに触れて、入学したいなと思いました。キリスト教に馴染みがなく、最初は好きではありませんでしたが、週に1度の礼拝で説教を聞くうちに、少しだけ人に優しくできるようになりました。
矢部結子さん:留学生と触れ合う機会が多いところです。学校でも触れ合う機会がたくさんあります。オーストラリア修学旅行もすごく楽しみです。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
桜美林中学校
[学校HP]http://www.obirin.ed.jp/
〒194-0294 東京都町田市常盤町3758 Tel.042-797-2668
最寄駅/
JR横浜線「淵野辺駅」徒歩20分。「淵野辺駅」・JRなど「町田駅」からバス「桜美林学園前」ほか。スクールバス:京王線・小田急線・多摩都市モノレール「多摩センター駅」、「淵野辺駅」からあり。